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職業ドライバーへの間口が拡大!AT大型免許導入と普通免許の講習変更内容は

トラックドライバーの担い手不足は、近年大きな問題となっています。令和6年の働き方改革によって時間外労働時間の上限規制が開始となり、長距離輸送を行う会社では将来的に大幅な輸送能力の低下が見込まれています。輸送能力の低下は会社の利益面にも影響があると予想され、輸送を行う現場のドライバー不足にさらに拍車がかかる形となっています。

このようなドライバー不足と、トラックやバスのAT仕様車の普及が進んできているという二つの状況を踏まえ、「AT限定大型免許の導入」と「普通車免許取得時の技能試験方法の変更」が決定されました。新たな免許の導入と運転免許に関する制度の見直しについて、こちらで詳しく解説します。

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AT限定大型免許の導入が決定!

トラックドライバー不足とトラックやバスのAT仕様車の普及が進んでいるという二つの状況を踏まえ、これまで普通車(第一種・第二種)免許にのみ設定されていた「AT(オートマチック)限定条件付きの免許」の導入が決定しました。

新たなAT大型免許はいつから?導入される免許の種類は6種類

運転免許制度の改正により、新たに導入される免許の種類は下記の6種類あります。それぞれどのような免許が、いつごろ導入されるのか、表で一覧にまとめました。

既存の免許導入される免許導入日
大型MT大型免許AT大型免許令和9年4月1日
大型第二種MT大型第二種免許AT大型第二種免許令和9年10月1日
中型MT中型免許AT中型免許令和8年4月1日
中型第二種MT中型第二種免許AT中型第二種免許令和8年4月1日
準中型MT準中型免許AT準中型免許令和8年4月1日

AT大型免許導入のきっかけは

運転免許制度が改正され、AT限定の大型免許の取得ができるようになります。どのような要因から、AT大型免許の新設は決まったのでしょうか。

大型トラックにAT仕様車が普及・拡大

国産トラック製造メーカーが販売する大型トラックやバスにもAT仕様車が増えてきており、商用車にもAT車の普及が進んでいることが要因の一つに挙げられます。

トラック等に普及し始めているAT車は、オートマチックトランスミッション車だけでなく、オートメイテッドマニュアルトランスミッションといって、機械でトランスミッションを制御するAMT車もラインナップに含まれます。AMT車はMT車の構造をベースに自動化したトランスミッションとなっており、変速操作はドライバーが行いますがクラッチ操作は自動化されているため、セミオートマ車とも呼ばれています。

大型トラックといえば、ギアやクラッチ等の複雑な操作が必ずあるとされてきましたが、AT車やAMT車などのトランスミッションの自動化や機械制御が組み込まれているトラックが普及しつつあることで、複雑な操作ができなくてもトラックを運転できるようになりました。このようにAT車が普及し始めたことで、幅広い層がトラックドライバーを目指すことが可能になります。AT車トラックを運転することを想定し、必要になるAT限定条件がついた大型免許が提案されて、新設が決まったのです。

ドライバーの担い手不足

ドライバーの担い手不足は、物流2024年問題の影響もあり、さらに深刻になっています。輸送ドライバーの人手不足解消の一手として、今回の運転免許制度の改正は効果があると見込まれています。これまでの運転免許制度では、大型・中型・準中型免免許を取るための講習はありませんでした。そのため、最初にAT限定普通免許を取得した人は、まずは限定解除のための講習を受けてから大型免許等の特定免許を取に講習を受けて、まずはMT車に慣れなければいけませんでした。しかし、新たな免許制度によってAT限定大型免許が増設されたことで、AT車限定条件付き普通免許保有者も、AT大型免許やAT中型免許が取りやすくなり、ドライバーを目指すハードルを下げることができています。

若年層のために18歳以上から取得可能!ドライバーのための準中型免許

もともとトラックを運転する免許といえば、中型免許または大型免許のみとなっていましたが、20歳以上かつ普通免許等を2年以上保有していなければ取得ができない免許となっていたため、18歳から20歳までの若年層が取得できるトラック運転手としての免許がそれまでありませんでした。職業ドライバーを目指す人へ向けて間口を広げたのは、平成29年に新設された準中型免許です。準中型免許は、運転免許の取得が可能になる18歳以上から交付を受けることでき、最大積載量2トン以上4.5トン未満、車両総重量3.5トン以上11トン未満の小型から中型までのトラックを運転することができます。

物流2024年問題とは

物流の”2024年問題”とは、令和6年4月からの働き方改革関連法施行開始によって、時間外労働時間の上限規制が適用されることで今後想定されている、物流業界でのトラック運送事業者への影響のことです。

トラック事業者は他の業態と比較して、長時間労働が多いとされていました。特に長距離輸送をするトラックドライバーは拘束時間も長く、長時間労働になりやすい傾向にありました。今回の働き方改革によって時間外労働時間の上限規制が設けられたことにより、運搬できる荷物量がこれまでより減少することで輸送力の低下が起こり、トラックドライバーの雇い主である輸送会社の売上利益の減少などの影響を受けることが問題視されています。また、輸送会社の売上利益の減少は、輸送ドライバーの収入の減少にもつながるため、収入が減少することでドライバーが辞めてしまい、さらなるドライバー不足に陥ることも懸念されています。

普通MT車の技能試験・教習内容も変わる

令和8年4月以降にAT限定条件付きの大型免許・中型免許・準中型免許が新設されることを受けて、令和7年4月1日から運転免許制度の試験方法も見直されます。変更となるのは、自動車学校での普通MT免許・普通普通第二種免許の取得時に受ける技能試験や検定・教習の内容です。こちらで変更内容について詳しく解説します。

運転免許制度改正で変更される技能試験の内容

変更点は、普通MT(マニュアル)車の免許を取得したいと考えている方が自動車学校で受講する時の講習内容や、技能試験の内容です。

改正前改正後
普通車免許(AT限定)技能試験・技能の授業はAT車技能試験・技能の授業はAT車
普通車免許(MT)技能試験・技能の授業はMT車技能試験・技能の授業はAT車、
修了後AT限定解除講習を4限分受ける(MT車)

これまでは、MT(マニュアル)車の普通免許とAT(オートマチック)車の普通免許を取得する際、それぞれの免許を取得するために受ける技能講習や検定では、それぞれのトランスミッションであるMT・AT車を使用して、受講していました。しかし今後は、普通MT車の免許を取得したいと考えている方は、AT車の技能試験や講習を終えたあとに、追加でMT車を使用しAT車限定解除講習(4限分)を受けることになります。

AT車を使っての技能講習や試験方法に変わる理由は

道路交通法施行規則改正により、自動車学校で検定や講習を受ける際に使用する車は、基本的にAT車となります。このようにAT車が基本になっていくことには、どのような理由があるのでしょうか?

MT車の新車販売比率が減少

日本国内での国産車販売比率においてMT車が1%強になっていることが、一つの要因として挙げられます。近年のAT車とMT車の販売比率というとAT車が98~99%、MT車は1%~と言われており、車種によってはMT車の設定がされていないことも少なくありません。

MT車といえば、運転者と車の一体感が強いことや、ギア切り替えによる操作感を好むドライバーも多く、国産のコンパクトスポーツカーについては販売比率を見てもMT車がAT車を凌ぐ人気の車種も多くなっているものの、全体を見るとAT車の比率がだんだんと高くなっています。

普通AT限定免許取得率の増加

また、普通AT限定免許の取得率が年々増加傾向にあることも要因に挙げられます。

普通車第一種AT限定免許の現在保有数については、平成26年の現在数が約469万件だったのに対し、令和6年には約602万件となっており、この10年間で約133万人増加していることからも、AT限定免許の普及率が高いとわかります。

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まとめ

今回は、令和7年4月1日から「普通MT車免許取得時の技能試験や受講内容が変更」になり、令和8年4月1日以降からは新たに「AT限定大型免許が導入」されることについて詳しく解説しました。どちらの制度改正についても、今後トラックドライバーや輸送会社での就職を目指す人にとっては、気になる情報となっていますので、ぜひ参考にご覧ください。

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