車の事故は軽度なものから重度なものまでさまざまであり、命に関わる可能性もあるため注意しなければなりません。どうにか一命を取り留めた場合でも、体に傷跡が残ってしまうこともあります。事故に遭えば過失割合などに応じて補償を受けられますが、傷跡が残った場合は、補償額が大きくなることも多いです。
目次
事故による後遺障害等級の認定基準
通常事故に遭えば治療費などを負担してもらえます。事故の程度によっては、通院を繰り返せば治るものもあれば、痛みなどはなくなったとしても、傷跡が残ってしまうことがあります。できた傷跡は治せないことも多いため、後遺障害としてより高額な慰謝料の請求が可能です。 後遺障害には等級があり、等級ごとに補償される金額や傷の程度は異なります。どの程度の傷が残った場合、後遺障害として認定されるのか、細かい基準を知っておきましょう。
外貌に著しい醜状が残っている
後遺障害が認められる傷としては、外貌に著しい醜状が残っている状態が挙げられます。これは、顔面の組織が硬貨大で陥没していたり、手のひら大の傷が、顔や首などに残っていたりする状態を指します。外貌に著しい醜状が残っている場合、後遺障害7級12号の認定を受けられる可能性があり、これは1,000万円程度の補償が受けられるレベルです。 後遺障害としてはかなり上の等級といえますので、傷跡があまりにもひどく残った場合は、これに該当する可能性が高いでしょう。
外貌に相当程度の醜状が残っている
外貌に相当程度の醜状が残っている状態は、9級16号に認定される可能性があります。これは顔など目立つ部分に傷跡があり、傷の範囲が8cm以上など広範にわたるケースが該当します。7級12号よりは軽度な後遺障害として認定されていますが、これもかなり上の等級レベルです。慰謝料相場は700万円程度であり、傷の程度が大きいほど、請求額も高くなるといえるでしょう。
足に手のひらサイズの傷跡が残っている
後遺障害の等級はさまざまありますが、基本的には目立つ部分に大きな傷跡が残るほど、等級は高くなると考えましょう。そのため、足など目立ちづらい部分では、後遺障害が付かないケースも多く、多少の傷跡は問題視されないこともあります。 しかし、足でも手のひらサイズの傷跡など、大きいものが残っている場合は、後遺障害として認定される可能性もあります。傷跡が大きい場合は、後遺障害認定が受けられるか、弁護士などに確認しておきましょう。
性別による違いはない
後遺障害等級の認定に性別による違いはなく、男女ともに同じ基準で認定の可否が決定します。平成22年以前は性別による補償内容の違いがありましたが、法改正によって男女平等で等級が決められるようになりました。 性別に関係なく、傷の場所や程度によって等級が決定しますので、より細部までケガを確認しておくことが大切です。性別に関係なく後遺障害認定は受けられますので、傷跡を確認すれば、認定が受けられるかは必ず確認しておきましょう。
事故による傷跡の慰謝料をもらうときのコツ
後遺障害等級の認定が下りれば、より高い慰謝料を請求できますが、必ずしも相場程度、あるいは相場以上の金額が受け取れるとは限りません。慰謝料額は傷の程度はもちろん、事故当時の状況によって異なりますし、お互いの話し合いの進め方次第でも違ってきます。 少しでも有利な条件で慰謝料を請求するためには、交渉の方法などを工夫しなければなりません。慰謝料をもらうにはコツがありますので、それを踏まえて上手に交渉しましょう。
仕事に支障があることを伝える
傷跡が仕事に支障をきたすレベルなのであれば、そのことを保険会社の担当者に伝えることが大切です。モデルなど、人に見られる仕事をしている場合はもちろん、サービス業や営業などでも、仕事に支障が出る可能性はあります。 傷の程度によっては、人と会う仕事のほとんどで支障をきたすといえますので、まずは相談してみることが大切です。仕事への支障が認められれば、その分慰謝料は引き上げになりますし、より高額な補償も受け取りやすくなります。
形成外科で治療を受ける
話し合いを進め、加害者側の保険会社が認めれば、形成外科や美容クリニックなどで治療をしましょう。これらの病院であれば傷跡を消す、あるいは目立たなくさせることができ、日常生活への影響も少なくなります。保険では治療費などはすべて補償されますので、高額になったとしても心配する必要はありません。治療費分を慰謝料として受け取れますので、より高い金額で、慰謝料を請求できます。
示談金額に納得がいかないときは交渉する
示談は双方が合意し、示談書に署名捺印をすれば成立します。そのため、示談金額に納得がいかない場合は、すぐに署名捺印はせず、しっかりと交渉することが大切です。示談交渉は難しいものであり、どれくらいの示談金をもらうのが適切なのかが分からないことも多いでしょう。 分からない場合は自分で判断せず、自身が加入している保険会社の担当者に相談することが大切です。示談が成立すればあとから覆すことは難しいため、きちんと納得してから署名捺印をしましょう。
弁護士に相談する
事故による示談の交渉などは、加入している保険会社の担当者に任せることも多いです。しかし、場合によっては保険会社に任せているだけでは、納得した補償額が受け取れないこともありますので、少しでも不安があれば弁護士にも相談してみましょう。 弁護士はそれぞれで得意分野が違いますので、交通事故に詳しい人に依頼することが大切です。まずは相談をしてみて、必要であれば示談交渉をおこなってもらうなど、弁護士の利用も考えておきましょう。
正しい知識を身に付けて妥当な補償を受けよう
事故によって傷跡が残ると、補償される金額はさらに大きくなります。しかし、それも交渉次第ですので、適切な対応方法を知っておくことが大切です。事故の対応について正しい知識を身に付けて、妥当な補償を受けましょう。
なお、事故車の処分は一般的な買取店では値段がつかず、廃車にするには逆に費用がかかりますので、事故車の買取も出来るカーネクストに依頼される事で手元に残るお金を増やす事が出来るでしょう。