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自動車の原価率はどう決まる?オプションはつけるべきか

原価率とは、売上高を100%とした時に売上高に対して売上原価が占める割合のことです。

自動車の売上原価には、車を製造するためにかかった仕入原価と、製造工程時にかかった人件費や電気代・ガス代などの製造原価が含まれています。売上高から売上原価を差し引いた利益が、メーカーにとっての売上総利益(粗利)となります。

こちらの記事では、自動車の原価率について詳しく解説します。

自動車の原価率とは

自動車の原価率は、どのような計算方法から確認できるかご存知でしょうか。

原価率の計算方法

自動車の原価率の計算方法は、下記です。

売上原価(製造原価+仕入原価)÷売上高×100(%)=原価率

例えば、200万円の車を売るためにかかった売上原価が160万円だったとすると、原価率は80%となります。

日本は国土に対して可住地が約30%と少なく可住地に人口が密集しているので、必然的に細い道や曲がり角が多く駐車スペースも大きくとることができない住環境になっています。そのため、日本の環境に適したコンパクトカーは、今最も新車販売台数を伸ばしているのです。2022年の年間新車販売台数で、ブランド通称名別ランキングの1位となっているトヨタ・ヤリスもコンパクトカーです。トヨタ・ヤリスの車両本体価格(ガソリン車グレードのエントリーモデル)は、147万円(税込)です。もちろん本来の原価率を知ることはできませんが、購入しやすい価格となっていることは確かです。

海外に比べて、日本の自動車は原価率が高く、およそ80%といわれています。しかし、原価率が高いとは言っても、スポーツカーなどの高級車については利益率が高く原価率が低いため、これにあてはまりません。

車両本体価格の内訳

お店で販売されている新車の車両価格は、80%程度が製造原価・仕入原価・粗利で、残りの約10%~20%程度は販売ディーラーの利益とされています。

例として車両本体価格が200万円の自動車の場合、だいたい以下の様な内訳となります。

  • 車の製造・仕入原価が120万円
  • 開発費、組立費、諸経費など40万円
  • メーカーの利益20万円
  • ディーラーの利益20万円

これだけ見ると、販売店のディーラーの利益はかなり薄く、非常に良心的に見えますよね。しかも、ここからディーラーが新車を値引きして売っていることが多いため、ディーラー側が赤字になる可能性すらあるように見えます。しかし、ディーラーは車を売ることでメーカーからインセンティブ(販売奨励金)が支払われ、そちらで利益を出すことができるため、ある程度までは値引きが可能なのです。

国産自動車メーカーはどうやって利益化しているのか

上記の通り、車両本体価格の内訳をみると国産車の原価率は高く、自動車メーカーは車を売っても多くの利益を得ることはできていません。では、どのようにして自動車を製造し利益化しているのでしょうか。利益とは、売上高から売上原価を差し引いて算出した売上総利益(粗利)のことです。利益率は、売上総利益(粗利)÷売上×100という計算方法で算出することができます。

自動車の車両本体は仕入原価・製造原価が高くかかるため、原価率が高く粗利は低くなります。しかし車両本体販売時に、原価率が低いオプションをセット販売することで、製造メーカーは利益をあげることができるのです。次項でも詳しく解説しますが、車のオプション設定といわれるものやアクセサリは原価率が低く、利益率が高くなっています。

オプションで利益を出すというのは、飲食店などでも同じようなことを言われていますよね。例えば日本マクドナルドでは、ハンバーガーは一つあたり150円という販売価格ですが、牛肉を使っているため材料費がかさみ、人件費など含めると単品での利益はほぼ無いそうです。しかし原価率が低いドリンクやポテトをセット販売で提供する(単品商品は目立たせずセットを全面にプッシュする)ことで、全体の利益を調整しています。価格に大きな隔たりこそありますが、車もそれと同様の構造があるということです。

車のオプションやアクセサリの原価率

車両本体価格の内訳だけを見ると、自動車メーカーが得られる利益は少ないのですが、車のオプションは非常に利益率が高く、オプションの方で利益を出していると言っても過言ではありません。

オプションの価格設定はメーカーにより様々

人気があり、車両本体にオプションで購入する方が多いアイテムというと、カーナビやドライブレコーダーがあります。

車を購入するときにオプションで選択するカーナビは、ナビ本体と工賃を含めた価格で販売されていますが、その内の10%~15%が仕入れ原価といわれています。ドレスアップで人気のドアミラーカバーは、工賃込みオプションでつけると数万円程度しますが、仕入れ原価は数千円程度です。他にも革調シートカバーは2列シートで10万円前後、3列シートで20万円前後かかりますが、実は仕入れ原価は20~30%程度と言われています。

価格面からするとオプションは非常に高い買い物に思えますが、不要なオプションは付けないという選択肢がありますし、ディーラーではオプションを付けずに社外品を後付するという選択もできます。自分の好きな所にお金をかけて、不要なところにお金を出さずに済むシステムは、消費者にとってメリットの方が大きいでしょう。

値引きについて

また、利益率が高い(原価率が低い)ということは、ある程度の値引き交渉も可能であるということです。車両本体価格だけでなくオプションも値引き交渉をするのは骨が折れると思いますが、出来る限り節約したい人は頑張ってみましょう。

オプションは車を売る時の査定額にプラスになる?

オプションを付けていた方が、車を売る時にプラス査定になるのであれば、高くてもつけておこうと思う方が増えるかもしれません。しかし、オプションでつけた時にかかった金額と、同じくらいのプラス査定になることはほぼありません。また、カーナビやオーディオといったオプションは、基本的についていることを前提とされていますので、もしもついていない場合や社外品に取り換えられている場合は、査定が下がる可能性があります。

車購入時に下取りも併用すると利益率は

新車購入時に今乗っている車の下取りもしてもらうのであれば、下取り査定分だけ値引きされるはずです。

ただし、原価率の低いオプションと同様に、新車の利益率の低さをカバーするために、ディーラーは下取り金額を低く提示してくることでしょう。下取り査定で納得いかない結果になりそうな時は、合わせて中古車の買取をしている中古車専門店などでも査定してもらい、下取り査定額と中古車買取額の比較をしてみると良いでしょう。

下取り査定額を含めて状態で購入時の見積もりを出すと、全体の割引額が一見して大きく見えてしまうことがありますが、実はそこまで計算されていないかもしれません。

そのため、新車の割引交渉をする際には「中古車販売店に売る可能性があるので、下取りは無しで見積もってください」等と伝えて、車の値引き交渉を進めると良いでしょう。
そして、値引き交渉に限界が見えてきた頃に、下取りしてもらった場合の査定額を改めて聞いてみましょう。

査定がつかないような車だった場合は?

ディーラーで車を買い換える時、下取りに出す車が、低年式・過走行・修復歴ありなどだった場合、下取り査定額がつかなくて値引きがしてもらえなかったり、引取に処分費用がかかると言われるケースもあります。ディーラーの仕事はあくまで「車を売ること」ですので、古い車や沢山走っていた車を引き取っても販路が強くないため、持て余してしまうのです。

このように、廃車にしなければならないような状態の車であっても、費用をかけずに廃車することができ、車種によっては事故車でも高額で買い取ってくれるサービスが廃車買取サービスです。もし車を処分する必要があって、費用も掛かってしまいそうな時は、そうしたお得な廃車買取サービスを利用するのも一つの手です。

まとめ

車の原価率について詳しく解説しました。

車は高額な商品ですが、意外と製造メーカーや販売ディーラーの利益率は低く、利益のためには台数を多く売る必要があるようです。利益率が低いため、製造メーカーは利益を支えるために原価率の低い車のオプションをセットで販売していたり、下取りといったシステムを用意しています。ユーザー側としては、それを必要な分だけ選ぶことができますので、購入時には車両本体の値引き交渉や、オプションの設定をつけるかどうかなど、しっかりと思案して購入するようにしましょう。

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