自動車やバイクを運転する場合には、必ず自賠責保険に加入することが決められています。そのため自賠責保険は強制保険とも呼ばれます。車やバイクの運転をする限りは加入していることとなりますが、その必要がなくなった場合にはどうしたらいいのでしょうか。 自賠責保険も必要なくなれば解約することができます。そのためには手続きが必要ですから理解しておくとよいでしょう。
自賠責保険を解約する手続きの流れ
自賠責保険は民間の保険会社が行っている任意保険とは違って、法律で加入が決められた保険になるため解約にも任意保険とは違った手続きが必要です。解約のために必要となる書類などもあるので、どういったものが必要となるのかを理解しておくことが大切でしょう。自賠責保険も解約によって、返金される可能性があるので、そのままにしてしまうことのないように気を付けましょう。 まずは、解約までの流れを理解しておきます。
運輸支局で廃車の手続きを行う
自賠責保険はいつでも解約することができるわけではありません。いつでも解約することができたら強制保険の意味がありません。解約することができるのは、廃車にした時です。廃車にすれば保険は必要ないため、解約の手続きを行うことができます。 そのため自賠責保険の解約のためには、まず廃車の手続きを行う必要があるのです。必要書類を揃えて運輸支局に提出し、廃車の手続きを行いましょう。
郵送や電話による解約の場合
運輸支局で廃車の手続きを行ったら自賠責保険の解約ですが、直接保険会社の窓口に行く方法と郵送や電話で解約を行う方法があります。電話といっても電話をしただけで解約ということではなく保険会社のサポートデスクに連絡して解約する旨を伝え、郵送による手続きを行います。 郵送の場合には、解約までに3週間程度が必要です。保険会社によっても多少の違いはありますが、解約までにある程度の時間が必要となり、場合によっては解約返戻金がなくなる場合もあるので気を付けましょう。
営業店に直接出向く場合
自賠責保険の解約に関しては営業所に直接出向いて手続きを行うことができます。郵送に比べると早く処理することができるので早く解約したい場合に便利な方法です。 営業店の窓口に提出するので、事前にどのような書類が必要となるかを確認し、漏れのないように準備しておくことが大切です。せっかく窓口に出向いても書類がそろっていなければ、改めて出直す必要が出てくる可能性があるのできちんとチェックして出向くようにしましょう。
指定口座に返戻金が払い戻される
自賠責保険を解約すると返戻金の支払があります。自賠責保険は、車検の期間と同じ期間で加入しています。車検が2年であれば2年間の自賠責保険、3年であれば自賠責保険も3年です。解約してから残っている保険期間を月割りにして返戻金がきまります。 注意したいのは、解約日は自動車を抹消登録した日ではなく、自賠責保険の解約申請を行った日になるということです。そして、解約日から保険の契約終了期間までを月割りで計算する点です。解約申請が遅くなると保険契約終了期間が短くなるため、返戻金が少なくなります。特に保険契約満了までの残り期間が短い場合には、十分注意しましょう。
自賠責保険の解約に必要な書類
自賠責保険の解約には、いくつかの書類が必要です。せっかく手続きを取ろうとしても書類に不備があったり足りなかったりすると出直す必要がでてきます。特に保険期間の残りが少ないときには、手続きに時間がかかると解約返戻金が受け取れなくなってしまう場合もあります。 書類に不備があれば訂正などに時間がかかるため、予定していた日に解約することができないことも考えられます。こういったことのないようにきちんと必要書類をそろえて準備することが大切です。
自賠責保険の証明書
自賠責保険の解約の際に必要となるのが次のものです。 ・印鑑 ・自賠責保険の証明書 ・自動車の廃車を確認することができる書類 ・保険契約者本人であることのわかる証明書 ・返戻金を振込銀行口座 ・保険商標(車検の必要のない原動機付自転車の場合) 自賠責保険証明書を紛失した場合には、保険会社で再発行してもらうことができるので事前に確認し、必要であれば再発行の手続きを取っておきましょう。
廃車にしたことを確認できる書類
自賠責保険の解約を行う際には、廃車にしたことを確認できる書類が必要ですが、車の種類により確認書類が変わります。 車検のある場合には、抹消登録証明書・解除事由証明書・登録事項等証明書のいずれかが必要となり、車検のないバイクや原付の場合には、軽自動車届出済証返納証明書・軽自動車届出済証返納済確認書・解除事由証明書・軽自動車税廃車申告受付書のいずれかとなります。 廃車の手続きを行う際に自賠責保険の解約も行う旨を伝えておけば、必要な書類を教えてもらうこともできるので、一言添えることも大切です。
印鑑と口座番号がわかるもの
自賠責保険の解約を行うと、残っている保険期間によっては返戻金があります。返戻金は銀行口座の方に振り込まれるので、希望する口座を知らせておく必要があります。 口座を登録するのに必要となるのが、口座番号がわかるものと印鑑です。対象の車が法人の場合には、法人印が必要なので準備していきましょう。
ナンバープレートの保険標章
自賠責保険の解約ではいくつかの書類が必要ですが、車の種類によって必要となる書類には違いがあります。例えば250cc以下のバイクの場合に必要なものとしてナンバープレートの保険標章があります。 保険標章とは、ナンバープレートのところに貼ってあるステッカーです。きちんと保管しておき手続きの際に困らないようにしましょう。
自賠責保険を解約できる条件
自賠責保険は強制保険とも呼ばれるように車を運行する場合には、加入することが法によって決められている保険です。そのため簡単に解約することはできません。 自賠責保険の解約は、条件を満たした場合のみ可能です。そのため条件をきちんと確認しておく必要があります。仮に車の買替えでこれまでの車を売却した場合でも自賠責保険を解約することはできないため、どういった条件が必要かを理解しておきましょう。
保険期間の終了
自賠責保険を解約することができる条件が保険期間の満了です。自賠責保険の契約が終了を迎える時ですが、これはあくまでも保険期間が終了するためで、引き続き車を運行する場合には加入が必要です。 自賠責保険を解約するには、車を廃車にすることが必要ですので、引き続き車に乗る場合などは保険期間が終了しても加入する必要があります。
車を廃車にした
自賠責保険は強制保険であり、簡単に解約することができません。ただし盗難や事故に遭い、車の廃車手続きを行った場合には解約することができます。この場合、残りの保険期間が1カ月以上あれば返戻金があります。 盗難や事故だけでなく車が必要なくなり廃車にする場合にも解約することができますが、返戻金に関しては残りの保険期間によりますから、検討しているような場合には早めの判断も必要です。また廃車ではなく売却した場合には、解約することができないため気を付けましょう。
終期が遅い重複契約をしている
自賠責保険を解約することができる条件として重複して契約している場合です。自賠責保険に重複して加入している場合には、終期の遅い方を残すことになります。 解約したい自賠責保険より、保険契約終了期間の遅い自賠責保険に重複契約している場合となります。残さなければならないのは契約終了期間が遅い方になるため、きちんと保険期間を確認して間違いのないように手続きを取りましょう。
自賠責保険を解約する時の注意点すること
自賠責保険を解約する際にはいくつかの注意しておきたい点があります。自賠責保険は強制保険であり、勝手に解約することができるものではないため、十分に注意する必要があります。 手続きに時間をかけてしまったり、解約条件を間違えたりすることのないようきちんとチェックしておきましょう。
売却だけでは解約できない
自賠責保険は簡単に解約することができるものではありません。車やバイクを売却しただけでは解約できないため、売却先に自賠責の確認をとりましょう。 自賠責保険は強制保険であり、車にかけている保険です。そのため対象となっている車がある以上、最低限の補償となる自賠責保険は必要だと考えられます。対象となる車がなくなって初めて必要なくなると考えることができるようです。 販売されている中古車に自賠責保険の残り期間などが表示されています。これでもわかるように車を売却する際には、そのまま自賠責保険も残った状態で売却することとなります。そのため車を売却したからといって自賠責保険の残りの保険期間分である返戻金が受け取れるわけではありません。
代理店では解約の手続きができない
自動車保険の手続きなどは保険会社の代理店などを利用して、契約などを行うことが多いでしょう。しかし、自賠責保険の解約となると代理店では手続きを取ることができません。 自賠責保険を解約したい場合は、保険会社に直接郵送か電話により連絡するか営業店へ直接出向く必要があります。営業店が遠方になるような場合には、郵送か電話での手続きを考えましょう。その際には、手続きまでに時間がかかることも考えて行うことが大切です。
保険期間が1か月未満だと返戻金はなし
自賠責保険も解約すると返戻金を受け取れる可能性があります。残っている保険期間によって金額は違ってきますし、保険の残り期間が1か月未満の解約の場合、保険の返戻金は発生しません。 というのも、自賠責保険を解約した場合、残っている保険期間を月割りにして計算します。1カ月に満たない期間に関しては切捨てになるので、残りの保険期間が1カ月未満の場合には切捨てになり計算されません。 少しでも返戻金を受け取りたい場合には、早めに行動を開始しましょう。
契約者が違う場合は名義変更が必要
自賠責保険の解約は、契約者が行う必要があります。 解約する車の契約者名義が変わっている場合は、名義の変更を行ってから解約の手続きを行います。車自体の名義は変更してあっても自賠責保険はそのままになっていることもあるため十分に気を付けましょう。 名義変更を行う場合には、それだけ解約するまでに時間もかかるので事前に確認してスムーズに手続きを行うことができるようにしておくことも大切です。
コンビニでは解約ができない
自賠責保険は強制加入であるために、少しでも加入していない人の出ないように、できるだけ手軽に加入することができるようになっています。そのためセブン-イレブンでも自賠責保険に加入することができます。 セブン-イレブンでは自賠責保険に加入することができるが、解約することはできません。解約に関してはあくまでも営業所と連絡を取る必要があります。コンビニで加入したために保険会社が良くわからない人も中にはいるかもしれません。セブン-イレブンの場合には、三井住友海上火災が元になっていますからそちらに連絡して解約します。
ルールを確認してから解約の手続きを実行しよう
自賠責保険は強制保険であり、簡単に解約することができるものではありません。解約することができる条件は決まっています。解約する場合には廃車したことを証明することができる書類も必要となります。 解約することができる条件を確認し、どのような手続きが必要となりどのような書類が必要となるのかを先に確認しておきましょう。解約の際には返戻金が返ってくる可能性もあるので、手続きに時間がかかってしまって返戻金が少なくなってしまったということなどないように、しっかり準備することが大切です。