廃車した車でも使い道はさまざまあり、使えるパーツを取り外して使うという人も多いでしょう。廃車で使えるのは各種パーツだけではなく、残っているガソリンを抜き取り、使用することも可能です。しかし、ガソリンの取り扱いには注意が必要で、扱い方を誤れば事故などに繋がる可能性もあるので注意しなければなりません。廃車時にはガソリンは抜き取るべきかを知り、愛車をより安全に処分しましょう。
※廃車の買取も行うカーネクストでは、ガソリンはそのままでも問題ございませんので、その点はご安心ください。
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廃車した車のガソリンはどうする?
そもそも廃車する際には、ガソリンはどのようにすべきかですが、スクラップにする場合でも、そのままにしておいて構いません。解体業者が車をスクラップにする際には、必ず事前にガソリンの有無を確認し、抜き取りをおこないます。 ガソリンが入った状態で引き渡したとしても、きちんと処分してもらえますので、安全上の問題はありません。もちろん、ガソリンがたくさん入った状態で廃車にするのは、ガソリンをそのまま捨てることになりもったいないため、抜き取って次の車に使用することは可能です。 ガソリンの抜き取りは可能ではありますが、取り扱いには気をつけなければなりませんし、ガソリンの再利用にはさまざまな注意点もあります。抜き取りをする場合は、取り扱いには細心の注意を払わなければならないことは理解しておきましょう。
ガソリンの抜き取り方法
ガソリンの抜き取り方法は大きく2つに分けられ、それぞれでやり方が違うだけではなく、抜き取れる量なども異なります。どちらの方法でも十分に注意を払っておこなわなければなりませんし、正しい手順を踏んで作業をすることが大切です。それぞれどのような違いがあるのかを知り、自分にあった方法で作業をおこないましょう。
給油口から抜く方法
ガソリンの抜き取り方法としては、ポンプを使って給油口から抜くのが一般的です。ポンプは灯油を補充する際に使うようなものでもOKで、給油口から吸い取るようにしてガソリンを抜き取ります。灯油用のポンプでも抜き取りは可能ですが、ホースが短いことも多く、抜き取れる量は限られているので注意しましょう。 少しでも多く抜き取りたいのであれば、車のガソリン抜き取り用の、ホースの長いポンプを使用しなければなりません。ガソリンの抜き取り用のポンプは市販でありますし、比較的安価ですので、購入しておいてよいでしょう。
燃料タンクから抜く方法
ガソリンは給油口からではなく、燃料タンクから抜くことも可能です。燃料タンクから抜く場合は、ジャッキアップして下から抜き取る必要があり、作業がやや困難になります。また、ガソリンがこぼれるなど、後処理に困ることも多く、事故などに発展するリスクも高いので注意しなければなりません。 燃料タンクから抜くのは、ポンプで吸い取る方法に比べてハードルが高いですが、残っているガソリンをすべて抜けるため、余すことなく抜き取りたいならおすすめです。
ガソリンの取り扱いについて
ガソリンを取り扱うには、実は危険物取扱者乙種4種という資格が必要です。ガソリンは灯油などとは違い、火災の危険性が高いため、取り扱いは慎重におこなわなければなりません。そのため、取り扱いには資格が必要であり、資格のないものがこれを扱うのは禁止されています。 しかし、取り扱いに資格が必要になるのは、200リットルを超える場合であり、それ以下の量での取り扱いであれば、資格は不要です。ガソリンの抜き取りだけであれば、200リットルを超えることはありませんし、資格がなくても作業自体はおこなえます。 しかし、取り扱いに資格が求められるほど危険なものであることは、頭に入れておかなければなりません。量が少なければ無資格でも取り扱いは可能ですが、危険性はあるため、できる限り個人では扱わないほうが無難と言えるでしょう。
危険物取扱者の資格について
ガソリンの取り扱いには、危険物取扱者の資格が必要です。これは消防法で定められた、火災の可能性が高い危険物の取り扱いや保管監督業務がおこなえる資格で甲種、乙種、丙種の3つがあります。ガソリンを大量に保有しようと思えば、危険物取扱者の資格が必要ですので、それぞれどのような違いがあるのか把握しておきましょう。
甲種について
甲種は、第1類~第6類まで、すべての危険物の取り扱いと無資格者への立ち合いが可能な資格です。6カ月以上の実務経験があれば、危険物保安監督者にもなれますので、危険物取扱者の資格の中では、もっとも上位のものと言えるでしょう。
乙種について
乙種は第1類~第6類危険物のうち、免許を取得したもののみ、取り扱いと立ち合いが可能です。甲種のようにすべて取り扱いが可能なわけではなく、免許を取得したものに限られますので注意しましょう。
丙種について
丙種は第4類危険物のうち、特定の危険物の取り扱いが可能な資格です。特定の危険物とは、引火性液体であり、ガソリン、灯油、軽油、潤滑油などが該当します。また、取り扱いが可能なだけで立ち合いはできないので注意しましょう。また、危険物保安監督者にもなれないため、自身の危険物の取り扱いのみを可能にする資格と言えます。
古いガソリンのリスク
ガソリンは酸化し、劣化していきますので、古いガソリンを使っていると車に負担をかけてしまいます。エンジンが詰まってオーバーヒートなどを引き起こす可能性もありますし、少しでも長持ちさせるためには、新しいガソリンを使用することが大切です。 また、劣化によって異臭を発することもあるため、廃車して長期間車を保有する場合などは、一度ガソリンを抜いておいたほうがよいでしょう。ガソリンは時間の経過とともにどんどん劣化しますので、使いまわしはせず、その都度新しいものに入れ替えるのがおすすめです。
ガソリンの危険性を理解し取り扱うこと
廃車にする車からガソリンを抜き取ることは可能ですが、ガソリンは消防法で指定されている危険物でもありますので、取り扱いには十分な注意が必要です。一歩間違えれば引火などで大事故に発展する可能性もありますし、抜き取りをおこなう場合は、細心の注意を払わなければなりません。 ガソリンは身近にありますが、実は危険度が高いものですので、抜き取りをおこなう際にはリスクをきちんと把握して、慎重に作業をおこないましょう。