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車の改造で知っておくべきカスタムの種類やリスク

車の性能をさらに引き出し、その奥深さにを知るために改造をおこなう人は多いです。ひとくちに車の改造といっても幅は広く、人によってどのような改造をおこなうかは異なります。改造の仕方には個性が出ますが、実際に手を加える際には、ルールを守って規定の範囲内でおこなわければなりません。 車の改造にはルールがあり、それに違反すると処罰の対象になります。また、ルールを守らない改造だと、安全性が損なわれていることも多く、事故や故障の原因にもなりかねません。周囲に迷惑をかけず、安全に改造を楽しむためにも、改造のイロハを把握しておきましょう。

使用としての改造車と趣味の改造車

車の改造箇所は人によって違い、どんな改造を施すかも異なります。しかし、改造車を大枠でとらえた場合、大きく2つのパターンに分けられます。それは使用としての改造と趣味としての改造です。前者は実際の使用を目的とし、機能性を高めるための改造であり、後者は趣味の範囲内でおこなう改造です。 使用としての改造は主に法人でおこなわれることが多く、個人が関係するのは趣味の改造ですが、それぞれの違いを知り、改造車への理解を深めておきましょう。

メーカーによる改造車

使用としての改造は、実際の使用を目的とした機能的な改造であり、メーカーによっておこなわれます。メーカーが公式な車両として改造車を提供しており、福祉や救急車両がこれに該当します。これらの車は、もとの車をベースにして、それぞれの使用用途に合わせて外装や内装を改造している、いわば別注の車です。メーカーによる改造のため、当然違法性はなく、法的にも認められています。

個人による趣味の改造車

趣味の改造車は基本的には個人の改造によるものであり、それぞれでどんな改造を施すかは異なります。走行性能を高める改造をおこなう人もいれば、ビジュアルだけを改造する人もいますので、必ずしも機能的な目的で改造しているわけではありません。 あくまで個人の趣味の範囲で、楽しんでいるものと考えましょう。改造車の中には、公道を走ることを想定していないレース用の車もあり、これも趣味としての改造車に該当します。趣味で改造している場合は、改造の内容や程度によって違法な場合もあるので注意が必要です。

車のどこを改造するか

車の改造可能箇所は幅広く、どこを改造するかで個性が表れます。また、個性をアピールした改造だけではなく、実用性を高めるために改造をおこなう人もおり、なにを求めるかによって、改造箇所は異なるでしょう。車の改造は多岐にわたりますが、実際に個人で改造できるのはどこなのか知っておくことが大切です。改造可能箇所を知った上で、どのような仕上がりになるか考えてみましょう。

車の機能部分の改造車

車は購入時点でメーカーが想定した最高のパフォーマンスを発揮できますが、改造によってさらにポテンシャルを引き出すことも可能です。機能部分の改造車は、エンジンやサスペンション、スタビライザなどの改造をおこなうことが多いです。 エンジンの出力や特性を変え、走行性能を大きく変更することもあれば、サスペンション、スタビライザの変更で乗り心地を変えることもあります。機能部分の改造でも幅は広く、自分が求める走りが明確な人、より快適に車に乗りたい人がおこなうことが多いでしょう。

車のデザイン部分の改造車

車は走行性能はもちろん、見た目も重要であり、デザイン部分の改造をおこなう人も多いです。デザイン部分の改造箇所としては、以下が挙げられます。

  • 外装デザイン
  • 内装部品
  • タイヤ・ホイール部品
  • 灯火
  • ガラス、ミラー部品
  • ブランドデザイン

デザイン部分の改造の幅は広く、これらすべてをおこなう人もいれば、一部のみ改造する人もいます。デザイン全体を大きく変更して、世界にひとつだけの車を作り出す人も多いでしょう。

車をどのように改造するか

車の改造をするにあたっては、コンセプトを決めることが大切です。単に改造をするというだけでは、漠然としており、明確なビジョンがありません。どのように改造するかは人によって違いますので、使用用途からコンセプトを決め、明確なイメージをつくった上で改造しましょう。

レース仕様への改造車

レース仕様にするには、普通の乗用車をレーシングカーの性能に近づけるための改造をおこないます。エアロパーツの取り付けやマフラーやホイール、車高、エンジンの変更をおこなうことが多いです。レース仕様にすれば走行性能は上がりますが、公道を走れる規格から外れることも多いので注意が必要です。

ドリフト走行仕様への改造車

ドリフト走行仕様では、車の足回りを改造して、コーナリング機能を高めます。エアロパーツの取り付けやホイールの変更はレース仕様と同じですが、ドリフト走行仕様では、さらにサスペンションやスタビライザーも取り付けます。レース仕様と改造箇所が似ているため、それぞれの特徴を併せ持った改造をおこなうことも多いです。

VIP仕様への改造車

VIP仕様にするには、高級車のデザイン性や居住性を実現するための改造をおこないます。外装や内装のレベルアップを図り、ブランドロゴの変更をおこなう場合もあります。外装ではカラーの変更、内装ではシートの張替えが多く、改造の中では比較的取り組みやすいでしょう。

クロスカントリー仕様への改造車

アウトドアが好きな人は、クロスカントリー仕様への改造をおこなうことも多いです。山道や悪路走行への性能を高めるための改造であり、基本的には走行性能をいじる機能的な改造に該当します。サスペンションの交換やウィンチの取り付けをおこない、乗り心地を安定させる改造が多いでしょう。

アニメや漫画仕様への改造車

漫画やアニメのキャラクターで車の外装を飾った改造は、痛車とも呼ばれており、多くの人の注目を集めます。作業工程はステッカーによる車体のラッピングや塗装であり、ハードルはそれほど高くありません。お気に入りのキャラクターの車は、世界にひとつしかありませんので、個性を発揮しやすい改造です。

初心者向けの簡単な改造

車の改造=上級者の趣味とイメージされやすいですが、実は初心者でも簡単におこなえる改造はあります。初心者ならまずは運転席周りの付属品から変えるのがおすすめで、芳香剤の設置やハンドル・シートカバーの変更から挑戦するとよいでしょう。 これらも改造の一部であり、簡単なことから始めて、少しずつ難しいことにチャレンジする人は多いです。また、さらにランクアップを図るなら、エアロパーツの取り付けやマフラーの交換に挑戦するのもよいでしょう。パーツの取り付け、交換は難しいと思う人が多いですが、これらは比較的簡単におこなえます。 どうしても自分でおこなうのが難しければ、整備工場で改造を依頼するのもおすすめです。作業工賃はかかりますが、確実であり、安全性も高いです。無理にチャレンジして失敗するよりも、お金を払ってでも安全にやったほうがよい場合もありますので、できそうかしっかり確認し、無理なく改造をおこないましょう。

改造車の検査と車検

車の改造はどこまでも自由におこなえるわけではなく、明確な規定があります。改造は既定の範囲内でおこなわなければならず、改造の程度によっては申請手続きが必要です。改造自体に違法性はないものの、規定を超える改造や申請なしの改造は処罰の対象となるので注意しましょう。改造車の検査と車検の関係を知り、改造後はどんな手続きをすればよいのか知っておくことが大切です。

軽微な改造の場合は記載変更のみでよい

改造の幅は広く、どんな部品を使っているかでも程度は異なります。基準にあった指定部品の装着の場合は、軽微な変更となり、車検証の記載変更のみでOKで、特別な手続きは必要ありません。記載変更は運輸支局でおこない、使用者の戸籍謄本と車検証が必要です。指定部品の取り付けによる軽微な変更は、法的には改造とはみなされませんので、手続きも申請だけで済みます。

車検証の記載事項を変更するような改造の場合は構造変更検査を受ける

車検証には、車検更新時の車の状態が記載されていますが、その内容から大きく外れる改造をおこなった場合、構造変更検査を受けなければなりません。構造変更検査は、改造が法的な基準内でおこなわれているかを確認するものであり、検査で適合とみなされなければ、公道を走ることはできないので注意しましょう。 いわば車検の改造車版であり、手続きが完了すれば、改造車でも公道を問題なく走行できます。構造変更検査をおこなうと、これまでの車検の有効期限はすべてリセットされるため、車検が切れるぎりぎりにおこなうのがおすすめです。

不正改造車になる改造をしないために

改造しても規定内で、申請さえしていれば法的には問題はありません。しかし、どこまで改造してもよいのか正しく理解している人は少なく、知らないうちに不正改造をしてしまうケースもあります。不正だと知らずに改造した場合でも、規定を違反していれば処罰の対象となるので注意が必要です。 改造を楽しむのは個人の自由ですが、すべて決められた範囲内でおこなわなければなりません。不正改造で処罰されないためにも、改造車の保安基準や不正とみなされる改造の内容を把握しておきましょう。

改造車の保安基準

車には保安基準が決められており、基準に適合しないものは公道を走ることはできません。保安基準は改造車に限らず決められており、通常の車検時に適用されているものです。車検時の合格ラインに収まっていれば、改造していても法的な違反はありません。 保安基準は細かく決められているため、改造に不安がある場合は、業者に依頼して規定内で改造してもらうのがおすすめです。

不正改造とみなされる改造の内容

不正改造とみなされる改造の内容は、以下のとおりです。

  • 歩行者にとっての安全性を確保できない改造:危険な形状のエアロバーツ、はみ出したタイヤなど
  • 環境への影響を悪化させる改造:マフラーの切断や取り外し、など
  • 交通規則を遵守することを妨げる改造:バンパーの取り外し、灯火の色の変更、ガラスの着色など

これらは国土交通省の道路運送車両の保安基準として決められているものであり、合致しない場合は保安基準に不適合の不正な改造となります。保安基準は車を安全に使用することだけではなく、環境への配慮も重要視しているため、一見危険に見えない改造でも、不正となる場合があります。 不正な改造は法律違反になるだけではなく、事故や故障のリスクにもなるため、絶対に避けなければなりません。周囲と自分両方の安全を確保し、快適に車を使うためにも、改造の際には保安基準は入念にチェックしましょう。

不正改造として検挙された場合

不正改造として検挙された場合、違法改造改善整備命令が出ます。これは15日以内に改造箇所の改善を求めるものであり、期間内に従わない場合、ナンバープレートと車検証を没収され、最大6カ月の車両使用停止処分が下されます。 また、整備命令に従わないことで、50万円以下の罰金も科せられるので注意しましょう。検挙されて使用停止になった車を使用した場合、さらに6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。不正改造には重い処罰が待ち受けていますので、万が一不正改造で検挙されればすぐに改善して、保安基準に適合させましょう。

改造車のリスクとして知っておくべきこと

車の改造は自分好みの車を作り上げられることから、楽しく達成感のある趣味として人気です。改造によってより快適に使える場合もありますが、改造によるリスクも存在するので注意しましょう。改造したからといって、すべての場合でよくなるとは限らず、場合によってはデメリットを抱えてしまうこともあります。改造車のリスクを把握して、安心、安全な車の使用を心がけましょう。

国土交通省による不正改造車排除運動

国土交通省では、毎年6月を強化月間として、不正改造車排除運動をおこなっています。不正改造車取り締まりの動きは、近年活発化しており、実際に検挙されている車も少なくありません。保安基準に適合する改造なら問題はありませんが、不適合の改造や構造変化の未申請での使用は、検挙の対象となるので注意しましょう。取り締まりが強化されたことにより、罰則を受けるリスクも高くなっています。

車両保険への加入を拒否されることがある

保険会社によっては、改造車と認定された場合、車両保険への加入を拒否されることがあります。会社ごとに対応は異なり、保安基準内の改造であれば問題ないことも多いですが、一部加入できない可能性があることは理解しておきましょう。 また、加入できた場合でも、補償を受けられるのは車の本体の時価総額分に限られます。改造したパーツの価値は時価総額には含まれませんので、注意が必要です。

改造専門店以外の整備工場 (業者・ディーラー) での整備や車検を断られることがある

改造車の取り扱いに慎重になる業者は多く、整備工場やディーラーでは、整備や車検を断られることもあります。改造車専門店であれば、問題なく対処してもらえますが、近くにない場合は日常的なメンテナンスでも困ることは多いでしょう。 改造車でも程度によっては、整備・車検を受け入れてもらえる場合はありますが、過度になるほど受け入れの可能性が下がる傾向にあります。

中古車として購入するのはリスクが高い

改造済みの車が中古で売られていることもありますが、購入のリスクは高いので注意が必要です。中古の改造車は、改造部分の機能や安全性に不安が残り、事故や故障のリスクが高い可能性があります。改造車は万人受けしないため、購入価格は非常に安く、自分が欲しい装備が揃っていれば、お買い得ではあります。しかし、リスクも高いため、購入する場合は状態をしっかり見極め、安全性を確かめてから買いましょう。

改造車は安全で適法の範囲内で

車の改造は、カーライフをさらに充実させるものであり、上手におこなえばお気に入りの1台をつくりあげられます。デザインの改造はもちろん、走行性能を高めることも可能であり、カスタム次第では快適性や使い勝手はさらに増すでしょう。 しかし、改造の範囲は法律で決められており、国が定めた保安基準内でおこなわなければなりません。保安基準を超えた改造は違法であり、処罰の対象となるので注意が必要です。改造をするなら適法の範囲でおこない、ルールを守って改造を楽しみましょう。

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