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自動車リサイクルシステムが大規模改造予定!令和8年1月からどう変わる?

自動車リサイクルシステムは、「自動車メーカー」「車の所有者(ユーザー)」「車のリサイクルに関する事業者」のそれぞれが車のリサイクルに対する役割を持っているという自動車リサイクル法に基づき、車一台ごとのリサイクル状況に関する情報を管理できるシステムとなっています。自動車リサイクルシステムは、令和8年1月4日の新システムリリースに向けて大規模改造計画が進められています。

新しい自動車リサイクルシステムはどのようなシステムになるのか、こちらでは車の所有者(ユーザー)視点でのシステム変更点をご紹介します。

自動車リサイクルシステムとは

自動車リサイクルシステム(Japan Automobile Recycling System)は、自動車メーカー・自動車の所有者(ユーザー)・自動車リサイクルに関連する事業者が、それぞれ役割を持って自動車の適切なリサイクル処理をするという自動車リサイクル法に基づき、必要な情報を入力して車のリサイクル状況を管理するためのシステムとなっています。

自動車リサイクルシステム大改造の理由

自動車リサイクルシステムを包括したサイトは、公益財団法人自動車リサイクル促進センターにより運営されています。

平成14年(2002年)4月、自動車リサイクル法が平成17年に施行されることが決まり、施行に合わせて同システムを立ち上げるべく、自工会を中心とした体制のもと、自動車リサイクルシステムのプロジェクトが発足されました。巨大な社会システムとなる同システムの開発は困難を極めており、リサイクル法施行にシステム稼働が間に合わないという懸念から、平成16年5月にはさらに自動車製造業者等への人的援助が要請され、開発要員の増強が行われました。そして巨大プロジェクトの体制が整ったことで、ピーク時には常時開発に200人を超える人員が関わり、平成16年12月にシステムテスト・開始判定を実施、同法の施行に合わせて稼働準備が完了しました。こうして、平成17年1月1日に自動車リサイクル法施行と同時に自動車リサイクルシステムは稼働を開始しました。

こうして平成17年(2005年)に稼働を開始した自動車リサイクルシステムは、その後20年以上変更がなかったのですが、システム運用開始からの経過年数によるシステムの老朽化や、複雑化・拡張性に対する限界があることを理由に大規模改造が決定し、令和8年(2026)年1月4日の新システムリリースに向けて改造プロジェクトが進められています

自動車リサイクル法とは

平成17年(2005年)1月1日に施行された「使用済自動車の再資源化等に関する法律」の通称名が「自動車リサイクル法」となっています。

使用済自動車というと、解体処理された車を想像される方も多いでしょう。使用済となった自動車は、すべてスクラップになると思われているかもしれませんが、実は車体の8割以上は再利用可能部品・部材として再生利用の道へ進んでいます。ただ、残り2割の再利用が難しいスクラップ(シュレッダーダスト)については、これまで埋め立て処分場での埋立処理が行われていました。しかし、埋め立て処分地が逼迫するようになると処分費用も高騰化し、その処分費用の負担から逃れるため自動車処理業者による不法投棄・廃棄が行われたことで社会問題となりました。
このようにリサイクルが困難な資源の適正な活用と有効利用を図り、生産者(自動車メーカー)・使用者(車の所有者)・処理業者(自動車リサイクルに関連する業者)によって循環型社会を作るため、平成17年に法律化されたのが自動車リサイクル法となっています。

自動車リサイクル法では、使用済自動車のリサイクル業者に対し、特定資源であるフロンガスは適正に回収し処理すること、事故の際に爆発の衝撃を利用して膨らむ特性を持つエアバッグを安全に処理すること、産業廃棄物処理されていたシュレッダーダストは燃料ガス等の再資源化処理をすること、などが義務付けられています。また、自動車の所有者(ユーザー)に対しては、車一台ごとのリサイクル処理にかかる必要な費用の負担をその車の新車購入時に事前に前払いするよう義務付けられています。

自動車リサイクル法に違反した場合の罰則

自動車リサイクル法では、自動車リサイクルシステムに無登録・無許可の業者が使用済自動車(解体自動車)を扱った場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せることが決められています。

自動車リサイクル料金とは

前項でご紹介した自動車リサイクル法により、車の所有者であるユーザーは、車購入時にその自動車のリサイクル料金を事前に支払う役割があります。車一台ごとのリサイクル料金は、その車の製造メーカー(輸入車の場合は輸入業者)が設定し、メーカーのウェブサイト等で公開しています。

リサイクル料金の料金設定は、その車一台あたりのシュレッダーダストの発生量、フロンガス類の充填量、エアバッグの数量と取り外しがしやすいか等の必要技術量を加味して行われます。低年式の軽トラック等で新車発売時は冷房機能がなかった車体で、購入後にエアコン機能を後付けされた場合は、新車購入時のリサイクル料金にはフロンガスの処理に必要な費用がが含まれておらず、廃車処理の際に追加で支払いが必要になる場合もあります。

リサイクル料金の目安は下記の一覧表になります。車体の大きさで考えるとトラックの方が高いのではと思われますが、普通自家用車でも車両重量があり排気量の大きいマッスルカー等についてはリサイクル料金が高くなる傾向にあります

リサイクル料金一覧

種類装備品リサイクル料金の目安
軽自動車エアバッグ類・エアコン7,000円~16,000円位
普通自家用車エアバッグ類・エアコン10,000円~22,000円位
中・大型トラックエアバッグ類・エアコン10,000円~16,000円位
大型バスエアバッグ類・エアコン45,000円~66,000円位

リサイクル券

車の所有者(ユーザー)が、新車購入時にリサイクル料金を支払うと、支払った証明書として「リサイクル券」が発行されます。リサイクル券は、A券~D券という4つの書面で構成されています。

リサイクル券の記載内容

A券預託証明書リサイクル料金が預託済であることを証明する書面
B券使用済み自動車引取証明書使用済み自動車になった時、引取業者が必要事項を記入して所有者へ交付する書面
C券資金管理料金資金管理料金が受領済であることを証明する書面
D券料金通知書発行者控事業者等が車の所有者にリサイクル料金を通知する時の書面
D券はリサイクル券発行の自動車販売店が保管

リサイクル券を紛失してしまった場合、基本的に再交付はできません。ただし、車のリサイクル料金の預託状況を知りたい時は、インターネットサービスで自動車リサイクルシステムのアクセスすると、リサイクル券の代わりにリサイクル料金預託状況という用紙をプリントアウトすることが可能です。こちらの書面は必要な情報が記載されている上、何度でも印刷可能になっているため、紛失の恐れがありません。

車の所有者から見る自動車リサイクルシステムの変更点

こちらでは、車の所有者(ユーザー)視点での、自動車リサイクルシステムの変更点について解説します

リサイクル券の新規発行停止

自動車リサイクルシステムの大改造に伴い、リサイクル券の紙面タイプでの新規発行を停止します。これまでは車の所有者が新車購入時に自動車リサイクル料金を事前に支払った証明として、リサイクル券が当日発行されており、車検証と合わせて保管いただくように指示されていました。今後は、紙面によるリサイクル券の発行は停止になるため、リサイクル料金の預託状況は全てシステムから閲覧して確認することになります。

自動車リサイクルシステムへのアクセスが多様化

自動車リサイクルシステムのサイトアクセスについては、これまでPCブラウザを利用しての閲覧が推奨されていたため、スマートフォンやタブレット端末からアクセスしても見づらい状況であったり、非対応でサポートがない状態となっていました。しかし、システムの大改造に伴ってスマートフォンやタブレット端末での操作に対応したUI設計へと変更になるため、今後は手元のスマートフォン等を活用してリサイクル料金情報が見やすくなります。また、スマートフォン等の操作では入力に時間がかかる車台番号についても、車検証のQRコードを読み取ることで自動入力されるようになります。

車検証閲覧アプリから閲覧可能になる

令和7年現在は、普通車・軽自動車が電子車検証化されて車検証情報がICデータ化されたため、車検証閲覧アプリを通して車検証情報の閲覧ができるようになっています。今回の自動車リサイクルシステムの大改造では、その外部の車検証閲覧アプリシステムと自動車リサイクルシステムのデータを連携することで、車検証閲覧アプリから車検証情報を確認する際は、リサイクル料金の情報も照会できるようになります。

まとめ

令和8年1月4日にリリースを予定されている「自動車リサイクルシステムの大規模改造」について、詳しくご紹介しました。自動車を所有している方や、今後購入予定がある方にとっては、リサイクル料金の照会が手元のスマートフォンでもしやすくなったり、紙媒体のリサイクル券の保管をする必要がなくなるなど、プラスになる運用内容への変更が予定されています。また、令和7年10月からは新たなリサイクルシステムのマニュアル提供の開始も予定されていますので、気になる方はぜひ自動車リサイクルシステムのサイトをチェックしてみてください

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