気象庁による2021年7月24日から8月23日までの全国1か月予報によると、向こう1か月の平均気温は、北日本では平年より高い確率が70%、東・西日本・沖縄奄美で平年より高い確率50%となっています。ウェザーニュースでも2021年夏は猛暑が予想されていることから、厳しい暑さとなることは確実です。厳しい暑さは、車や車を運転する人にも大きな影響があり、車のトラブルが起きやすくなります。
こちらでは、夏に起こりやすい車のトラブル「エアコン」「日焼け」「オーバーヒート」の対策や対処方法をご紹介します。
目次
車のエアコンが効かない!エアコンが臭い!
真夏に起こる車のトラブルの中で、最も起こりやすく、困ってしまうエアコンのトラブルについて解説します。
猛暑のさなか、エアコンが故障し冷風が出なくなってしまうと、例え窓を開けて運転したとしても暑さに耐えきれないという方が多いでしょう。
酷暑と言われる日本の夏は、車内であっても熱中症の危険もあることから、エアコンが効かないと運転する人にとって致命的なトラブルになりかねません。一台しか車を持たない場合、その一台の車のエアコンが故障してしまうと移動手段をなくしてしまうことになります。車を修理に出すことになれば、代車を借りると費用もかかり負担増も予想されます。車のエアコンのトラブルには、どのような対策が出来るのでしょうか。
車のエアコン故障対策!メンテナンスは個人でも可能
車のエアコンに不具合が起きていないかどうかは、出来れば夏や冬といったエアコンを多く利用する機会が訪れる前に確認しておきましょう。冷風と暖気どちらも送風口から問題なく出ているかどうかを確認し、まったく効いていないと感じたらエアコンの故障またはエアコンのガス不足が考えられます。また、効きが弱いと感じたら、エアコンフィルターやエバポレーターの汚れが要因かもしれません。
まったくエアコンが効いていないという時、カーエアコンガス不足の可能性があるのなら、エアコンガス充てんはカー用品店やガソリンスタンド、整備工場で依頼することが出来ます。カーエアコンの整備機器があるようなお店を選ぶと確実ですが、お店によっては対応していない場合もありますので、来店前に確認しましょう。また、エアコン故障の可能性もあるため、お店で点検をうけることをおすすめします。
エアコンの効きが悪い場合は、エアコンフィルターの交換は最後に行われたのは何時頃か思い返してみてください。エアコンフィルターの使用期間の目安は、メーカーにもよるもののほぼ一年となっているため、交換をした記憶がないという方は、交換をしてみると効きが変わってくる可能性があります。車種にはよるものの、エアコンフィルターはダッシュボード付近に取り付け口がありますので、個人で交換がしやすい部品となっています。
また、エアコンの部品の一部であるエバポレーターの汚れが効きを悪くしている要因の可能性もあります。エバポレーターは、車に取り込んだ外気の温度を下げ、冷たい空気に換える熱交換器のことです。外気温との温度差が起こる部分のため、結露も起こりやすく、汚れたりカビが起きてしまうことがあります。エバポレーターの取付位置も車種ごとに異なるもののダッシュボードの付近となり、個人で洗浄出来る部分ではあります。整備の費用を抑えたい方、車の部品交換等に詳しい方であればご自身で洗浄できるかもしれません。洗浄が難しいと感じる方は、カー用品店や整備工場で依頼されることをおすすめします。
車のエアコンの送風が臭い!においの原因と対策は
外気温が高くなり、久しぶりにエアコンを使用してみると送風口から風と一緒に嫌な臭いが出てきてしまった、という方はにおいの原因と対策を知っておきましょう。
特に夏と冬しかエアコンを使用する機会がなく、運転自体もあまりしないという方は、久しぶりに使ってみて初めて臭いに気づくと、出掛け先や運転中に嫌な気分になってしまうかもしれません。
エアコンの送風口から嫌な臭いが発生する原因として考えられることは、いくつかあります。
1つは夏のエアコン周りにカビが発生し、雑菌が増えたことによる嫌な臭いの発生です。梅雨の湿度が高いところに置かれていた車は、雑菌が繁殖しやすくなっています。送風時にゴミやホコリなどを通さないように設置されているエアコンフィルターにカビや雑菌が繁殖すると、送風時にフィルターを通るため嫌な臭いが出てしまいます。また、エアコン使用時に、外気を冷やすエバポレーターに温度差から結露がついてしまい、その部分にカビが生えるということもあります。エバポレーターのカビの発生を防ぐ方法としては、冷房を使用した後や、梅雨などで湿気が溜まりやすい時期のあとは、暖房を使用しエアコン内を乾燥させておくことがおすすめです。エアコンの内部を乾燥させておくことで、エアコン内の結露を防ぐことが出来るため、カビの発生を抑制することが出来るのです。
エアコンフィルターは使用期間の目安も一年前後のため、交換用フィルターは消耗品として販売されています。車種や型式等を確認し、適合品と交換をすることで嫌な臭いがとれることもあります。フィルターや内部ではなく、エアコンの吹き出し口付近から嫌な臭いがするといった場合は、吹き出し口自体に汚れが付着していたり、カビや雑菌が発生してしまっていることがあります。吹き出し口の洗浄液や洗浄スプレーは、カー用品店やインターネット通販等で販売されており、吹き出し口の洗浄には難しい工程もありません。エアコンの臭いだけでなく、タバコや脂のようなにおいがして気になるという方は、使用されてみてはいかがでしょうか。
夏の車内の温度は70℃を超える?!
真夏の車内の暑さについて、熱中症など様々なニュースで話題に取り上げられているためご存知の方も多いでしょう。
冷房のついていない車内で、何も対策をしないまま駐車している車のダッシュボードの温度は、黒に近ければ近いほど熱くなり75℃から80℃近くまで上がってしまうと言われています。
夏の暑すぎる車内では、気分が悪くなってしまったり室内であっても熱中症になる可能性が高いため、ある程度車内を冷やすことや、水分補給をしっかりすることを心がけましょう。
熱中症は運転していても可能性あり
換気を気にしてエアコンを作動させず、窓を開けた状態で運転をしている方は、昨年から増えているかもしれません。
走行中は風もあるため一定の涼しさを感じるかもしれませんが、信号交差点等で一時停止すると熱気を一気に感じてしまいます。特にアスファルトで舗装された道路を走行している場合、地表の温度も50℃以上になっています。照り返しもあり、さらに車内の温度が高く感じるでしょう。熱中症対策として、7月から9月にかけて外気温が30℃を超える日は、冷房を使用されることをおすすめします。どうしても換気が気になるという方は、渋滞時やトンネル内でなければ、外気導入を使用しエアコンの冷房を利用することで、外気との循環が行われ車内の換気をすることが可能です。ただし、内気循環は冷房の効きが早いため、車内の温度が高い発進時は内気循環を使用し、ある程度車内の温度が下がってから、外気導入に切り替えても良いでしょう。
車内の日焼け対策は人も車にもプラス
夏の車内は温度変化もありますが、フロントガラスやサイドガラスからの紫外線も強くなるため、紫外線による日焼け対策も必要です。
シミやそばかすを気にして肌の日焼け対策も必要ですが、車自体も運転席や後部席シート、ダッシュボードが紫外線を受け続けることによって日焼けしてしまい、色褪せたり劣化してしまうことがあります。
廃車するまで乗り続けるといった場合は、あまり運転席の汚れや劣化が気にならないかもしれませんが、もしも車を売るとなった時、出来るだけ高く売りたいと考えるのであれば、車内の日焼け対策をして劣化をすすめないようにすることをおすすめします。
車と人どちらにも有効な車内の日焼け対策と言われているのは、UVカットフィルムの使用です。カーウィンドウフィルムの名前で販売されていて、ご自身でカットし貼り付けることが出来るようになっています。
また、新車販売時にUVカットガラスをオプションで選択することが出来る車種も増えています。車購入時にUVカットガラスを依頼していれば、紫外線対策にもなりますし、オプション装備は車を売る時のプラス査定につながる可能性もあります。特に、UVカットガラスを使用している車内は、エアコンの効きが良くなるといった効果もありますので、燃費を抑えることにも役立ってくるでしょう。
炎天下のオーバーヒートに気を付けて
暑さから避暑地や海水浴会場までドライブする方は、普段は走らない道や、遠乗りに出かけることもあるでしょう。もしも、自宅よりも遠いところで運転中に車がオーバーヒートしてしまったら、エアコンを停めることになり暑い気温の中JAFなどのロードサービスを待つということになりかねません。オーバーヒートとは、車のエンジンルーム内にある冷却液が漏れたり、エンジンオイルが少なくなってしまったことでエンジンの冷却機能が正常に作動しなくなり起こる車のトラブルです。
お出掛け前に冷却液の水温計や残量をチェック
お出掛けで長距離移動をする方や、高速道路の走行を予定しているという方は、まず出発前に冷却液やエンジンオイルの残量が適量あるかどうかを確認しておきましょう。冷却液は残量がわかりやすいように色が付けられていますので目視できますし、エンジンオイルは残量マーカーで適量位置がわかるようになっています。
また、外気温が高くなると冷却液の温度自体上がってしまい、エンジンの冷却が上手くいかずに走行中エンジントラブルになることもあります。エンジンの温度は水温計で確認が出来ます。一般的にはメーターパネル内に水温計が表示されるようになっていますので、水温計の位置を予め覚えておいて確認できるようにしておきましょう。
もしも水温計の警告灯が点灯していたら、エンジンが高温になっているということです。驚かれてしまうと思いますが、すぐにエンジンを切ってしまうと冷却水の循環も停まってしまいます。まずは日陰を探して停車し、ボンネットから水蒸気が出ていないか確認します。この時水蒸気が出ている場合は、かなり高温になっている可能性が高く、火傷してしまう可能性があるためボンネットに触れないようにして、ロードサービスやレッカーを呼びましょう。水蒸気が発生していない場合は、ボンネットを開けてエンジン内部を冷やしましょう。
まとめ
夏の車のトラブルのなかでも「エアコン関連」「日焼け関連」「オーバーヒート」について、対策や対処方法をご紹介しました。夏はお盆休みを利用して長期休暇がとれるという方や、お子様の夏休みに家族でドライブといった方もいらっしゃるでしょう。まずは前もって出来る対策を行っておくことと、万が一のトラブル時の対処方法を知っておくことで冷静に動きやすくなります。
万が一のためにロードサービスの連絡先をチェック
遠出されている時に車にトラブルが起こると、どこに連絡をすればいいのか、咄嗟の対処方法がわからず立ち往生してしまうこともあるかもしれません。特に知らない土地となると不安にもなってしまうでしょう。猛暑の中、立ち往生してしまったり車内にとどまることは、精神的にも身体的にも大きなダメージとなります。
任意の車両保険やJAFなどのロードサービスに加入されているなら、何かあったときの連絡先を前もってチェックしておくと安心です。普段あまり運転をする機会が少ないという方は、特に確認しておくことをおすすめします。