車傷にはさまざまな種類がありますが、特に厄介なのが凹みです。凹みは修理に出せば費用が高くついてしまうことも多く、気軽に業者に依頼するのは難しいでしょう。しかし、パッと見て分かりやすい傷でもあるため、早めに修理したいと考える人もたくさんいます。 車凹みの修理は業者に依頼するしかないと考える人も多いですが、実は自分で直すことも可能です。軽度なものであれば自分でも直せますし、DIYでの修理も視野に入れながら、どの方法で直すのがもっとも適切か考えていきましょう。
目次
車凹みの修理代はいくらになるのか
車凹みの修理にはお金がかかるとイメージする人も多いですが、実際に直すとなればいくらかかるのか、正確に把握できている人は少ないでしょう。凹みの修理といっても、方法はさまざまですし、傷の状態によってもかかる手間や費用は異なります。凹みの程度や箇所、修理方法ごとに費用は違いますので、それぞれの相場の金額を把握しておきましょう。
部品交換する場合
凹みの直し方としては、修理するのではなく、部品そのものを交換することが挙げられます。これは修理できないほど損傷している場合などにおこなわれることが多いですが、業者によっては軽度の凹みでも部品交換を勧めてくることがあるので注意しましょう。 部品交換の場合は、作業工賃はもちろん、部品代もかかりますので、修理費も高くなってしまうことが多いです。
ドアを交換する場合の値段
凹みの修理でドアを交換する場合は、国産車であればドア1枚で10万円程度かかると考えましょう。車種によって金額は違いますが、基本的には費用は高額になることが多いです。また、これはドア1枚あたりの金額ですので、交換場所が増えるごとに、費用はさらに倍以上に膨れ上がることを理解しておきましょう。 場合によっては、車自体を買い替えたほうが安く済むこともあります。外車の場合も車によって費用は異なりますが、部品代と作業工賃だけではなく、部品の輸送費もかかりますので、国産車よりは高くなることがほとんどです。
バンパーを交換する場合の値段
バンパーを交換する場合は、5~20万円程度と費用の幅が広いです。これは車の種類によるだけではなく、業者ごとの違いもあるので注意しなければなりません。同じ車で同じ箇所を修理する場合でも、費用が倍以上異なることもあるため、どの業者を利用するかはしっかり吟味しましょう。
板金塗装修理する場合
凹みは部品交換ではなく、修理する方法もあり、板金塗装が一般的です。板金塗装とは、名前の通り、板金と塗装2つの工程でおこなう修理方法であり、基本的には部品交換よりは費用は安く済みます。これも業者ごとに費用の違いが大きいため注意が必要ですが、金額の違いだけではなく、技術の違いも気を付けなければなりません。 板金塗装は良くも悪くも修理の腕が出やすい方法ですので、値段だけで考えずに、確かな技術を持った信頼できる業者に依頼することが大切です。
ドアの凹みの修理料金
ドアの凹みを板金塗装で修理する場合は、凹みやドアそのものの大きさにもよりますが、3万円程度が相場です。部品交換をするよりは断然安く済みますので、修理が可能なレベルであれば、板金塗装による修理がおすすめです。
バンパーの凹みの修理料金
バンパーの凹みの修理は、4~5万円程度かかることが多く、場合によっては部品交換とほとんど変わらない費用になることもあります。傷の程度がひどく、料金もそれほど変わらないのであれば、思い切って部品交換をしてもらったほうが良い場合もあります。 もちろん、自分の車に合った部品があるか、交換費用は安く済むかなど、さまざまな条件がありますが、条件次第では部品交換も検討しましょう。
身近なものでもできる簡単な修理
車凹みは業者でしか直せないとイメージする人も多いですが、実はDIYによる修理が可能です。また、修理に際して特別な道具を揃える必要もなく、身近なものだけを使って直せる場合もあります。自分でおこなえば当然修理費はほとんどかかりませんし、よりお得に凹みを直せます。 ただし、自分で修理ができるのは軽度な凹みに限りますし、綺麗に直せるとも限らないので注意が必要です。自分で修理する場合も、個人のスキルによって出来栄えが大きく違ってくるため、あくまで応急処置的なものだと考えましょう。
バンパーを修理する場合
凹みの修理方法は場所によって異なり、これは材質の違いが関係しています。車は鉄やアルミ、樹脂などさまざまなものでできており、基本的にはバンパーとドアなどでは材質が違っています。バンパーの凹みを修理するなら、バンパーならではのやり方がありますので、直し方の違いを把握しておきましょう。
お湯を使う方法
バンパーは樹脂でできていることが多く、樹脂は温めると柔らかくなり、変形しやすい特徴を持っています。そのため、バンパーにお湯をかけて柔らかくし、裏側から押せば、凹みを直すことができます。お湯をかけた部分は裏側でも高温になっているため、軍手をするなど、やけどに気を付けて作業しましょう。 また、表側の様子を見ながら少しずつ押して変形させることが大切です。力を入れすぎたり、押し過ぎたりすると、今後は表側が出っ張ってしまう可能性もあるので注意しなければなりません。
ドライヤーを使う方法
バンパーはお湯で温めるだけではなく、ドライヤーを使って熱風を当てて温めるという方法もあります。ドライヤーの場合はお湯よりも時間はかかりますが、よりピンポイントで熱を加えられるため、的を絞って変形させやすいです。 ドライヤーの場合も基本的なやり方は同じで、凹みを温めて裏側から押して直します。樹脂を変形させるにはかなりの温度が必要なため、高温ドライヤーでないと時間がかかりすぎたり、場合によっては上手く修理できなかったりするので注意しましょう。
ドア部を修理する場合
バンパーは樹脂でできていますので、温めて直すのが基本ですが、ドアは金属でできていますので、別の修理方法を用います。車凹みはバンパーよりもドア部やボディなどにできることが多いため、修理方法を覚えていれば、さまざまな箇所への応用が可能です。ドア部を修理する方法も、大きく2つに分けられます。
ドライヤーと冷却スプレーを使う方法
ドア部の凹みを直す場合も、基本的にはバンパーと同じで、熱を加えて変形させやすくします。違っているのは熱してから、冷却スプレーなどを使って急速に冷やし、形を変形させることです。これは金属の形状記憶を利用したものであり、温めて柔らかく引き伸ばしたものを、一気に冷やして締めることで、金属を縮ませて凹みを戻す方法です。 凹んでいるのは、いわば金属が延びた状態ですので、これを引き締めるためには、急激な温度差で冷やすことが大切です。冷却スプレーを使えばもとに戻るだけではなく、修理箇所の耐久度を高める効果も期待できます。
お湯と吸盤を使う方法
温めて柔らかくし、凹みとは別方向から強い力を加えて直すという方法は、ドア部の修理にも応用できます。しかし、ドアは凹みの裏側から押すのが難しいため、吸盤を使って、凹みを正面から引っ張り上げます。 お湯やドライヤーなどで凹みを温め、柔らかくなっているうちに吸盤で引っ張ることで、凹みがもとに戻ることは多いです。塗装まで一緒に剥がさないよう注意が必要ですが、強力な吸盤を使えば、大きな凹みも直せる場合があります。
自分で修理不可のときはデントリペアが安い
自分で修理ができない場合は、業者に依頼して直してもらいますが、どうしても費用が高くついてしまいます。業者に修理を依頼し、かつ安く直したいなら、デントリペアで修理してもらうのがおすすめです。デントリペアは塗装が剥がれていない場合におすすめの修理方法であり、短時間で修理でき、かつ料金も安いのが特徴です。 塗装が剥げている場合は凹みと塗装両方直せる板金塗装がおすすめですが、凹みのみに焦点を絞って直すなら、デントリペアを利用してみましょう。
デントリペアとは
デントリペアとは、特殊な道具を使って凹みを引っ張り上げて直す修理方法です。塗装はせず、凹みの修理のみですので、少ない作業工程で直せるのが特徴です。凹みの程度によっても作業時間は異なりますが、直径2cm程度の凹みであれば、約5~15分程度で直せます。
デントリペアと板金塗装修理の比較
デントリペアは、板金塗装と比較すれば、材料費は必要ありませんし、特別な設備も不要です。そのため、自宅などでも簡単におこなえる手軽な修理のため、格安で凹みを直せます。また、塗装をしないためオリジナルの塗装をそのまま残すことができ、修理痕がつく心配もありません。 塗装の塗り直しがあると、事故歴を疑われることもありますが、デントリペアであれば、修理痕がほとんど目立たず、売却時の査定にもほとんど影響しないでしょう。
デントリペアをするためのツール
デントリペアをするためのツールは、鉄やステンレスなどでできた、棒状の道具が多いです。基本的な直し方は吸盤を使った方法と同じであり、棒の先端にさまざまな形状の吸盤があり、それを使って修理をすると考えましょう。 通常の吸盤とは違って、さまざまな場所、角度で貼り付けられるため、自分でおこなうよりも断然修理できる傷の範囲は広いです。
デントリペアの作業手順
デントリペアは、修理する前に傷の状態を確認し、どの道具で直すかを決定します。傷の状態を確認すれば、傷周辺を押しながら凹みの状態をさらに詳しく確認し、吸盤上のものを引っ付けて、凹みを引っ張り上げます。 凹みが直れば、最終チェックをおこない、問題なければ修理は完了です。作業手順はさまざまありますが、どれもすぐにできますので、非常にスピーディーに修理できます。
デントリペアの料金
デントリペアは修理費が安いのが特徴であり、傷の程度や業者によっても異なりますが、15,000円程度で直せることが多いです。板金塗装と比べれば、3分の1か半額程度での修理が可能であり、コストの低さを求めるのであれば、デントリペアがおすすめです。
デントリペアのデメリット
デントリペアは、簡単に言えば吸盤で引っ張り上げて修理する方法なため、直せる範囲には限界があります。あまりにもひどい損傷の場合は、修理そのものができないこともありますし、修理しても本当に綺麗に直るとは限りません。 また、直せるのは凹みに限られるため、塗装が剥げていたり、細かい傷があったりと凹み以外の傷がある場合は、自分で直すか別途業者に依頼して修理してもらう必要があります。
デントリペアが難しい凹み
デントリペアではさまざまな部分の修理が可能ですが、それでも限界があり、角、折れ曲がり部、縁、アールのきつい部分、柱部分などは難しいです。簡単な凹みであれば問題なく直せますが、部分によっては修理できないこともあるので注意しましょう。
車の凹みに適用される保険について
車の凹みは修理費が高くつくことが多いですが、場合によっては保険を適用して費用の負担を抑えられることもあります。凹みの修理に保険が適用されるかどうかは、保険内容や凹みの原因にもよりますし、そもそも任意の車両保険に加入していなければなりません。どんな場合なら保険が適用できるか、デメリットも含めて理解しておきましょう。
適用される場合
車両保険の種類によっても適用範囲は異なりますが、一般的な車両保険なら、自損や他損、飛び石などの凹みにも保険は適用できます。ほとんどの場合で保険の適用はできますので、修理費が高くつく場合は、保険を使って費用を抑えることも考えましょう。
保険を使うことによるデメリット
保険を使えば修理費を負担してもらえますが、等級が下がり、月々の保険料が上がるというデメリットがあります。飛び石などによる凹みの修理なら1つ、自損や他損などの通常事故扱いのものは3つ等級が下がるので注意しましょう。 修理費を負担してもらえたとしても、保険料の増加額を考えれば、保険を適用させたほうが損になるケースもあります。保険料の増加と修理費を比較検討し、保険適用と自己負担での修理、どちらのほうがお得になるのか、適用前にきちんと考えておきましょう。
修理に出す前にまずはDIY修理を試してみよう
車凹みは修理に費用がかかることも多いため、まずは自分で直してみることが大切です。軽度の凹みであれば、身近なものを使って簡単に直せることもあり、特別な道具をそろえる必要もないため、費用は安く抑えられます。 また、修理する場合でも、部品交換、板金塗装、デントリペアなど、方法次第で費用は大きく違ってきます。まずは自分で直すことを考え、それが難しいなら業者での修理を検討し、どの方法を利用するのがベストなのかを考えておきましょう。
ただし、もともと車が古いなどの理由で買取に出す予定だった場合は、下手に自分で修理してから出されるよりも、そのまま買取に出した方が高値になる事が多いです。これは素人が修理する事によって余計に直しにくい状態になってしまい、現状復帰する為に買取店が更に手を加える事になるのです。
また、プロの修理屋に依頼することもオススメしません。完璧に修理することで査定額は多少上がるでしょうが、修理費用以上に査定額が上がる事はありませんので、この場合でもそのまま買取に出した方が査定額はトータルで見ると高くなるのです。
なお、あまりにもへこみがヒドイ場合は通常の中古車買取では値が付かない可能性がありますので、事故車や故障車でも買取を行ってくれるカーネクストに申し込みする様にしましょう。
カーネクストであれば、海外販路を持っている業者ですので、車種や条件次第では日本向けの業者よりもはるかに高額な査定が出来る事もあるでしょう。