令和8年度は改正道路交通法施行令施行によって大きく二つの変更点があります。一つ目が4月1日の自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入、二つ目が9月1日の生活道路における法定速度の引下げとなっています。
こちらの記事では、「生活道路における自動車の法定速度引下げ」の対象になる生活道路について、また、法定速度の変更で気になるスピード違反の違反点数や罰則金について詳しく解説します。
目次
生活道路とはどのような道路のこと?
改正道交法の施行によって、令和8年9月1日から生活道路での法定速度(最高速度)が時速60kmから時速30kmまで引き下げられることが決まりました。この生活道路とは、どのような道路のことを指すのかご存じでしょうか。
生活道路の基準は

生活道路とは、地域住民の日常生活に利用されるような、中央線・中央分離帯・中央を分離する工作物が設置されていない道路や、複数車線が設置されていない道路のことです。
また国土交通省の資料では、車道の幅員が5.5m未満の道路を生活道路としています。車道幅員が5.5m未満の道路というと、軽自動車(規格では全幅1.48m以下)と小型自動車(1.70m以下)が、同じ道路ですれ違うことができる程度の幅の道路となります。このような道路よりもさらに幅員が狭い道路は「狭あい道路」や「細街路」といわれ、道路幅員は4m未満の道路のことを指しています。
生活道路かどうかを判断するポイント
走行中の道路が生活道路かどうかを判断するポイントは、以下の3つになります。
- 住宅街のなかにある道路か
- 自動車2台がすれ違うことができる車幅があるか
- センターラインがある道路か
生活道路の法定速度が引下げられる理由
これまでは特に指示の無い生活道路での法定速度は時速60kmであったのに、30kmまで引き下げられることになったのでしょうか。
警察庁の資料によると、全交通事故発生件数のうち幅員5.5m未満道路の事故発生件数は、平成26年で137,921件、令和6年で67,522件で減少しています。しかし、幅員別・状態別の交通事故死傷者数をみると、幅員5.5m未満の道路での歩行者・自転車乗用中の死傷者数が占める割合は、平成26年が24.0%、令和6年が23.2%とほぼ横ばいで変わっていません。
また、道路幅5.5m未満の道路で起こった交通事故では、歩行者や自転車乗用中の死傷者が占める割合が、それ以外の道路での死傷者数に比べて1.9倍と多くなっていました。
生活道路では、地域住民の歩行者や自転車の往来が一般道路と比べて多くなります。自動車は道交法の改正前後に関わらず、安全な速度での走行が必要です。
法改正後も法定速度が維持される道路は
改正道交法による法定速度の引下げが実施されますが、対象とならない道路ではこれまでの法定速度がそのまま維持されることになります。法定速度が維持される道路の種類をご紹介します。
時速60kmの法定速度が維持される道路
令和8年9月の道交法改正後も、これまでと同じ時速60kmの法定速度が維持される道路が以下になります。
| 概要 | |
|---|---|
| 高速自動車国道(一部) | 高速自動車国道のうち、本線車道ならびに、本線車道に接する加速車線及び減速車線以外の道路 |
| 自動車専用道路 | 歩行者、自転車、原付自転車、ミニカーなどは通行禁止の道路 |
| 中央線がある一般道路 | 道路標識・道路標示等による中央線または車両通行帯が設置されている一般道路 |
| 通行方向別に分離される一般道路 | 道路の構造上または柵等により自動車の通行が、往復の方向に分離されている一般道路 |
生活道路での交通安全対策ゾーン30とは

改正道交法の以前から、生活道路における交通安全対策として「ゾーン30」が実施されてきました。ゾーンとは区域のことで、定められた区域内において、速度規制が行われます。30は、最高速度30km毎時の速度規制の実施を意味しています。
ゾーン入り口では、区域規制標識、路面標示、大型車両通行禁止規制等の実施表示を設置することで、ドライバーに対して以降の区域がゾーン30の区域内であることがわかるようにしています。
ゾーン30の取り組みは、生活道路における走行速度の規制で交通安全対策とするだけでなく、抜け道としての通行を抑制・排除することを目的としています。
生活道路走行中に法定速度違反をしてしまったら
自動車は、道路交通法により【道路標識や表示で指定された最高速度、標識等がない場合は政令で定められた法定速度を守って走行しなければならない】と決まっています。最高速度または法定速度を超えた速度で道路を走行していると、速度超過違反として反則金の支払いと行政処分として違反点数が加算されます。
速度超過の反則行為別の反則金
反則行為ごとに請求される反則金については以下の通りにとなります。反則金は、最高速度または法定速度に対し、時速何km超過していたのかと、車の種類によって異なります。
| 違反(反則行為)内容 | 普通車 | 二輪車 | 小型特殊車/原付車 |
|---|---|---|---|
| 高速道路35以上40未満 | 35 | 30 | 20 |
| 高速道路30以上35未満 | 25 | 20 | 15 |
| 25以上30未満 | 18 | 15 | 12 |
| 20以上25未満 | 15 | 12 | 10 |
| 15以上20未満 | 12 | 9 | 7 |
| 15未満 | 9 | 7 | 6 |
速度超過の反則行為別の違反点数
反則行為ごとの違反点数については以下の通りにとなります。違反点数は、最高速度または法定速度に対し、時速何km超過していたのかと、運転している当時酒気を帯びていたか、酒気帯びの度合いによって異なります。一般道路で法定速度(最高速度)を時速30km以上超過すると、前歴がなくとも違反点数6点のため即免許停止30日になります。
| 違反(反則行為)内容 | 普通車 | 酒気帯び0.25未満 | 酒気帯び0.25以上 |
|---|---|---|---|
| 50以上 | 12 | 19 | 25 |
| 30(高速40)以上50未満 | 6 | 16 | 25 |
| 25以上30(高速40)未満 | 3 | 15 | 25 |
| 20以上25未満 | 2 | 14 | 25 |
| 20未満 | 1 | 14 | 25 |
行政処分による点数制度
過去3年間に行政処分の前歴があるかどうかと、3年以内の違反点数の累積点数によって免許停止もしくは免許取り消しが実施されます。停止または取り消しの期間は以下になります。
| 点数/前歴 | 0回 | 1回 | 2回 | 3回 |
|---|---|---|---|---|
| 2 | 停止90日 | 停止120日 | ||
| 3 | 停止120日 | 停止150日 | ||
| 4 | 停止60日 | 停止150日 | 取消1年 | |
| 5 | 停止60日 | 取消1年 | 取消1年 | |
| 6 | 停止30日 | 停止90日 | 取消1年 | 取消1年 |

まとめ
こちらでは、令和8年に改正される道交法のうち【生活道路での速度制限の引下げ】について詳しく解説しました。9月からの改正とはなっていますが、生活道路はもともと歩行者や自転車の往来が多く、通学路等も多い場所となっています。今回の法改正は、抜け道としての利用を排除して危険な交通事故の発生件数を減らしていくことを目的としていますが、施行前であっても車での通行時は安全な速度をもって通行するようにしましょう。



