故障・修理

バッテリーがあるのにセルモーターが回らない!応急処置の方法は

車のエンジンを始動しようとした時に聞こえる「キュルキュル」音は、セルが回転する時の音というのはご存知でしょうか?

実は、車のエンジンが始動するきっかけにはセルの回転が必須です。セルを回転させるセルモーターの回転力がないと、車のエンジンは動き出すことができません。エンジン始動に欠かせない部品であることから、日本国内ではセルモーターと呼ばれていますが、海外ではスターターモーター(Starter motor)と呼ばれています。

こちらでは、車に欠かせないセルモーターについて解説し、セルモーターが回転しない時の原因と思われることは何か、セルが回転しないときの応急処置の方法をご紹介します

車のエンジンを始動するきっかけにセルの回転が必要

車のエンジンの仕組みは、まず外気からの吸気から開始します。シリンダー内に吸気した空気がに入ってガソリン燃料が噴射され、混合気になります。混合気はシリンダー内のピストン上昇によって圧縮されて高温となり、燃焼効率が向上します。圧縮した混合気にプラグで点火し、効率よく燃焼します。燃焼して発生したエネルギーが車の動力となります。エンジンが吸気して燃料と混合、圧縮・燃焼・膨張した結果、二酸化炭素を作るという一連の動作をずっと繰り返すことで車は動きます。しかし、停止しているエンジンがこの繰り返しの動きを始めるきっかけとして、セルモーターの回転力が必須なのです。

エンジンは繰り返しの動作を開始させるために、セルモーターから回転力をもらっています。そのため、車の鍵を回すとセルモーターが回転する音が聞こえて、エンジンが始動する仕組みになっているのです。

セルが回る仕組み

セルを回転させるモーターのことをセルモーターと言います。セルモーターは、車のバッテリーからの電力によって電流が流れることで動きます。そのため、バッテリーの充電量が十分でない場合は、セルモーターが回らず車が動かなくなってしまいます

バッテリーから流れた電流によってセルモーターが動くと、セル側のピニオンギアが飛び出し、セルが回転を始めます。エンジン側のクランクシャフトに繋がっているホイールのリングギアとセル側のピニオンギアが噛み合うことで、セルモーターの回転力がクランクシャフトを通じてエンジンに伝わります。伝わった回転力によってエンジンが作動すると、吸気からの工程が開始され、エンジンの動作が安定するとセルモーターの役割を終えるため徐々にセルの回転が止まり、ギアの飛び出しも収まります。そのため、エンジンの始動時のみバッテリーの電力がセルモーターの回転に使われているため必要となりますが、エンジンが動き出すと電力は必要でなくなるため、あくまでバッテリーの電力は補助電力で、燃料はエンジンの燃焼に必要なガソリンとなっているのです。

セルが回らない原因

前述の通り、セルモーターが動き出しセルが回転するには、バッテリーに充電されている電力が必要です。

セルが回らない!ライトもつかない時は?バッテリー上がり

そのバッテリーの充電量が十分にない状態のことを、バッテリー上がりといいます。バッテリー上がりは、バッテリーが劣化し充電できる量が少なくなっている時や、車の利用機会が少ないため放電状態になっていて充電がなくなっている場合に起こります。ほかにも半ドアやライトの消し忘れで電力が使われてしまい、人的要因でバッテリー上がりが起こってしまうこともあります。

バッテリー上がりになっていると、セルモーターだけでなく電装品にも電流が流れないため、車のライトがつかなかったりパワーウインドウがスイッチを押しても開かないといったことが同時に起こります。エンジンを始動しようとキーを近づけたり、キーを差し込み回してもセルが回転しない時、バッテリー上がりが疑われる場合はライトをつけてみて確認をしてみても良いでしょう。

バッテリーの充電はあるのにセルが回らない!

確認をしてみるとライトは問題なく点灯し、バッテリー上がりが原因ではないと思われる場合、バッテリーの充電量は充分あるのにセルが回らずエンジンがかからないことがあります。その場合は、セルモーター自体が故障や不良がある可能性が高いのですが、なかでもセルモーターや周辺部品の固着が原因となってエンジンがかからない場合があります。

セルの仕組みでも解説した通り、セルモーターには内部に電流が流れた際に飛び出す仕組みの歯車(ピニオンギア)がついています。このピニオンギアは、エンジン側に回転力を伝えるホイール側のリングギアに飛び出した部分が嚙み合うことで回転力が伝わる仕組をもっているのですが、ピニオンギアの飛び出し不良が起こると、リングギアと噛み合わず回転力が伝わらなくなってしまいます。

また、飛び出し不良だけでなく、エンジン側で回転を伝えるクランクシャフトやエンジン側のホイールにあるリングギア、前述のピニオンギアといった周辺部品が劣化や汚れ等によって固着してしまうと、セルが回らなくなります。

車の始動の度にセルは回転して動くため、劣化しますし、部品も消耗しつづけるため、点検や交換が必要になっているのです。

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セルが回らないときの応急処置

上記のような原因によってセルが回転しないと、エンジンは始動のきっかけを得られず、車は動くことができなくなってしまいます。

バッテリー上がりやセルモーター内のギアの飛び出し不良や固着が原因の時は、これからご紹介する応急処置をとることでエンジンを始動させて、少しの距離であれば車を走行させて移動できる可能性があります。

バッテリー上がりでセルが回らないときの救援措置

バッテリー放電によって充電量が足らず、バッテリー上がりになっていることでセルが回らない場合は、救援車やジャンプスターターを用いることでセルを回転させてエンジン始動することで車が動く可能性があります。救援措置の流れをご紹介します。

救援車が近くにある場合

ハイブリッド車のような高電圧ではない、同じ電圧(一般的には12V)の一般的なガソリン乗用車が、バッテリー上がりの車の周辺にあれば、救援車として電力を分けてもらってセルに電流を流して回転させると、エンジン始動できる場合があります。

この車同士の救援措置には、救援する車とバッテリー上がりの車のバッテリー同士をケーブルで接続して電力を分けてもらうための救援用ブースターケーブルが必要です。バッテリー上がりの時の救援時の注意点は、電圧が同じである車であることと、ブースターケーブルを持っていること、バッテリーに取り付ける端子と取り付ける順番を間違えないように気を付ける必要があります。

ジャンプスターターを持っている場合

救援車が近くになくても、バッテリー上がりの車のエンジンを始動させる方法として、ジャンプスターターを使用する方法があります。ジャンプスターターとは、車用のモバイルバッテリーのことです。

バッテリー上がりの車のバッテリーに、ジャンプスターターというモイルバッテリーの端子からケーブルを接続して電力を供給することで、セルを回転させてエンジンを始動します。ジャンプスターターも充電をしておく必要がありますが、緊急時で付近に車がない場合でも対応ができることから、一つ用意しておくと安心の装置となっています。

セルが回らない緊急時の裏技的応急処置

バッテリー上がりが原因ではないがセルが回らないときは、セルモーター周辺部品の固着や不良が原因かもしれません。このような時に取れる応急処置の方法をご紹介します。

セルモーター内部の回転時の仕組みとして、ピニオンギアとホイール側のリングギアの噛み合いがなければ回転力が伝わらず、エンジンが始動できないことが要因の可能性もあるとご紹介しました。そのため、本当に応急処置ではあるもののキーを回しながらセルモーター自体をたたくとギアの飛び出し部分が噛み合い、エンジンが始動できる場合があります。

また、バッテリーからセルモーターへ電力が流れる接触部分はブラシになっているのですが、エンジン始動時にモーターに触れる部分は段々と削れて摩耗していきます。ブラシの劣化によって接触部分が足りないと電流が流れず、バッテリーの充電量が十分にあってもセルモーターには電流が届かないため回転が起こらないのです。先ほどのギアの飛び出し不良時の応急処置と同じく、セルモーターをたたくことで摩耗してしまったブラシが触れて電流が伝わり、エンジンが始動できる場合もあります。

ただ、このセルモーターを直接たたくという方法は一時的なもので、何度も行うことではありません。安全な場所までの移動するための応急処置として知っておくといいでしょう。

セルが回らないときの対応まとめ

エンジンをもつ車の場合、セルが回らないと車のエンジン始動のきっかけがないため不動車となってしまいます

セルが回らない原因がバッテリー上がりであれば、救援措置等でエンジンをかけて車を動かして、整備工場で古くなったバッテリーを交換したり、充電量を十分にするための充電走行をすることで対策することができます。

また、セルが回らない原因が、部品周りの消耗による劣化や故障だった場合は、応急処置をとってエンジンをかけて、整備工場まで移動して部品の交換をすることで対応が可能です。

しかし、古い車の場合は部品交換やバッテリー交換にかかる費用がネックになることもありますし、車に乗る機会が少ないためバッテリーが上がりやすいといった理由であれば車の手放しを検討してみるきっかけにもなるでしょう。車の手放しや乗り換えを検討される際は、古い車の買取にも力を入れているカーネクストまでぜひご相談ください。

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