車の免許を取得する際、オートマとマニュアル、どちらの免許を取るべきか迷う方もいるのではないでしょうか。オートマ車とマニュアル車にはそれぞれメリット・デメリットがあり、それらを把握した上で自分に合った方を選ぶ必要があります。
ここでは、オートマとマニュアルの違いや、その選び方などについて詳しく解説していきます。オートマとマニュアル、どちらの免許を取るべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
オートマとは?
まずは、オートマとはどのようなものなのかを見ていきましょう。
オートマの特徴
オートマは「オートマチックトランスミッション」の略称で、ドライバーがクラッチの操作をしなくても、アクセルを踏むだけで自動的にギアチェンジされる仕組みになっています。そのため、オートマ車はギアチェンジの操作を簡単に行うことができ、運転時に行う操作が少なく、運転がしやすいのが特徴です。近年販売されている車のほとんどはオートマ車であり、免許を取得する人の約60%がオートマ免許を取得しています。
オートマのメリット
オートマのメリットには、下記のようなものが挙げられます。
- オートマ車は運転が楽で簡単
- オートマ免許は取得しやすい
- オートマ免許は取得費用が安い
- オートマ車はエンストしにくい
- オートマ車であれば、豊富な車種から選ぶことができる
オートマ車最大のメリットは、運転が楽で簡単という点です。オートマ車は自分でギアチェンジを行う必要がないため運転時に必要となる操作が少なく、比較的簡単に運転することができます。また、運転がマニュアル車に比べて楽な分、オートマ免許は免許取得の難易度もマニュアル免許より低くなっています。これに加えて免許取得費用も安く、免許の平均取得時間もマニュアル免許と比べると3~4時間短くなります。
オートマ車には、エンストを起こしにくいというメリットもあります。これは、オートマ車が磁力制御されているため、ギアの切り替え失敗によるエンストの心配がないということです。また、現在国内で生産・販売されている車のほとんどはオートマ車であるため、車の購入時、好きな車種を選ぶことができます。
オートマのデメリット
オートマのデメリットには下記のようなものが挙げられます。
- オートマ車には踏み間違いによる誤発進事故のリスクがある
- オートマ車にはフェード現象やペーパーロック現象が起こるリスクがある
- オートマ車はマニュアル車と比べて燃費が悪い
クラッチ操作が必要なマニュアル車では誤発進が起こることはほとんどありませんが、オートマ車はアクセルを踏めば発進・加速してしまうため、踏み間違いによる誤発進事故のリスクがあります。それに加え、オートマ車はマニュアル車と比べるとエンジンブレーキが利きにくい傾向にあるため、下り坂でブレーキペダルに頼りすぎたことによってブレーキの利きが悪くなる「フェード現象」や「ぺーパーロック現象」が起こりやすくなります。また、オートマ車はギアを自動的に変える必要があることからマニュアル車にはない部品が積まれており、その部品の重量分、燃費が悪くなりやすいです。とはいえ、昔の車に比べると近年のオートマ車は燃費もかなり向上しているため、そこまで気にする必要はありません。
マニュアルとは?
では、マニュアルとはどのようなものなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
マニュアルの特徴
マニュアルは「マニュアルトランスミッション」の略称で、ドライバーが変速時に道路の勾配や周囲の車の状況などに応じ、シフトレバーやアクセル、クラッチを操作することで、ギアの切り替えを行う仕組みなっています。両手両足を使うため運転時に必要な操作が多く、運転が難しいことが特徴です。業務用のトラックやスポーツカーなどは、マニュアル車であることが多いです。
マニュアルのメリット
マニュアル車の運転は難しいですが、下記のようなメリットもあります。
- マニュアル車は運転を楽しむことができる
- マニュアル車は踏み間違いが起こりにくい
- マニュアル車は燃費が良い
- マニュアルの免許があればオートマ車の運転もできる
マニュアル車最大のメリットは、運転を楽しむことができるという点です。シフトレバーやアクセル、クラッチの操作を行う必要があるマニュアル車は、オートマ車よりも自分で車を運転しているという感覚を得やすくなっています。マニュアル車にはクラッチがあるため、ブレーキやアクセルを踏む際は、必ずクラッチペダルを踏む必要があります。誤ってアクセルを踏んでしまったとしてもクラッチペダルを踏んでいれば車は前進しないため、踏み間違いによる事故が起こりにくいのです。また、マニュアル車はギアチェンジを手動で行うため余計なエネルギーを使わず、車体もオートマ車よりも軽いことがほとんどなので、オートマ車よりも燃費が良い傾向にあります。
オートマの免許でマニュアル車の運転をすることができませんが、マニュアルの免許を持っている場合、マニュアル車とオートマ車の両方の運転をすることができます。
マニュアル車のデメリット
マニュアル車のデメリットには、下記のようなものがあります。
- マニュアル車は運転が複雑で難しい
- マニュアル免許の取得は難易度が高い
- マニュアル免許は取得費用が高い
- マニュアル車は渋滞時に疲れやすい
- マニュアル車は限られるため選べる車種が限定される
マニュアル車はオートマ車に比べて運転時に必要となる操作が多いため、オートマ免許よりも免許取得の難易度が高くなります。オートマ免許よりも免許取得にかかる費用も割高になり、教習にかかる時間も長くなります。また、マニュアル車は自分で様々な操作を行う必要があるため、渋滞などの進んだり止まったりを繰り返す状況では疲れやすいというデメリットがあります。
さらに近年、車の生産・販売台数の98.4%がオートマ車であることから、マニュアル車を選ぼうとすると、好きな車種を選べない可能性があります。
オートマとマニュアルはどっちを選ぶべき?
では、オートマとマニュアルのどちらで免許を取るべきか迷った場合、どのような基準で判断すればいいのでしょうか。オートマとマニュアルの選び方について詳しく解説していきます。
マニュアル車を運転する必要があるかどうか
近年生産・販売されている乗用車はオートマ車がほとんどですが、パワーの必要な大型車はマニュアル車が主流となっているため、運送業のドライバーなどの仕事をする場合はマニュアル免許が必要となります。また、大型車ではない企業の社用車がマニュアル車の場合もあります。運転する予定の社用車がマニュアル車なのかオートマ車なのかは、事前に確認しておいた方がいいでしょう。
日本ではオートマ車が主流ですが、実はアメリカ以外の海外では、マニュアル車が主流の国の方が圧倒的に多いです。そのため、海外旅行でレンタカーなどを借りて現地を回りたい場合などは、マニュアル免許が必要となります。
また、近年はスポーツカーにもオートマ車が増えてきていますが、マニュアル車で運転している感覚を楽しみたいという方も多いです。単なる移動手段としてでなく、運転を楽しむために車に乗りたい場合は、マニュアル車を選ぶことをおすすめします。
基本的にはオートマで問題ない
日本ではオートマ車が主流であることからも分かるように、マニュアル車を運転する必要がある・運転したいという場合以外は、オートマ免許を選んでおいて問題ありません。また、オートマ免許を取得した後でマニュアル免許が必要になった場合、追加の講習や試験を受けることで、マニュアル免許を取得することもできます。この場合、自動車学校でオートマ限定解除コースを受講し、「普通車免許限定解除審査」を受ける必要がありますが、一から免許を取り直す必要はありません。とりあえずはオートマ免許を取得しておき、必要になればマニュアル免許を取得するという手順を踏むことをおすすめします。
まとめ
オートマとマニュアルの違いについてお話ししました。それぞれのメリット・デメリットや車の使用用途などに合わせて、自分に合った方を選ぶようにしましょう。また、オートマ免許を取得した場合でも、後から限定解除を行うことでマニュアル免許を取得することができます。当面の間マニュアル免許が必要になる予定がない場合は、オートマ免許を選んでいいでしょう。