車を廃車するためには手続きが必要であり、さまざまな書類を用意しなければなりません。また廃車といっても普通自動車、軽自動車、原付で廃車の方法や必要な書類などは違っています。それぞれの違いを理解して、どんな書類が必要なのかを確認しておきましょう。
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まずは「廃車」について知ろう
廃車の手続きを進めるためには、そもそも「廃車」とはどのようなものなのかを知っておきましょう。廃車=ボロボロになって動かなくなった車とイメージする人も多いですが、実際はそうではありません。廃車とは車の状態に関係なく、名義をなくして処分することであり、届け出を出して登録することで完了するものです。そのため新車であっても、廃車として登録することも可能です。
普通車の場合
普通車の場合は、廃車には永久抹消登録と一時抹消登録の2つに分けられます。どちらも名義をなくし、所有権を手放すことを指しますが、永久抹消登録の場合は車を解体し、一時抹消登録の場合は車をそのまま残しておくことができます。抹消登録はそれぞれ現住所の管轄内の運輸支局でおこないます。
軽自動車の場合
軽自動車の場合も基本的な手続きの流れは普通車と同じです。永久・一時抹消登録のどちらかを選び、それぞれ必要な書類を集めます。軽自動車の場合は、廃車手続きは軽自動車検査協会でおこないます。窓口で必要な書類を提出し、車検証を返納すれば、自賠責保険の還付申請や税金の納付をストップさせる手続きをおこない、廃車は完了です。
原付の場合
原付を廃車にする場合は、廃車手続きは市役所など市区町村の役所でおこないます。自動車に比べると原付の廃車は非常に簡単であり、窓口で必要な書類を提出してバイク本体を処分してもらえばそれで終わりです。処分には引き取り業者を依頼しますが、引取の依頼だけであれば無料でやってくれることも多いです。
【普通自動車】車の状況や廃車の状態で異なる
普通自動車の廃車手続きは、車の状況や廃車の状態によって異なります。車がどんな状況にあり、永久・一時どちらで抹消登録をするかによって、手続きの方法や必要な書類も違ってきますので注意しましょう。普通自動車の廃車は手続きが複雑なので、細部まできちんと理解しておくことが大切です。
永久抹消に必要な書類
廃車の方法としては永久抹消がありますが、これをする場合には必要な書類がたくさんあります。書類に不備があれば手続きが進みませんので、きちんと確認してしっかり揃えておくことが大切です。また永久抹消登録も、どのような方法でおこなうかによって、必要な書類も違ってくるので注意しなければなりません。
業者などに頼む場合
永久抹消登録を業者などに頼む場合は、所有者の印鑑証明書と委任状、車検証、ナンバープレート前後面の2枚、「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモ書きなどが必要です。印鑑証明書は発行から3カ月以内であり、印鑑証明書の印鑑と委任状の印鑑は同じものを押さなければなりません。 業者に頼めば書類を揃えるだけで手続きは代行してもらえますが、代行手数料がかかるので費用が必要であることは覚えておきましょう。
自分で行う場合
自分でおこなう場合は、業者に依頼する場合の書類に加えて、手数料納付書、永久抹消登録申請書(及び解体届出書)、自動車税・自動車取得税申告書が必要です。自分でおこなう場合は必要な書類が大幅に増えますので、手間がかかることは覚えておきましょう。 自分でおこなえば廃車費用は安く済みますが、廃車手続きは複雑で面倒なので、可能な限り業者に依頼するのがおすすめです。
車検が1カ月以上残っている場合
永久抹消登録時に車検が1カ月以上残っている場合は、申請すれば重量税の還付が受けられます。還付を受けるためには、所有者のマイナンバーカードや通知カード、還付金を受領する金融機関情報、重量税還付金の受領権限に関する委任状などが必要です。 またマイナンバーカードについては本人の証明ができればOKですので、個人番号の記載がある住民票コピーでも代用可能です。
車検証記載の住所氏名と印鑑証明書が異なる場合
車検を通したあとに住所などの変更があり、車検証記載の住所氏名と印鑑証明書が異なる場合は、住民票や戸籍謄本の提出が必要です。住所が異なる場合は住民票、氏名が異なる場合は戸籍謄本が必要ですので、車検証と異なる点がある場合はこれらも用意しておきましょう。
一時抹消に必要な書類
廃車の方法としては一時抹消登録もありますが、この場合にも必要な書類はたくさんあります。永久抹消登録とは必要な書類が違っている部分がありますので、それぞれの違いをきちんと理解しておくことが大切です。
業者などに頼む場合
一時抹消登録を業者などに頼む場合は、所有者の印鑑証明書と委任状、車検証、ナンバープレートが必要です。永久抹消登録と違って、「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモ書きは不要です。また注意点についても基本的には永久抹消登録と同じです。印鑑証明書は発行から3カ月以内でなければなりませんし、業者に依頼すれば費用がかさむことが多いです。
自分で行う場合
自分でおこなう場合は、業者に依頼する場合に加えて、手数料納付書、一時抹消登録申請書、自動車税・自動車取得税申告書などが必要です。これらの書類は抹消日当日に準備すればいいですし、自動車税・自動車取得税申告書に関しては地域によっては提出が不要な場合もあります。 永久抹消登録より必要な書類は少ないものの、それでも自分で手続きをおこなうとなれば、面倒なことは多いので注意しましょう。
車検証記載の住所氏名と印鑑証明書が異なる場合
車検証記載の住所氏名と印鑑証明書が異なる場合は、永久抹消登録と同じで、それぞれ住民票と戸籍謄本が必要です。この点に関しては永久・一時抹消登録ともに共通しています。
自動車が盗難された場合
自動車が盗難に遭い、それによって一時抹消登録をおこなう場合は、ナンバー(登録番号)を控えたメモ書き、車台番号(下7桁)を控えたメモ書き、申請者の身分証明書、登録事項等証明書交付請求書などが必要です。 ナンバーを覚えていない場合でも、車体番号だけで照会ができるケースもあります。ナンバーを忘れてしまった場合や疑問点などがある場合は、まずは運輸支局で相談してみるといいでしょう。
解体届出に必要な書類
解体届出をする場合にもさまざまな書類が必要であり、これも方法や状況によって揃えるべき書類は違ってきます。解体届出は業者に頼むこともあれば、自分でおこなうこともありますし、それぞれで必要な書類の違いを知っておきましょう。また自動車の状況次第でも書類は変わりますので、愛車がどれに該当するかを確認しておくことが大切です。
業者などに頼む場合
解体届出を業者などに頼む場合は、所有者の委任状、登録識別情報等通知書または一時抹消登録証明書、「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモ書きが必要です。委任状については、所有者の押印が必要であり、これは認印で構いません。 また登録識別情報等通知書などが提出できない場合は、代わりに理由書を提出しなければならないので注意しましょう。
自分で行う場合
自分でおこなう場合は、業者に頼む場合の書類に加えて、手数料納付書、永久抹消登録申請書(及び解体届出書)が必要です。また代理人がおこなう場合は、代理人の印鑑が必要ですので注意しましょう。自分でおこなう場合は必要な書類も増えますし、手続きも面倒なことがデメリットです。費用は業者に頼むよりも安く済みますが、手間と費用を比べて、どちらがよいかを考えておきましょう。
車検が1カ月以上残っている場合
解体届出の場合も、車検が1カ月以上残っている場合は、重量税の還付が受けられます。還付に必要なのは、所有者のマイナンバーカードまたは通知カード、還付金を受領する金融機関情報、重量税還付金の受領権限に関する委任状などです。代理人がおこなう場合は、これにプラスして代理人の身分証明書と印鑑が必要です。
登録識別情報等通知書記載の所有者が変わっている場合
登録識別情報等通知書記載の所有者が変わっている場合は、所有者自体が変わっているのか、所有者の氏名や住所が変わったのかによって必要な書類が異なります。譲渡などによって所有者自体が変わった場合は、譲渡証明書と新所有者の住民票が必要です。所有者の氏名や住所が変わった場合は、所有者の住民票だけで構いません。これはコピーでも可です。
【軽自動車】普通車とは方法が違う
同じ自動車の廃車でも、普通自動車と軽自動車では方法や必要な書類が違っているので注意が必要です。軽自動車を廃車にする方法も複数ありますので、それぞれの方法別に必要な書類を知っておきましょう。
解体返納に必要な書類
解体返納をする場合は、使用者の印鑑 、所有者の印鑑、車検証、使用済自動車引取証明書、ナンバープレート、解体届出書が必要です。また軽第4号様式の3と軽自動車税申告書も必要ですが、これは申請時の窓口などで入手できます。解体返納の場合は申請手数料は無料ですので、必要な書類を提出すれば、手続きは終了となります。
自動車検査証返納届に必要な書類
自動車検査証返納届に必要な書類は、車検証、使用者の印鑑、ナンバープレートの3点です。また自動車検査証返納証明書交付申請書・自動車検査証返納届出書と軽自動車税申告書も必要ですが、これは窓口で揃えることができます。 また事業用として車を使用している場合は、事業用自動車等連絡書も必要ですので、該当する場合は忘れないようにしましょう。自動車検査証返納届の場合は、1件につき手数料が350円必要です。
解体届出に必要な書類
軽自動車の解体届出に必要なのは、所有者の印鑑と使用済自動車引取証明書の2点です。解体届出書軽第4号様式の3については、窓口で入手しましょう。印鑑は認印でOKですが、法人の場合は代表印が必要です。また解体届出については手数料は無料です。必要な書類を揃えれば、記入して提出すれば手続きは終了です。
【原付】2つの注意点を抑える
原付の廃車は非常に簡単であり、必要な書類も廃車申告書、ナンバープレート、標識交付証明書、印鑑だけであり、印鑑についても認印でOKです。これらを提出すれば業者を呼ぶなどしてバイクを引き取ってもらえばいいですし、自賠責保険を解約すれば手続きはすべて終了です。 自動車と比べると廃車の手続きも簡素であり、難しいことはありませんが2つだけ注意しておきたいことがあります。これらは非常に重要なポイントですので、原付の廃車を考えているなら必ずチェックしておきましょう。
ナンバープレートを紛失した際の再発行・再交付
ナンバープレートを紛失した場合は、再発行・再交付をしてもらわなければなりません。なお紛失と盗難では手続きに若干の違いがあるので注意しましょう。ナンバープレートをなくしたら、まずは警察署へ届け出をします。 その後市役所で再発行・再交付の手続きをおこないますが、盗難の場合は警察署へ届け出ていれば、再交付の費用がかかりません。地域によっても異なりますが、紛失の場合は200円前後かかります。盗難の場合は必ず警察署へ届け出ましょう。
標識交付証明書を紛失した際の再発行・再交付
標識交付証明書をなくしてしまった場合は、これも再発行・再交付をしてもらわなければなりません。標識交付証明書の場合は再発行は簡単であり、原付バイクを届出た市役所など、役所の税務課で再発行が可能です。再発行時には身分証明書と印鑑が必要です。身分証明書は免許証などで構いませんし、印鑑についても認印で問題ありません。
廃車の際は手続きに必要な書類に気をつけよう
車を廃車するとなれば、さまざまな書類が必要であり、1つでも不備があると手続きは進みません。また普通自動車なのか軽自動車なのか、原付なのかでも必要な書類は違い、自動車の場合は永久・一時どちらの抹消登録なのかによっても必要書類は異なります。 廃車の際にはさまざまな書類が必要ですので、きちんと覚え、事前にしっかり準備してから手続きを進めていきましょう。
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