愛車を手放す際には廃車手続きをおこないますが、その際に必要な書類は非常に多いです。手続きを完了させるためには書類を全種類きっちりと集めなければなりませんし、少しでも不備があれば廃車手続きは完了しません。しかも、廃車の方法はひとつではなく、それぞれの方法によっても必要書類は違うので間違いが起きやすいのも厄介な点の一つなのです。それぞれの方法別で必要な書類や廃車における注意点などを知り、スムーズに手続きを進めていきましょう。
目次
一時抹消登録に必要な書類
廃車方法のひとつとして、一時抹消登録が挙げられます。一時抹消登録とは、車の名義を一時的に抹消する手続きであり、長期間車を利用しない時や譲渡、中古車として売却する際に行います。名義はなくなるものの、車本体はそのまま残りますので 、再度新しい所有者を立てて再登録すれば使用できるというのが大きな特徴です。一時抹消登録に必要な書類はさまざまありますので、何が必要かをしっかり把握しておきましょう。
一時抹消登録に必要な書類 | |
車検証 | 車検が完了した際に受け取れる車検証ですが、廃車の際には必須の書類となります。この書類に関しては車に積載しておく事が義務付けられていますので、基本的に準備に手間取る事はないでしょう。 |
リサイクル券 | 新車購入時にリサイクル料金の支払いが完了したことを証明する書類で、基本的には車検証と一緒に保管されている事が多いです。 中古車で購入した場合でもリサイクル券は一緒に引き継がれる書類です。 万が一紛失されたとしても、自動車リサイクルセンターにて登録情報のページをプリントアウトすれば、リサイクル券代わりとして提出する事が可能です。 |
委任状 | 所有者の実印が押印がされた委任状が必要です。 ローンで購入している場合などは、所有者が自分ではなく、銀行やローン会社になっている事もあります。 車の所有者が自分であり、自分で一時抹消登録を申請する場合は省略できますが、この場合でも実印が必要です。 |
ナンバープレート | ナンバープレートも必要であり、これは外して返納しなければなりません。 ナンバープレートはドライバーさえあれば簡単に取り外せ、自分でおこなえば工賃は抑えられます。 |
印鑑登録証明書 | 一時抹消登録では印鑑証明も必要であり、委任状とセットで提出する必要があります。 印鑑証明は住んでいる市町村の役場で発行できますが、使用できるのは発行後3カ月以内のものだけですので注意が必要です。 |
納付書 | 一時抹消登録には手数料がかかりますので、これを納めるための納付書も提出しなければなりません。 手数料の納付書は自分で廃車の手続きをおこなう場合に必要な書類ですが、 納付書は手続き当日に運輸支局の窓口で入手できますので、事前準備は不要です。 |
一時抹消登録申請書 | 一時抹消登録申請書も、自分で廃車の手続きをおこなう場合に必要な書類です(業者に依頼しておこなう場合は準備の必要はありません)。 これは運輸支局の窓口だけではなく、ネットからダウンロードも可能です。 そのため事前準備も可能ですが、基本的には窓口で当日入手・記入して提出で問題ありません。 事前に入手していても、書き方などを間違えてしまう可能性もありますし、当日窓口で入手して、間違いなく書きあげてから提出した方が無難でしょう。 |
自動車税・ 自動車取得税申告書 | 自動車税・自動車取得税申告書は、税金の還付を受けるために必要な書類です。 これも自分で廃車の手続きをおこなう場合に必要な書類であり、業者に依頼する場合は不要です。 自動車税などは廃車時に還付されますし、この書類はきちんと提出しなければなりませんが、地域によっては不要になる場合もあります。 提出が必要かどうかは手続きをする地域によって異なりますので、自分で手続きをおこなう場合は、窓口で確認しておくとよいでしょう。 |
永久抹消登録に必要な書類
廃車手続きの方法には永久抹消登録という廃車方法もあり、車の解体を前提とした手続きのことを指します。つまり、永久抹消登録の場合は名義を完全に消去して、解体・スクラップにより車でなくしてしまうための手続きですので、手続きを行うためには先に車を解体しなければなりません。
永久抹消登録に必要な書類 | |
車検証 | 一時抹消登録と同様に、永久抹消登録でも当然必要になります。 |
リサイクル券 | |
委任状 | |
ナンバープレート | |
印鑑登録証明書 | |
移動報告番号と 解体報告記録日 | 永久抹消登録の場合は、車の解体時に渡される「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモ書きが必要です。 |
永久抹消登録申請書 | 永久抹消登録の場合も、手続きには登録申請書が必要です。 手続きでは永久抹消登録申請書及び解体届出書が必要であり、これは業者に依頼する場合は不要となります。 これらの書類は手続き当日に運輸支局の窓口で入手できますので、事前の準備は必要ありません。 また他にも一時抹消登録と同じく、手数料納付書や自動車税・自動車取得税の申告書が必要ですので、これらも忘れないようにしましょう。 永久抹消登録の場合は、登録に手数料はかかりませんが、納付書に関しては提出が必要ですので注意しましょう。 |
罹災証明書 | 災害によって車がスクラップ、あるいはそれに近い状態になってしまうこともあります。 災害によって車が故障した場合でも永久抹消は可能ですが、この場合だと「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモ書きなどは発行されていませんので、代わりに罹災証明書が必要であり、これを提出することで車がスクラップになっていることを証明できます。 |
解体届出に必要な書類
廃車の方法は、大きく永久抹消登録と一時抹消登録の二つに分けられますが、さらに特殊なケースとしては解体届出という方法もあります。解体届出は一時抹消登録をしたのちに、解体をする方法です。解体届出も業者に依頼する場合もあれば、自分で手続きをおこなうこともありますので、それぞれのケースでどのような書類が必要になるのかを知っておきましょう。
解体届出に必要な書類 | |
移動報告番号と 解体報告記録日 | 解体届出の場合も事前に解体業者で車を解体する必要があります。 その際に渡される「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」のメモ書きを用意しておきましょう。 |
登録識別情報通知書 | 一時抹消登録を行なった際に発行される登録識別情報通知書が手続きの際に必要になります。 |
譲渡証明書 | 解体届出の際に登録識別情報通知書に記載されている所有者の名前と、現在の所有者が変わっている場合は、譲渡証明書が別途必要になります。 その際、新所有者の住民票なども必要になりますので、これらも忘れずに準備しておきましょう。 |
マイナンバーカード | 解体届出であれば解体を伴いますので、重量税の還付が受けられます。 還付を受けるためには永久抹消登録同様所有者のマイナンバーカードが必要であり、車検が1カ月以上残っていることが条件です。 |
廃車の手続きに必要な書類に関する注意
廃車の手続きにはさまざまな書類が必要であり、方法ごとに準備すべき書類は違っています。しかし、書類を準備する際の注意点については共通している部分もあるため、それらを知っておくことも大切です。廃車手続きは方法に関わらず、少しでも不備があると手続きはストップしてしまいます。スムーズに手続きを完了させるためにも、必要書類に関する注意点を正しく理解しておきましょう。
ナンバープレートがない場合は理由書がいる
廃車の際には、ナンバープレートを返納しなければなりませんが、盗難や紛失によって準備できない場合もあります。その場合は別途理由書が必要であり、これがナンバープレートの代わりになります。ナンバープレートそのものがない場合は、盗難、紛失などの原因に関係なく理由書が必要ですので、事前に準備しておきましょう。 盗難の場合は盗難届を出した際の受理番号なども必要になりますので、まずは警察に届け出をしなければなりません。
提出する書類に記入する時は消えないペンを使う
廃車時の書類は単に揃えるだけではなく、必要事項を記入してから提出しますが、この際使用できるのは黒のボールペンのみです。黒以外のボールペンは原則禁止ですし、鉛筆など消せるものもNGです。廃車は法的な手続きですし、第三者に改ざんされることのないよう、提出書類はボールペンで記入しなければなりません。 また、ボールペンでも消せるボールペンの使用は不可です。
車検証の住所が印鑑証明書と違う時は住民票が必要
廃車時には車検証と印鑑証明が必要ですが、それぞれの住所が違っている場合には住民票も用意しなければなりません。車検証と印鑑証明の住所が一致していなければならず、引越しなどで相違点がある場合は、住民票によって本人であることを証明する必要があります。住民票は発行から3カ月以内のもののみ有効ですので、期限切れにならないように準備しましょう。
車検証の氏名が印鑑証明書と違う時は戸籍謄本が必要
車検証と印鑑証明の住所が違う場合は住民票が必要ですが、氏名が違う場合は戸籍謄本が必要です。これも発行日から3カ月以内のもののみ有効ですので注意しましょう。また住所が違う場合でも、二回以上引越しをしている場合は、戸籍の附票が必要です。
所有者本人が申請する時は実印が必要
廃車手続きでは所有者の委任状が必要ですが、本人が手続きをおこなう場合は省略も可能です。代わりに実印が必要であり、これがなければ手続きはできませんので注意しましょう。また代理人が申請をおこなう場合は、所有者の認印でOKです。本人がおこなう場合は実印、代理人が申請するなら所有者は認印、さらに代理人自身も印鑑を用意すれば手続きはおこなえます。
ルールに従って書類を準備しよう
廃車手続きにはさまざまな方法がありますが、それぞれで必要な書類やルールは違っています。少しでも不備があると手続きはストップしてしまいますので、きちんとルールを覚えて進めなければなりません。廃車の手続きは面倒ですので、業者に依頼することもありますが、その場合でも必要書類は複数あります。業者に依頼すれば必要書類は少なく、手間もかかりませんが、手続きを丸投げできるわけではありません。自分でおこなう場合、業者に依頼する場合でも少なからず書類の準備は必要ですので、それぞれ必要なものを把握して、上手に廃車手続きをおこないましょう。
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