買取・売却

オプションパーツは買取でプラス査定になるの?車売却時の影響度は

オプションパーツとは、車に元々装備される標準装備以外にオプション(選択肢)で取り付けることができるパーツのことです。オプションパーツには、車の製造過程中に取り付けることが出来るメーカーオプションと、ディーラーに納車されてから後付けできるディーラーオプションの二つの種類があります。車の購入時や購入後にオプションをつけると、将来車を売却する時の買取査定額アップにつながるオプションはあるのでしょうか?

こちらでは、車買取査定を受ける時のオプションパーツが与える影響度について、パーツ毎に詳しく解説します。

車のオプションパーツは買取査定にどのくらい影響するのか

車を乗換える時や不要車を売却する時、オプションパーツがついていることで買取査定や下取り査定のプラスになることはあるのでしょうか。こちらでは、各オプションパーツごとの査定時の影響について解説します。

ETC車載器

ETC車載器とは、高速道路や有料道路の料金所に設置されたETC(自動料金支払いシステム)と無線通信するための機械のことです。車両に設置していると、ETCレーンを走行することで車両を停止することがなくても通行料金を支払うことが可能になります。高速道路に乗る機会が全くないというのであれば不要ですが、一般的には頻度は低くとも高速道路を使う機会はいずれくると思います。現金で支払うより大幅に値引きを受けることが出来る為、車載器を取り付けてETCカードを作っておくと将来的には確実に節約になります。

ETC車載器は、メーカーオプションのビルトインタイプもありますが、後付けできる汎用タイプもあります。社外品にも沢山種類がありますので、必ずしも新車購入時にオプションで取り付ける必要はありません。しかし近年はほとんどの車両についているオプションとして考えられているため、買取査定を受ける時にETC車載器が取り外されていたり、ついていないとなるとマイナス査定になる場合があります。

カーナビ(オーディオ付き)

カーナビは、カーナビゲーションシステムの略称のことです。カーナビがあれば、それまでにいったことがない場所が目的地になった時も道路案内により便利になります。近年はカーナビから渋滞情報等の道路交通状況を確認することも可能になったため、急な事故渋滞を避けるなどもできるようになっています。ただし、最近はカーナビがなくてもスマホやタブレットで地図案内アプリを利用するという方も増えてきているため、購入車両に機能としてついているものの使用していないという人もいるようです。

高速道路現況などカーナビの利点はあるので、全く不要になったわけではありませんが、一昔前のように必須ということもなくなってきているのは事実です。実際、カーナビは昔は高価なものでしたが、現在は価格帯も低価格帯から高価格帯まで幅広く揃っています。特に高額なものでいうとカーナビとオーディオが一体化している純正オプションで、タッチディスプレイやハイクオリティな音響システムがセットになったものなどがあります。オンラインで地理情報のアップデートも随時行うことが可能になっていたり、メーカーとコネクトしていて走行中に万が一のことがあった際は、緊急時の対応もしてくれるものなどもあります。

純正カーナビは車と一体感があり、バランスもよいため高い評価を得ています。カーナビの利用者は減ってきているものの、中古車販売時の装備としてナビ付きは標準装備とされているため、ナビがついていないと査定にマイナス影響があることもあります。もしも純正品のナビを取り外して社外品を取り付けるといった場合は、純正品を残して保管して置き、売却時の買取査定では純正品に戻しておくと良いでしょう。

モニター類

車内に設置したモニターで、フロントカメラやバックカメラの映像を確認することができます。モニター位置によって、バックモニターやフロントモニターともいいます。2022年5月以降の新車登録車は、車両後退時の事故防止のためバックカメラの装着が義務化されました。そのため現在発売中の新車については、バックカメラによる後方映像を確認することができるようになっています。バックモニターは、運転が苦手な方や、狭小スペースでの駐車時にも便利な需要のあるオプションです。今後新車を購入するとバックモニターは必ず装着されていますが、それ以前の中古車については、購入したときは装着されていない場合もあります。純正品だけでなく社外品も色々出ていますので、バックモニターは後付けしても良いでしょう。

電動スライドドア

軽ハイトワゴンやミニバンなどの後部席ドアはスライドドアになっていることがほとんどですが、標準装備で電動化になっている車種もあれば、オプションで設定することができる場合もあります。例えば、N-BOXのリアドアは、Lグレードであれば左側のみパワースライドドアが標準装備されていますが、右側スライドドアはメーカーオプションで設定する必要があります。電動化スライドドア(パワースライドドア)は、メーカーオプションになるため後付けはできません。小さなお子様や高齢のご家族がいる時の乗降の介助や、お買物をした時の荷物の積み降ろしなどの際、スライドドアの電動化機能があると非常に便利です。また、車を売却する時の査定時もプラスになることがあります。標準装備でなければ、メーカーオプションで付けておくことをオススメします。

電動格納式ドアミラー

電動格納式ドアミラーは、運転席側にあるスイッチでドアミラーの開閉を操作できるものです。もともとドアミラー自体は折りたたむことができる機構になっていますが、電動格納式ドアミラーの場合は、車の駐車時に電動でたたむなど行えるため、あると便利なシステムとなっています。これも電動スライドドアと同じく、ディーラーに後から付けてもらうことはできない装備です。(ただし社外品等購入し、整備工場で取り付けてもらうことはできます)また、とくに必須ではありませんが、あると便利な類のものとなっており、装着が大きなプラス査定につながるわけではありません。

安全装置

近年は、車の安全装置と呼ばれる装置や、最新の技術が標準装備されている車種も増えてきています。なかでもABSや横滑防止装置、エアバッグなどは標準装備になっているものが多い傾向です。しかし、ベースグレードやエントリーグレードといわれる、その車種の中でも最も装備等を簡略化することでメーカー小売価格を抑えているグレードの車については、安全装置がついていないため必要なもののみメーカーオプションで装着することができるようになっています。

安全装置のなかでも装着してあることでプラス査定になる可能性が高い装備は、衝突被害軽減ブレーキ装置や車線逸脱警告といった予防安全装置です。特に衝突被害軽減ブレーキは、車前方のカメラやセンサーが先行車との距離を検出し、危険な状況になっているかどうか監視するシステムです。システムが危険を察知し追突の危険性がある場合は、車が運転手にブレーキ操作を促したり、それでも運転操作が無ければシステムが自動的にブレーキを利かせる仕組みとなっています。なかには衛星とコネクトすることで車体周辺の状況を検出し、安全な運転のサポートができるように機能する仕組みをもつものもあります。2021年11月以降の新車登録車については、衝突被害軽減ブレーキは装着が義務付けられました。

ただし、衝突被害軽減ブレーキは新車購入時にメーカーオプションで取り付けることはできるものの後付け設置は難しい装備です。そこで、後付けのオプションとして人気が高い【踏み間違い防止装置】があります。踏み間違い防止装置とは、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによって起こる衝突事故に対し、急発進と急加速を抑制することで衝突防止と被害軽減のために必要な措置となっています。

踏み間違い防止装置は、後付けでも装着しておくとプラス査定になることがあります。

ヘッドライトマナースイッチ

ヘッドライトマナースイッチは、信号待ちの際にヘッドライトをワンタッチで消灯し、再発進時は自動で点灯するという付け忘れを防止する装置です。ライトの操作について自然にできるようになっていれば特に必要はないため、付いていても付いてなくても買取査定に大きな影響はありません。夜間に信号のある交差点で信号待ちをする時にライトがついていると、車の目の前をもしも歩行者が歩いてきたらまぶしくなりますし、対面に対向車がいる時もライトのマナーとしても停止中は、ライトを消灯する必要があります。

ヘッドライトマナースイッチ自体が、買取査定に大きく影響するわけではありません。しかしヘッドライトマナースイッチに故障等の不備が起こり、ライトの点灯や消灯ができない車になってしまうと公道が走行出来ず、車検も通らないため修理や整備が必要になります。

セキュリティーシステム

セキュリティーシステムとは、車の盗難防止するための警報装置です。セキュリティー対策については、ディーラーオプションでも後付けできる装置が多くなっています。一部オプションについては、車内から電源をとるものなど、新車納車前に設定が必要なメーカーオプションもあります。

セキュリティシステムは、社外品であれば同じ価格でもより高品質・多機能なものが選べるでしょう。また、車を買い換えた時には使いまわすことも可能です。日本国内では、パーツや車体本体を狙った窃盗団による大規模な盗難が数多く発生しています。窃盗団の手口も様々で、エンジンをかけることなく積載車に積み込んで盗ろうとしたり、イモビライザーを悪用してリレーアタックで盗もうとする場合もあります。車の下に潜り込んでパーツだけが盗まれるといった事態も増えています。盗難防止装置にはセンサーが搭載されていて、車が故意に揺らされたり、駐車位置からボディが斜めに傾いだ時に大きいなアラーム音を出し、窃盗団の抑止効果があります。人気車種についてはセキュリティーシステムがあれば、よりプラス査定を狙える可能性があります。

リモコンスターター

リモコンスターターは、エンジンスターターやリモートスターターともいいます。離れた所からエンジンを起動し、エアコン等をかけることで【デフロスター(霜を除く)】【デフォッガー(霧を除く)】などが運転前に事前に行えるリモコン機能のことです。暑い夏の季節に事前に車内を冷やすことができたり、冬の運転に車内を暖めて視界を良くするなど便利ではありますが、必須というものではありません。また、運転前にエンジンを動かしているので、ガソリンは余分に使う必要があります。

フロアマット

フロアマットは、純正品であるほど車種にフィットするサイズで製造されているため合わせて購入したいと考える方が多いでしょう。しかしメーカー純正品のフロアマットは非常に高く、ディーラーからすると利益が出る商品です。値引き等で追加でつけてもらうのでなければカー用品店に安いものがあるので、オプションとしてつけないで後から購入するという選択肢もあります。購入されるのであれば、汚れに強いタイプがおすすめです。フロアマットは消耗品のため、買取査定にはあまり影響がありません。ただしフロアマット使用車とフロアマット未使用車を比べると、フロアマット未使用車はマイナス査定になりやすいでしょう。

トランクルームマット

トランクルームマット(ラゲージマット)とは、自動車のトランクルーム(ラゲージスペース)の床面を保護するためのマットのことです。四輪駆動車などのディーラーオプションで純正マットが販売されている車種があります。アウトドアグッズや自転車などを積み込むときに濡れたり汚れてもいいように、防水タイプや洗える素材になっているものがあります。特にマット自体は査定に有効なアイテムではありませんが、車の使用中に使っておくことでトランクルームを綺麗に保つことができます。ただ、純正トランクルームマットは高いため、社外品等でカー用品店で見てみることをおすすめします。

ラゲッジルームネット

ラゲッジルームネットは、ラゲッジから荷物が飛び出して移動しないように、荷室で使用するネットのことです。他にも積荷用ストラップベルトやラゲッジセパレーターなどメーカーの純正オプション(アクセサリ)として販売されています。純正アイテムは適合性を調べる必要がないため手間は省けますが、割高なアイテムも多くなるため必要な場合はカー用品店のもので十分でしょう。特に査定にも影響はありません。

ドアバイザー

ドアバイザーは、ドアの窓ガラスの上部に取り付けて窓から雨などが入りづらくする為のものです。社外品はあまり売られていません。雨天であっても、ドアバイザーがついていれば少し窓を開けることができるため、周囲の音を聞き取りやすくしたときや、車酔い対策で換気したいときにもオススメのアイテムとなっています。ドアバイザーは純正品がほとんどで、メーカーオプションで前もって付けておくことが可能です。後付けがしづらいオプションのため、ドアバイザーが取り付けられているとプラス査定になりやすいでしょう。

コーナーポール

コーナーポール(フェンダーポール)は、フロントバンパーに取り付けるポールのことです。大型の車では運転席側から助手席側の前フェンダーまでの距離が測りづらいため、ポールが付いていると視覚で距離が判別しやすくなり、事故防止の観点からも良い装備となっています。ただコーナーポールがあることで、洗車機にかけられなくなるといったデメリットもあります。純正品もメーカーに用意されているものがありますが、社外品で安いものもありますので、オプションでつける必要はあまりないでしょう。また、得についていてもプラス査定は望めないでしょう。

ガラスの撥水処理コーティング

ガラスの撥水処理のコーティングをするオプションのことです。車の購入時に納車前に撥水効果のあるものをオプションで依頼するか、社外品を購入してご自身で行うかの選択肢がありますが、撥水処理については継続的にやる必要があるため、オプションでやるほどのことではありません。また、ディーラーオプションで頼むよりも整備工場のほうがお得な場合もあります。

ボディコーティング

ガラスの撥水処理と同様で、こちらはボディのコーティングのことです。コーティングはできるだけ早く(汚れる前に)は行うべきではありますが、ディーラーオプションで付けると割高になることが多いので、整備工場やカーメンテナンス店などでの価格帯を確認することをおすすめします。

ボディコーティングすることで、紫外線による日焼けや錆・汚れなどから強くなりますし、洗車も楽になりますので、車の状態をよい状態で保つことができて買取査定でもプラスに繋がります。

ナンバープレート リム

ナンバープレートリムのリムは縁(ふち)のことで、ナンバープレートの縁を囲うフレームのことをいいます。見栄えが良くなるといった利点はあるものの、ナンバープレートの機能的には何もありません。純正品が1,500円~販売されています。特に査定に影響はありません。

エアロパーツ

エアロパーツとは、空気抵抗を減らし、車の走行性能を上げるための装備の名称です。スポーツカーや高級車を販売するメーカーでは、エアロカスタムグレードなどを当初から設定しており、エアロパーツが予め取付けられているものもあります。日本国内の公道ではエアロパーツが必要になるほどの速度を出すことはありませんし、エアロパーツはあくまでドレスアップ目的のパーツと考えられていますが、スポーツカーが好きな方やコレクション目的の方から人気のパーツは多くなっています。一般的な中古車店ではエアロパーツよりも純正品が付いている方が、幅広い客層をターゲットにすることができるためプラス査定になりますが、コレクター向けやドレスアップカスタムに強い業者であればエアロパーツ付の車体の査定額が上がる可能性もあります。エアロパーツに付け替えている場合は、純正パーツを保管しておき、どちらの売却先になっても高い買取額を狙えるようにしておきましょう。

アルミホイール

製造メーカーによってはアルミホイールをオプションで選択できるものがあります。例えばトヨタのモデリスタのアルミホイールは、メーカーオプションパーツとして選ぶことができます。エントリーグレードの場合、標準装備がスチールホイールの設定になっている場合などもあるので、ホイールのみオプションパーツに変更をすることもできます。ただ、社外品ホイールもデザインバリエーションが豊富になっていますし、後付けも可能なオプションですので、すぐに購入する必要はあまりないでしょう。モデリスタのホイールや無限のホイールなど、人気のあるアルミホイールを装着している場合はプラス査定になる可能性があります。

サンルーフ

サンルーフは、車の天井部分に可動する窓が取り付けられているオプションパーツのことです。サンルーフの後付けは難しく、施工業者や社外品によっては雨漏りの可能性があるため、おすすめできません。そのため、サンルーフはメーカーオプションとして元から取りつけられているものが最もプラス査定につながります。ただし、サンルーフをつけると車内の日焼け対策が気になったり、天井部に可動するための仕組みが増えるため車の重量がアップします。重量が増すことによる燃費面への影響や、同乗するご家族がいる場合は日焼け対策について相談してから、取り付けるか決めることをおすすめします。

まとめ

こちらの記事では、車のオプションでつけることができるアクセサリや装備は、車買取査定を受ける時に影響があるのかについて各パーツ毎に解説しました。

オプションはあくまでもアクセサリ目的のものが多く、実際に必須のオプションというと安全装備くらいといえます。後付けができないオプションにだけ注意して必要最低限のものをつけ、必要に応じて後付けする方が、社外品と比べて価格を調べる余裕もありますし、選びやすくなるでしょう。車を購入するときは、価格交渉の段階ではオプションを必要以上に付けておき、交渉の終盤に差し掛かってから不要なオプションを外すと、交渉がしやすくなります。

売却時については、中古車販売店では次の買い手がつきやすいということから、基本的に純正品のオプションがプラス査定になりやすい傾向です。純正品でない社外パーツは、買取業者によっては査定額へ影響がないばかりか、マイナス査定になる可能性もあります。カスタムをするため純正品を取り外し、社外パーツを取り付けることになっても、純正品は査定に出すまで大事にとっておくことを忘れないようにしましょう。社外品パーツは、専門業者であれば買取していることもありますので、様々な買取業者に見積もりをとってみることをおすすめします。

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