車には様々なボディタイプがありますが、タイプごとに大きさや重さ、形が異なり、それぞれに特徴があります。ボディタイプの違いによるメリット・デメリットもあり、車選びではご自身のライフスタイルと相性が良いかどうかもポイントとなってくるでしょう。こちらでは、車の購入時に参考にしていただける車のタイプ別の特徴と選び方について解説します。
車のタイプごとの特徴やメリット・デメリット
こちらではまず、車にはどのようなボディタイプがあるのか、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
軽自動車の特徴やメリット・デメリット
メリット | デメリット |
自動車税などの維持費が安くなる 小回りが利き運転がしやすい |
4人定員のためそれ以上の人数では乗れない 加速性能やパワー面は限界がある |
軽自動車は全てのタイプの中で税金などの維持費が最も安くなっており、新車販売価格もメーカーやグレードの選び方によっては100万円前後に抑えることができるため、維持費だけでなく車購入時の初期費用も比較的抑えることが可能になっています。
軽自動車の大きさは法令により規格が決められているため、全長3,400mm、全幅1,480mm、全高2,000mm以下となります。軽自動車は小回りがきき、狭い住宅街でもスムーズに動くことができますし、運転もしやすく感じるでしょう。全般に軽量なので燃費に優れた車種が多い所も特徴のひとつです。ただし、車体が小さい分車内空間には限界があり、普通乗用車と比べると狭くなります。定員数は軽自動車は4人までと法令で決まっているため、家族の人数によっては足りないこともあると思います。ただし、家族が多くても、その利便性や維持費のコストパフォーマンスが高いことから2台目に購入されるケースも多くなっています。
軽自動車というと小さな車というイメージが強く持たれていましたが、近年はホンダN-BOXやダイハツタントのような車内空間の広いハイト系軽ワゴンもあり、そちらは定員数こそ4人のまま(軽自動車の条件を満たすため)ですが、「維持費は軽なので安く、居住性は良好」というワゴンと軽の良いとこ取りのような性質のため、高い人気があります。
軽自動車は重量の軽さやサイズの小ささから、「安全性が低い」という意見もありますが、最近の軽自動車の安全技術は格段に上昇しており、安全性能だけで選択肢から外す必要はなさそうです。予防安全装置などを含めて安全性は向上し、室内空間の広い車種も登場し、軽自動車は時代とともに弱点を克服してきています。現時点での軽自動車で共通するデメリットをあげるとすれば、「搭載エンジンが小さいためパワー面に限界があり、勾配のある道路や高速道路走行には向いていない」という所となるでしょう。
軽自動車税はいくら?
軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点での納税義務者へ市区町村より課税される、軽自動車の税金です。四輪以上排気量660㏄以下の乗用軽自動車の税率は、初度検査年月が平成27年3月以前の車両は7,200円(自家用、初度検査年月が平成27年4月以後の車両は10,800円、最初の新規検査から13年を経過し重課対象となった車両は12,900円、グリーン化特例制度により軽課税率対象で概ね75%軽減されている車両は2,700円となっています。
コンパクトカーの特徴やメリットデメリット
メリット | デメリット |
他の普通乗用車に比べると自動車税が低い 最小回転半径が小さく運転がしやすい |
軽自動車に比べると経済性は低い 車内が窮屈に感じる |
コンパクトカーは、軽自動車とボディサイズは近い小型の普通乗用車です。コンパクトカーの定義自体は決まっていませんが、リッターカーと呼ばれる排気量1,000㏄クラスの小型乗用車や、1,500㏄クラスで車の分類番号が5ナンバー規格に収まる小型乗用車のことを指すことが多くなっています。車の分類番号が5から始まる5ナンバーのサイズ規格は、全長4,700mm・全幅1,700mm、全高2,000mm以下、総排気量660㏄~2,000㏄以下となっています。
普通車のなかでも、コンパクトカーの場合は税金や燃料費等の維持費が抑えられますし、軽自動車のように小回りもきき、狭い住宅街でも走りやすいという利点があります。また、軽自動車の乗員定数は4名ですが、コンパクトカーは普通乗用車になるため、定員まで乗ると窮屈さは感じるものの5名~7名まで乗車が可能です。軽自動車と同様に、その利便性や維持費の低さから2台目に購入するケースも多いです。
コンパクトカーは自動車税や重量税の面では経済性で軽自動車に少々劣るものの、重量が軽いため軽自動車と同等に燃費は良く、軽自動車と違って排気量の制限がないため軽自動車よりもパワーやトルクがあり高速道路などでより快適に走行できるというメリットがあります。
セダンの特徴やメリットデメリット
メリット | デメリット |
加速性能や走行性能が高い 車内の静粛性が高い |
ロードノイズを拾いやすく乗り心地が悪い場合がある 車体が低いため視界判断が困難に感じる |
セダンとは、一般的にエンジンルーム・乗車空間・荷室の3ボックスで構成された乗用車のことで、荷室と乗員室が完全に分かれているため4ドア車となります。
コンパクトカーに比べると全長が長くなり、ホイールベースも長くなる分車重のバランスが良いことや、車高が低く低重心となるため走行安定性も高い車となります。そのため、高級車や走行性能が高いスポーツカーのボディタイプにセダンが多い傾向となっています。荷室と乗員室が独立しているため、気密性が高くなり車内にトランク内からの匂いや音が伝わることもありませんし、静粛性も上がるため、タクシーや送迎車といった車にもセダンが多くなっています。
セダンは車高が低く低重心車が多い傾向ですので、空気抵抗を抑えダウンフォースを獲得することができるためカーブでも安定しますし、加速性能や走行性能を高めることができます。しかし、その低重心である分ロードノイズを拾いやすかったり、路面状況からの衝撃が伝わりやすいため乗り心地が悪いと感じることがあるでしょう。
ワゴン(ステーションワゴン)の特徴やメリットデメリット
メリット | デメリット |
積載性が高く用途が幅広い 商用利用がしやすい |
燃費性能が悪くなりやすい 後席シートの快適性は低い |
ワゴンとは、人と荷物を運ぶための車の名称です。荷物だけを運ぶ車はバンとなります。ワゴンには、エンジンルーム・乗員室・荷室が分けられていないボンネットがないタイプのワンボックスカーと、エンジンルームは独立し乗員室と荷室が一つになっているステーションワゴンがあります。ステーションワゴンは、5ドア車でエンジンルームと乗員室、荷室のツーボックスで構成されている車です。「駅に人を送迎したり駅まで荷物を運ぶことを目的としている車」という意味から、ステーション(駅)ワゴン(人と荷物を運ぶ車)と名付けられました。
車内の空間を広く取ることで荷物を沢山運ぶことができるものの、積載量が多くなると車両重量も必然的に重くなるため、燃費性能は悪くなります。また、ワゴンの中にはもともと荷物を運ぶためのバンの荷室部分にシートを置いているタイプもあり、荷室部分にあたる後席シートの快適性はミニバン等に比べると低く感じる場合があります。
SUVの特徴やメリットデメリット
メリット | デメリット |
耐久性があり走破性が高い 運転位置が高く運転がしやすい |
頑丈で重いボディのため対人事故発生時の傷害が大きくなる 一般的な機械式駐車場に駐車できない |
SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)は、日本語にすると「スポーツ用多目的車」となります。SUVの特徴は、乗車位置が高く広い室内空間を持っていることと、耐久性の高い構造を持っていて走破性能が高いところです。基本的に車高が高い車が多くなるため視界が広くなり、サイズの割に運転し易いと言われています。また、アウトドアなどで未舗装道路を走行する時も、最低地上高が高いためボディ下を当てて傷つけてしまう心配がありません。
SUVは構造上耐久性の高いフレームを採用している場合が多く、頑強さと重量はその分増しているため、万が一衝突事故等があった時は、相手に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。また、車高が高いために一般的な立体駐車場などは、規定サイズに車高が収まらず一律入れることができないといったデメリットもあります。
ミニバンの特徴やメリットデメリット
メリット | デメリット |
ゆとりのある車内空間 運転位置が高く運転し易い |
新車価格が高額 自動車税・重量税が高い |
ミニバンとは、普通乗用車のなかでも室内空間がより広くとられている3列シートの車のことです。乗車定員も7~8名となっていて、ワゴンよりもさらに人を乗せて運ぶ大きい車というイメージになります。ミニバンの呼ばれ方の由来は、海外でのフルサイズバンと比べるとサイズが小さいバンというところから、ミニバンと呼ばれるようになりました。そのため、ミニバンという名称で呼ばれるものの、ボディサイズは一定ではなくLクラスの大きなタイプからコンパクトサイズのSSクラスまでと幅広くなっています。大人数での移動や、多くの荷物を運ぶといった用途で活躍する車で、新車販売台数上位を占める人気のボディタイプです。
ボディサイズが大きく、人も荷物も沢山載せることができるため、自動車税や重量税は高くなりやすく維持費はかかる車です。また、車高も高く、全長・全幅もあるため、大型サイズを納めることができる駐車スペースが必要となります。立体駐車場や集合住宅の駐車場などは、大型クラスのボディサイズで大きな普通乗用車を駐車できる台数に限りがあるため、空きが出るまでおくことができず、少し離れた駐車場に停めなくてはいけないなど都市部では苦労する場合があります。
ワンボックスカーの特徴やメリットデメリット
メリット | デメリット |
人数も荷物も沢山乗ることができる アレンジ性が高い |
税金や燃料費などの維持費が高くなる 慣れないと運転が難しい |
ワンボックスカーは、ワゴンタイプの説明にもあったように、ボンネットはなくエンジンルーム・乗員室・荷室が分けられていない車のことです。ワンボックスカーは乗車定員数が多いだけでなく、荷物もかなり多く乗せることが可能なため、商用車として利用されることが多くなっています。また、近年は車中泊用など荷室部分をベッド等にアレンジして使用するワンボックスカスタムも人気があります。
ミニバンと同様に車体が大きいため維持費が高く、小回りがきかないという欠点があります。また、エンジンルームと乗員室が分けられていないため、ワンボックスカーの多くはキャブオーバー型といってエンジンの上に運転席(キャブ)部分が配置されています。キャブオーバー型のワンボックスカーやトラックの場合、ハンドル位置が前輪のちょうど上にくるため、一般的なセダンやミニバンなどとは運転感覚が異なります。乗り慣れない人が運転をするとハンドルを急いで切りすぎてしまい、左ボディをこすってしまったり、後輪が縁石に乗り上げてしまうといった事故につながるため慎重な運転が必要です。
スポーツカー・オープンカーなどの特徴やメリットデメリット
メリット | デメリット |
高い運転性能で運転を楽しむことができる ファッション性コレクション性が高い |
新車販売価格が高額 燃料消費率の性能が悪い |
スポーツカーは純粋に運転を楽しむこと(スポーツドライビング)を目的として製造されている車です。オープンカーは、高いファッション性を持ち、高級志向のユーザーの所有欲を満たすことができる車となっています。
車両価格や維持費などは極めて高いものが多く、サイズのわりに定員数も少ないので実用性はあまり高くはありません。特にスポーツカーの2列シートの後席は、緊急時の乗員用といった設定が多く、普段から3~4名で車を利用し後席を必要とする人には向いていません。家族の移動用の手段として車を購入する場合は、選択肢に入れることは難しいでしょう。また、走行性能が高く瞬発力が高い加速性能をもつ車の場合は、燃料消費効率が悪くなりやすいため、燃費を気にされる方にも向いていない車となっています。
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前項では車のボディタイプとそれぞれにどのような特徴、メリットデメリットを解説しました。こちらでは、ライフスタイルにあった車の選び方を解説します。
車選びのポイントはサイズ・燃費・用途
車選びでどのボディタイプを選ぶかどうかのポイントとなってくるのは、サイズ・燃費・用途です。
まず、ボディサイズは駐車スペースの確保が必要になってくるため、平面駐車場など自宅敷地内に余裕がある場合もあれば、集合住宅に住んでいてどうしても確保できないという場合もあります。また、大きいサイズは狭路や住宅地での運転が難しいと感じる人もいます。燃費は車を所有する上で、維持費に大きく関わる問題です。特に毎日車を通勤で使う人や、仕事の営業中にも使用するという場合は年間の燃料費がかなり出費のシェアを占めることになりますので、重量のある車を購入してしまうと負担になる可能性があります。最後に、用途としてどんなことに車を使うかどうかです。沢山の荷物を積むことがある、家族4人で移動する、アウトドア用品やゴルフバッグを載せて長距離を走ることが多い、家族の送迎で自転車やベビーカーを積むことが多いなど、車の用途を考えると必要な車のボディタイプがわかります。
週末は家族と、毎日の通勤にも必要不可欠
週末はご家族で買い物に出掛けることもあるが、毎日の通勤にも同じ車を利用するのであれば、おすすめはミニバンタイプです。しかし、ミニバンでLサイズのガソリン車を選んでしまうと駐車スペースの確保に困ることになったり、燃料費が嵩んで維持費が高くなる可能性があります。そこでおすすめは、S~SSクラスのコンパクトミニバンです。家族で利用する時も乗員定数にゆとりがあり、後部部分にしっかりと買い物の荷物を積むこともできます。また、毎日の通勤で利用した場合も、Lサイズミニバンと比べるとボディサイズが抑えられて、比較的燃料消費率がいい車が多いため、負担になりにくくなっています。
例えば、トヨタ自動車のコンパクトミニバンのシエンタは、乗員定数5人~7人乗りの2列または3列シートを選ぶことができるコンパクトミニバンです。シエンタのボディサイズは、全長4,260mm/全幅1,695mm/全高1,695mmで総排気量1,490㏄のハイブリッド車になります。コンパクトカーでもご紹介した5ナンバーサイズの規格(全長4,700mm・全幅1,700mm、全高2,000mm以下の総排気量2,000㏄以内)に収まるため、税金面での維持費も抑えることができるミニバンとなっています。また、ハイブリッド車のため燃料消費率が28.2km/Lとかなり抑えられていますので、週末に遠方へ出掛ける時も燃費の心配がありません。
まとめ
車の購入時には、車を選ぶ際はご自身のライフスタイルや住環境にあった車のタイプを見定めることが大切なポイントになります。購入した後で後悔してしまっても、気軽に買い直すことはできません。購入前の検討時の材料として活かしていただければ幸いです。
日本全国の中古車情報
中古車の買取相場情報を都道府県ごとにご紹介しています。都道府県別の車買取の特徴や、車買取に関して知っておきたい豆知識などについても掲載していますので、下記のリンクからご覧ください。