10月9日は「トラックの日」です。今年の4月には改正貨物自動車運送事業法も施行され、法令改正によって、荷主から依頼を受ける元請運送事業者と実際に運送を行う下請運送事業者(トラックドライバーなど)は、荷主の運送依頼にかかる費用の内訳を書面交付によって示し、運送依頼に対して支払われている対価(運賃)が正当かを確認する業務が必須となります。
改正法の解説では、現時点の貨物運送事業において営業トラックによる輸送は全体の6割を占めていると発表がありました。今回の記事では、実際に貨物自動車運送事業者が利用する営業トラックでも人気の高い、「1.5tトラックなど小型トラックの買取相場」や「小型トラックを買取業者に売却する時の注意点」について解説します。
目次
小型トラック、1.5tトラックとはどんなトラックのこと?

「小型」と言ってもトラックの種類の一つになりますので、サイズとしては決して小さいわけではありません。小型トラック、1.5tトラックとはどのようなトラックを指すのか解説します。
小型トラックとはどんなトラックのこと?
定義として決められているわけではありませんが、小型トラックは一般的に積載量2トン以下のトラックのことを言います。中型トラックは4tントラックのことです。ただ、積載量が2トンや4トンと決まっているトラックであっても、荷台部分にクレーンやリフトなどの架装をしていると、架装部分と車体本体を合わせた車両総重量になりますので、同じトラックでも最大値まで積載をできるわけではありません。車両総重量に対し、架装等で車両重量が重くなっているものは、積載量が少ないと覚えておきましょう。小型トラックの車両総重量は、一般的には4トンから5トンとなっています。
1.5tトラックとはどんなトラックのこと?
1.5tトラックは、そのトラックの最大積載量が1.5トンまでとなっているトラックのことです。1tトラックであれば1トンまで、2tトラックなら2トンまで積載が可能です。下記の通り、最大積載量はあくまで車両総重量の範囲内です。
車両総重量 =【車両重量 + 架装部分の重量 + 乗車定員(一人あたり55kg)+ 最大積載量】
車体の形状がダブルキャブになっているトラックは、キャビン(乗員の車室)を拡大し、運転席・助手席のほかに後部席もあります。乗員定数も3名から6名に増えるため、最大積載量はその分減少します。同じメーカーで同車種のトラックでも、架装部分やキャビンの大きさなどで最大積載量が変わってくるため、車種や型式だけではそのトラックの最大積載量はわかりません。中古車でトラック購入を検討される際は、車検証等をみて最大積載量を確認すると〇〇tトラックなのかがわかります。
小型トラックの運転ができる免許区分は?
小型トラックの運転が可能になる免許区分は、免許取得タイミングによって異なるものの、普通運転免許取得をしていれば運転が可能です(ただし重量により運転ができない場合があります)。現行の免許区分では、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満の小型トラックであれば、普通運転免許取得で運転が可能です。ただしオートマチックトランスミッション(AT車)の場合は、マニュアルトランスミッション(MT車)の小型トラックの運転をするには限定解除しなければいけません。ATトラックの種類が近年増加傾向にはありますが、年式が古いトラックの場合はMT車が多くなっていますので、トラックドライバーの就職を考える方はMT車の普通免許を取得しておくと安心でしょう。
普通免許取得時期 | 車両総重量 | 最大積載量 |
---|---|---|
平成19年6月1日まで | 8トン未満 | 5トン未満 |
平成19年6月2日から平成29年3月11日まで | 5トン未満 | 3トン未満 |
平成29年3月12日以降 | 3.5トン未満 | 2トン未満 |
小型トラック(1t 、1.5t、 2tトラック)の買取例を紹介

年式が古いトラックも、車検切れで公道を走行できなくなった小型トラックもしっかり買取対象となります。これまでの小型トラックの買取実績から、買取相場をご紹介しますので参考にご覧ください。最大積載量別の小型トラック買取相場一覧です。
積載量1トン~1.5トン未満の小型トラックの買取相場
最大積載量が1トンから1.5トン未満の小型トラックの買取実績をご紹介します。買取相場は170,000円~1,730,000円になります。※歴ありは事故修復歴ありの車体のことです。
車名 | 年式 | 形状 | 走行距離 | 買取価格 | 状態 |
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いすゞエルフ | H3 | 1.25t/平キャブ | 110,000km | 170,000円 | 車検切れ・走行可 |
いすゞエルフ | H7 | 1.25t/ダブルキャブ | 155,000km | 240,000円 | メーター載替・走行可 |
いすゞエルフ | H8 | 1.25t/ダブルキャブ | 155,300km | 160,000円 | 内装破損・走行可 |
トヨタダイナ | R3 | 1.25t/平ボディ | 45,000km | 1,730,000円 | 高年式・走行可 |
トヨタダイナ | H29 | 1.25t/ダブルキャブ平ボディ | 135,000km | 430,000円 | 歴あり・走行可 |
トヨタダイナ | H15 | 1.2t/幌キャブ | 150,000km | 200,000円 | 事故車・走行可 |
トヨタダイナ | H21 | 1.3t/冷蔵バン | 580,000km | 210,000円 | 歴あり・走行可 |
日産アトラス | H30 | 1.15t/ダブルキャブ平ボディ | 44,050km | 1,550,000円 | 低走行・走行可 |
トヨタトヨエース | H17 | 1.2t/ダブルキャブ平ボディ | 274,800km | 250,000円 | 走行可 |
積載量1.5トンの小型トラックの買取相場
最大積載量が1.5トンの小型トラックの買取実績をご紹介します。買取相場は150,000円~1,050,000円になります。
車名 | 年式 | 形状 | 走行距離 | 買取価格 | 状態 |
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いすゞエルフ | H4 | 1.5t/平キャブ | 79,000km | 240,000円 | 車検切れ・走行可 |
三菱キャンターガッツ | H26 | 1.5t/キャブ | 12,000km | 1,050,000円 | 低走行・走行可 |
三菱キャンターガッツ | H8 | 1.5t/平キャブ | 195,000km | 160,000円 | 車検切れ・走行可 |
三菱キャンター | H8 | 1.5t/平ボディ | 170,000km | 100,000円 | 故障車・走行可 |
三菱キャンターガッツ | H18 | 1.5t/平ボディ | 76,000km | 300,000円 | 車検切れ・走行可 |
日産アトラス | H16 | 1.5t/平ボディ | 61,000km | 199,000円 | 走行可 |
日産アトラス | H9 | 1.5t/キャブ | 60,000km | 300,000円 | 走行可 |
日産アトラス | H11 | 1.5t/平ボディ | 290,000km | 150,000円 | 走行可 |
積載量1.5トン超~2トンの小型トラックの買取相場
最大積載量が1.5トン超~2トンまでの小型トラックの買取実績をご紹介します。買取相場は200,000円~2,530,000円になります。
車名 | 年式 | 形状 | 走行距離 | 買取価格 | 状態 |
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いすゞエルフ | H19 | 1.75t/冷凍冷蔵車 | 700,000km | 300,000円 | 過走行・走行可 |
いすゞエルフ | H21 | 2t/アルミバン | 278,000km | 300,000円 | 車検切れ・走行可 |
三菱キャンター | R3 | 2t/平キャブ | 22,000km | 2,100,000円 | 高年式・走行可 |
三菱キャンター | R3 | 2t/ダンプ | 6,000km | 2,530,000円 | 低走行・走行可 |
三菱キャンター | H9 | 2t/ダンプ | 300,000km | 530,000円 | 歴あり・走行可 |
三菱キャンター | H9 | 2t/ロング平ボディ幌 | 48,000km | 1,150,000円 | 低走行・走行可 |
三菱キャンター | H15 | 2t/アルミバン | 340,000km | 200,000円 | 故障車・走行可 |
マツダタイタン | H24 | 2t/ダンプ | 230,000km | 700,000円 | 歴あり・走行可 |
マツダタイタン | H5 | 2t/ダンプ | 76,000km | 900,000円 | 歴あり・バッテ上がり |
マツダタイタン | S63 | 2t/ダンプ | 129,600km | 350,000円 | 低年式・走行可 |
1.5tトラック売却で気を付けたいポイントは
国産の中古トラックは需要が高いことで知られています。しかし、古くて燃費が悪いトラックや走行できないトラック、事故歴があるトラックとなると、買取価格に伸び悩む可能性があります。このような状態の1.5tトラックなど小型トラックを売却予定の方へ、売却する際に気を付けたいポイント、できるだけ高くトラックを売却するためのポイントをご紹介します。
走行不可1.5tトラックの引き取り方法に注意
車検が切れる直前までトラックを使用していて車検切れ後に売却を検討されている場合は、そのトラックで公道を走行することができないため、査定に持ち込むこともできなくなり、売却ができたとしても引き取りの際にトラックを陸送する業者等の手配が必要です。まず、トラックの持ち込み査定ではなく、出張査定やオンライン査定などリモートで査定を依頼できる業者を探すことから始めましょう。
注意したいポイントとしては、出張査定等の査定方法を選ぶと、査定費用がかかる場合があるため事前確認をしておきましょう。車検切れで通常通り走行は可能なトラックであれば、買取業者が保管場所へ引き取りにきてトラックを引き渡す流れになると思います。その際、引き取りの代行ドライバー料や陸送費用がかかる場合もあり、成約後に買取価格からマイナスされてしまうと損になるため、費用面については見積もりの時点で聞いておくことをおすすめします。
動かない1.5tトラックの引き取り方法に注意
使用しないまま古くなって動かないトラックや故障等により動かないトラックの売却を考えている場合、トラックの重量や車長・車高・車幅によって引き取り方法が変わってきます。トラック買取業者のなかには、自走できるトラックのみ買取を行っているなど条件があることもありますので、トラックの保管状況や状態は必ず伝えましょう。
動かない小型トラックの場合は、大型のユニッククレーン車を積載用に準備して、荷台からウィンチで小型トラックを牽引し、積載して引き取ることがあります。このような引き取り方法にすると、積載車と引取りのトラックが縦列できる広さが必要になるため、ある程度引き取り場所の確保が必要になります。また、動かない小型トラックの引き取りには、大型トラックがその近くまで行って引き取り作業をしなければいけません。保管場所までの道路幅など、大型トラックが侵入できる場所かどうかの確認も重要です。
まとめ
小型トラックの買取相場やこれまでの買取実績をご紹介しました。特に小型トラック、1tトラック、1.5tトラック、2tトラックの売却を検討されている方で、車体の状況として車検切れや故障車などの公道を走行する時に問題があるトラックの場合は、今回ご紹介したトラック売却時の注意点にお気をつけください。中古車買取のカーネクストは、廃車・事故車・過走行車の状態のトラックでも買取ができる様々な販路を持っています。走行不可のトラックであってもリモート査定を行い、お電話で査定額をお伝え出来ますので、売却を検討中の方もお気軽にお問い合わせください。