政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにするという目標を掲げ、2030年代半ばまでに国内の新車販売をガソリン車から電動車に切り替えるという方針を打ち出しました。電動車にはハイブリッド車や燃料電池車なども含まれる場合がありますが、この「脱ガソリン車」の動きで注目されているのが、CO2排出量がゼロの電気自動車です。
ここでは、こうした世間の流れもあり、これからどんどん増えていくことが予想される電気自動車のおすすめの車種や、その特徴についてご紹介していきます。2021年に向けてぜひチェックしてみてください。
目次
おすすめの国産電気自動車
まずは国産電気自動車の中で、おすすめの車種をご紹介していきます。
日産 リーフ
2010年から日産が販売を開始したリーフは、62kWhと40kWhの2つのバッテリーエディションを持つ、世界で一番売れている電気自動車です。電動パワートレインならではのパワフルな加速や、低重心を生かした軽快なハンドリングが特徴で、自動運転技術をはじめとする先進技術をも併せ持っている「技術の日産」を象徴する車です。リーフには日産の先進技術「プロパイロット機能」が搭載されており、ドライバーに代わってアクセルブレーキやステアリングを自動的に制御してくれます。リーフは日本発売と同時にアメリカやヨーロッパなどでも発売され、世界で約28万台の販売実績を誇っています。
- メーカー希望小売価格:3,326,400円~
- 渡航距離:458km [62kWh]/322km [40kWh]
- 全長:4,480mm
- 全幅:1,790mm
- 全高:1,560mm
- 定員:5人
ホンダ Honda e
2020年10月に販売が開始されたホンダのHonda eは、長距離ツアラーではなく都市型コミューターとしての使い勝手の良さやコネクティビティー、安全性能などを重視して作られた電気自動車です。Honda eはホンダ車では珍しい後輪駆動となっているのが特徴です。また、軽自動車よりも最小回転半径が小さく、小回りが利く車となっています。ホンダの新技術である「Honda CONNECT」により、外部から遠隔操作で施錠したり、車に乗り込む前に目的地を設定できたりといった機能が搭載されています。丸みを帯びた可愛らしいエクステリアに、木のテーブルのようなインパネ、横一列に並んだディスプレイが特徴的なインテリアも、近未来的な印象を与えています。
- メーカー希望小売価格:4,510,000円~
- 渡航距離:308km
- 全長:3,895mm
- 全幅:1,750mm
- 全高:1,510mm
- 定員:4人
三菱 i-MiEV
元々軽自動車だった世界初の量産型電気自動車である三菱のi-MiEVは2018年、安全法規に伴いボディを拡大し、小型車へと変更されました。i-MiEVは、全体が丸みを帯びた印象的なデザインと、取り回しの良いサイズ感が特徴の電気自動車です。三菱が独自に開発した「ミーブ・オペレーションシステム」により、バッテリーの状態や回生ブレーキ機能による発進制御、走行時のブレーキ優先制御などのセーフチェックを行うことができるので、省エネだけでなく、運転性能や安全性能も高い車となっています。また、駆動用バッテリーを床下、パワーユニットをラゲッジルーム下に設置することで、エンジンを搭載しない電気自動車ならではの静粛性を実現しています。
- メーカー希望小売価格:3,003,000円~
- 渡航距離:164km
- 全長:3,480mm
- 全幅:1,475mm
- 全高:1,610mm
- 定員:4人
おすすめの輸入電気自動車
ヨーロッパをはじめとした世界各国では、2025~2040年の間にエンジン車の新車販売禁止を成し遂げようと動き出している国もあり、電気自動車の売り上げが飛躍的に伸びている傾向にあります。ここからは、輸入車メーカーの電気自動車の中でおすすめの車種をご紹介します。
テスラ モデル3
アメリカの電気自動車メーカーであるテスラが2016年に販売を開始した、リヤハッチを備えた4ドアクーペタイプの電気自動車がモデル3です。モデル3は、0-100km/h加速3.4秒というスポーツカー並みの走行性能を持っており、オートパイロットも標準装備されています。メーター類が一切ない近未来的な運転席の正面には、インパネ中央に設置されている15インチの超大型ディスプレイに、車両設定からオートパイロットなどの各種操作が全て集約されています。モデル3は、ミラーやステアリングの調整などもタッチスクリーンを通して行うことができる、使い勝手の良い車となっています。
- メーカー希望小売価格:5,110,000円~
- 渡航距離:409km
- 全長:4,694mm
- 全幅:1,849mm
- 全高:1,443mm
- 定員:5人
BMW i3
i3はBMWが次世代モビリティを提案する「BMW i」シリーズに属する電気自動車で、車体を上部と下部の2つのユニットに分けたオリジナルのボディ構造が特徴です。区分けした下部に高性能リチウムイオンバッテリーやその他の駆動システムを搭載することで、広々とした室内空間を実現しています。また、i3は電気自動車でありながら後輪駆動が採用され、最高出力125kW(170PS)、最大トルク250NmというBMWらしいパワフルな走りを提供してくれます。i3の特徴的なボディデザインには環境に配慮された素材が用いられ、持続可能な次世代モビリティを提供するプレミアム・ブランドにふさわしい車となっています。
- メーカー希望小売価格:4,990,000円~
- 渡航距離:466km
- 全長:4,020mm
- 全幅:1,775mm
- 全高:1,550mm
- 定員:4人
ジャガー I-PACE
ジャガー初のフルバッテリー電気自動車であるI-PACEは、最高出力400kWに最大トルク696N・mのパワーを誇り、わずか4.8秒で100km/hの加速を実現している高性能な電気自動車です。I-PACEは先進技術を豊富に搭載し、まるでスポーツカーのような加速力と安定した走り、快適な乗り心地を提供しています。I-PACEは、回生ブレーキと機械式ブレーキを一体制御する電動ブレーキ・サーボを搭載することで、どのような状況下であっても正確なペダル・フィーリングを実現しています。また、前後2つのモーターで、フロントとリアのホイールをそれぞれ駆動させる前輪駆動システムを採用しています。
- メーカー希望小売価格:9,760,000円~
- 渡航距離:438km
- 全長:4,695mm
- 全幅:1,895mm
- 全高:1,565mm
- 定員:5人
2021年発売予定の最新電気自動車
ここからは、2021年に発売が予定されている最新の電気自動車についてご紹介していきます。
日産 アリア
日産の米国部門は、2020年7月15日にリーフに次ぐ100%電気自動車の新型車、アリアの販売を開始しました。アリアは日産が培ってきた電気自動車のノウハウと、最新のコネクテッド技術を融合させた「スタイリッシュで革新的なクロスオーバーSUV」をコンセプトに作られた車で、日産初のクロスオーバータイプの新型電気自動車です。力強い加速力や滑らかな走行性、電気自動車ならではの静粛性などを兼ね備えた車となっています。また、アリアはコネクテッド技術でも注目すべき点が多くあり、スマートフォンによる遠隔操作やインテリジェントキーによる自動開錠・自動施錠、車室内での音声認識機能による操作などが装備されています。日本での発売は2021年半ば頃を予定されており、販売価格は約500万円からとされています。
マツダ MX-30
マツダの新型クロスオーバーSUV、MX-30が2020年10月8日に発売されました。このMX-30はマイルドハイブリッド仕様ですが、2021年1月にはマツダ初となる電気自動車が販売される予定になっています。マツダは既に、環境規制が日本よりも厳しいヨーロッパでこの電気自動車を販売しており、受注台数は累計7,000台を超えています。マイルドハイブリッドと比べて大きなバッテリーを積んでいる電気自動車でも車体が重くならないよう、バッテリーケースを車体骨格の一部として利用することでボディの剛性強化に活かしています。さらに、マツダの車両運転制御技術「electric G-Vectoring Control Plus」を搭載することにより、様々な運転シーンで心地よい走りを実現しています。日本での販売価格は未定ですが、ヨーロッパでは約410万円で販売されており、同程度の価格での販売が予想されます。
レクサス UX300e
レクサスの欧州部門で、レクサスブランドの中でも最も小型のSUV「UX」に、レクサスブランドとして初めての電気自動車「UX300e」が加わることが発表されたのが2020年1月です。UX300eは日本でも、2020年10月22日から11月4日まで、135台の抽選販売分の商談申し込み受付が行われました。その後の発売日はまだ未定ですが、2021年前半に一般発売されるのではと予想されており、販売価格は580万円からとされています。レクサスUX300eは、新開発された最新電動パワートレインを搭載することにより、367kmの航続距離を確保しています。また、車両の走行状態をドライバーが感じることができる「アクティブサウンドコントロール」や、レクサスブランド最新の安全システムである「Lexus Safety System+」も装備されています。
電気自動車に乗り換えるなら今!
電気自動車のメリットは環境に優しく、ランニングコストを抑えられるだけではありません。エンジンオイルを交換する必要がなく、パーツの点数が少ないことから点検量も減り、メンテナンスコストも安く抑えることができるのです。また、電気自動車はエコカー減税の対象となるので、エコカー減税の期間内であればお得に乗り換えることができます。
車を乗り換える場合は、今乗っている車を車買取業者に買い取ってもらうことで、よりお得に買い替えを行うことができます。
日本政府が2030年代半ばにも、日本でのガソリン車の新車販売を禁止する方向で最終調整に入ったことが報じられました。自動車メーカーなどの意見調整もあるため、今後どうなるのかはまだ未定ではありますが、世界的に電気自動車への乗り換えを推進する動きになっていることは間違いありません。車の乗り換えを検討している方は、電気自動車も視野に入れてみてはいかがでしょうか。