車を処分する際には、名義だけ消去する方法もありますが、完全に手放すなら解体して処分するのがおすすめです。スムーズに解体を行うには手順を知ることが大切であり、その後の手続きに必要な書類も把握しておく必要があります。愛車を滞りなく処分するためにも、解体の手順を正しく理解しておきましょう。
目次
優良な解体業者の探し方
車の解体は個人で行うことはできず、国から認可を受けた業者に依頼しなければなりません。個人での解体、あるいは認可を受けていない業者での解体は法律に違反するため注意が必要です。スムーズに解体を進めるには優良な業者を選ぶことが大切で、認可の有無をチェックして依頼先を選定しましょう。 優良業者なら車を正しい方法で解体し、リサイクルして処分してくれます。車は大切な資源のため、少しも無駄を出さないためにも適切な方法で処分してくれる優良な業者に解体を依頼することが大切です。
自動車のリサイクルとは
自動車のリサイクルとは、パーツを取って修復し、再利用したり、素材そのものを再利用したりすることを指します。業者に引き取られた車は、中古車として再販されるだけではなく、パーツや素材単位でリサイクルされ、再利用されていることは理解しておきましょう。 自走できない車でも買取が可能なのはこの点にあり、正しくリサイクルが行われているからこそ、値段をつけてもらえます。優良な業者なら、状態の悪い車でも価値を見出し、値段をつけてもらえるため、お得に処分する意味でも業者の選定は重要です。
車の解体を業者へ依頼する手順
車を解体するには、まずは利用する業者を決め、その後解体の手続きを進めていきます。スムーズに解体を完了させるには、一連の流れを理解することが大切です。業者を決めた後、解体を依頼してから完了するまでどのような手順を辿るのかを知り、つまづくことなく処分を終えましょう。
車の引き渡し方を決める
解体を依頼する業者にコンタクトを取ると、まずは車をどのように引き渡すかを決めます。車は自身で業者に持ち込むか、業者に引き取ってもらうかのどちらかで、車の状態によって方法を決めましょう。 自身で持ち込む場合は料金は不要ですが、引き取りに来てもらう場合は運搬料が必要です。業者によって無料サービスとしている場合もありますが、基本的には有料であることは覚えておきましょう。
業者に必要書類を提出
車を引き渡した後、廃車手続きも代行してもらうなら廃車に必要な書類を提出します。業者に依頼するのは解体のみで、廃車は自身で行う場合は業者に提出する書類はありません。解体を証明する書類を受け取り、廃車に必要な書類も集めていきましょう。 解体を伴う永久抹消登録の手続きは、解体後15日以内に行わなければならないため、スケジュールが厳しいなら業者に依頼するのがおすすめです。
抹消登録証明書を受け取る
業者に廃車手続きも代行してもらう場合は、必要書類を提出した後、抹消登録証明書を受け取って解体、廃車ともに手続きは終了です。抹消登録証明書は業者によって受け渡しの方法が違い、直接手渡しの場合もあれば、郵送で送られてくる場合もあります。 また、業者によっては事前に申し出ておかないと証明書を発行してくれないこともあります。廃車が完了したことを確認するためにも、必ずもらうようにしましょう。
車の解体の際に必要な書類
車の解体自体には書類が必要なわけではありませんが、その後行う永久抹消登録には複数の書類が必要です。解体後は15日以内に廃車手続きも行う必要があるため、解体を依頼した段階で、必要な書類は集めておいたほうが良いでしょう。
永久抹消登録に必要な基本の書類など
永久抹消登録に必要な書類は、業者に依頼するか自身で行うかで異なります。業者に依頼する場合は、以下の書類が必要です。
- 車検証
- 印鑑証明書
- 委任状
- ナンバープレート前後2枚
- リサイクル券
自身で行う場合はこれに加えて、以下の書類を追加で集めなければなりません。
- 「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモ書き
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書
- 解体届出書
- 自動車税・自動車取得税申告書
手数料納付書以下の書類は、廃車時に当日窓口で入手できるため、事前準備は不要です。また、自身で行う場合、自分が名義者なら委任状は必要ありません。委任状が必要なのは、名義者以外の家族、友人、業者などが手続きを行う場合に限られます。
車検証と印鑑証明書の住所が異なる場合必要な書類
永久抹消登録には、車検証と印鑑証明書が必要ですが、これらの住所が異なる場合は注意が必要です。車検証に記載の住所から1回引っ越しをした場合は住民票、2回以上引越しをした場合は戸籍の附票を用意しなければなりません。 また、2回以上の引越しでも、同一市区町村での移動なら住民票で対応でき、状況によって必要書類の詳細が異なるため注意が必要です。
車の解体にまつわるお金の話
車の解体にはお金がかかるため、処分時に発生する費用も頭に入れておかなければなりません。また、お金はかかるばかりではなく、条件次第では還付が受けられることもあります。解体にまつわるお金の話を理解して、上手に手続きを進めましょう。
国産自動車なら1万円が相場
解体にかかる費用は車種や業者によって違いますが、国産の普通自動車なら1万円、軽自動車なら8000円程度が相場です。業者ごとに多少の違いはあるため、少しでも安く済む業者を探すと良いでしょう。 また、これは単純に解体だけをしてもらう際の費用で、引き取りに費用がかかるなら、これにレッカー代がプラスされます。レッカー代は運搬する車の種類、距離で変わりますが、1万円程度が相場です。
税金が還付される可能性も
車を解体して永久抹消登録をする場合、車検の残存期間に応じて自動車重量税が還付されます。また、廃車の翌月から年度末までの期間を月割りして、自動車税が還付されることも覚えておきましょう。業者に廃車を代行してもらう場合は、税金がいくら還付されるかも確認しておかなければなりません。 永久抹消登録は自動車税、重量税両方が還付の対象ですが、これは普通自動車に限られます。軽自動車の場合は、自動車税の還付はなく、重量税のみが対象となるため注意が必要です。
必要情報を事前に調べて滞りなく車を解体しよう
車を解体処分するには、業者の選定から解体手続きの進行、廃車登録まですべきことが多いです。また、手続きを進めるには書類を集める必要もあり、これらの準備も含めると時間がかかります。 スムーズに愛車を処分するためにも、早めから準備を進めておき、万全の態勢で解体を依頼して、滞りなく手続きを完了させましょう。