廃車

日本の廃車置き場事情について|車の在り方とは

使えなくなった車や解体処分前の車などは、廃車置き場に集められます。廃車置き場には、文字通りボロボロになった車が集まりますが、中にはまだまだ乗れる車も数多く存在しています。世界各国廃車置き場はありますが、とりわけ日本では乗れる車が廃車に出されていることが多いです。日本における廃車置き場の事情を知って、廃車への理解を深めていきましょう。

日本における廃車の定義について

そもそも日本における廃車の定義とは何かですが、基本的には廃車手続きをおこない、名義が抹消された車を指します。ボロボロになった車を廃車と考える人も多いですが、実際はそうではなく、書類手続きをしているかどうかが廃車の要件です。 もちろん廃車置き場には、破損がひどく買取ができないものも数多く置かれていますし、多くの人がイメージする状態の車も多いです。しかし、それらも基本的には書類手続きをおこなっていますし、書類上でも正式に廃車となっています。 廃車の定義は名義の有無ですので、手続きをおこなっていない放置された車検切れの車、スクラップにする車などは廃車には含まれません。

置き場にある廃車のその後について

並んでいる車

廃車置き場は単にゴミ捨て場のようになっているわけではなく、廃車した車を一時的に保管している場所です。置き場にある車はその後さまざまな方法で処分されますので、ずっと放置されているわけではありません。廃車置き場にある車はその後どのような運命をたどるのか、大きく2パターンに分けられますので、それぞれの行く末をみていきましょう。

解体され部品として流通する

廃車置き場にある車は、解体業者が解体し、部品として販売されます。廃車置き場には、きれいな状態で残っているもの、一部故障しているもの、大破しているものなど、さまざまな車が残っています。走行可能な車はごく一部ですが、故障していたとしても部品ごとにみればきれいなパーツは残っていますし、すべてのパーツが使用できない車はほとんど稀です。 水没していたり、原形を留めないほどに大破していれば別ですが、基本的には分解すれば何らかの部品は使用できます。分解した部品は国内だけではなく、海外でも販売されますし、流通先は幅広いです。

原料としてリサイクルされる

分解してもどうにもならない車でも、スクラップにすれば原料としてリサイクルが可能です。車はほとんどが金属でできていますし、再利用可能なものはすべて金属資源として活用されます。車としての機能が残っていないとしても、鉄くずとしての価値はありますので、リサイクルすれば新しい車の一部として蘇ります。

海外で日本の廃車の画像を見て驚く理由とは

日本の廃車置き場の様子をみれば、海外の人は驚きます。それは、日本の中古車は海外では高値で取引されており、廃車置き場にある車でもまだまだ使えるものが多いからです。アメリカでは25年(カナダは15年)ルールのおかげで、製造25年経った車はクラシックカーとして輸入できます。 日本では走行距離や年式などが重要視される傾向にあり、新車で購入して5年、10年が経過すれば古い車とみなして廃車にしてしまうことが多いです。海外ではそれくらいの型落ちであれば何ら問題視されませんし、現在では80~90年代の国産スポーツカーに高値がついているくらいです。 車の保有年数の考え方が日本と海外では違っているため、海外の人は日本の廃車置き場をみれば驚いてしまいます。

まだ乗れる車が廃車になる理由とは

日本ではまだ乗れる車であっても廃車にしてしまう人が多いですが、これにはさまざまな理由があります。単に新しい車にぽんぽんと買い替え、資源を無駄にしているわけではありません。日本では廃車のサイクルがなぜ早いのか、その理由を知っておきましょう。

国内での中古車取引価格と修理代の関係

まだ乗れる車が廃車にされる理由は、国内における中古車の取引価格が影響しています。海外では人気の国産車も、日本ではただの中古車ですし、古くなればなるほど価値は下がります。また古くなれば当然修理箇所も増えますし、修理代だけでもかなりの金額になってしまうこともあります。 修理代があまりに高すぎる場合は、売却して買い替えた方がよいですし、車の価値が高いうち、修理費がかさまないうちに売却しようと考え、廃車にする人が多いです。

車の部品の問題による

車は長く乗っていれば修理が必要なだけではなく、部品交換もしなければなりません。新車から購入して10年も経てば、さまざまな箇所の部品交換が必要になり、費用は高くつきます。また15年以上も経過すれば部品を探すのも難しいですし、必然的に部品代や作業工賃も値上げされます。 部品を探すのも難しく、費用としてもかなり高額になってしまいますので、部品交換が必要になったタイミングで廃車にする人は多いです。

CEV補助金も廃車が増えるひとつの要因

CEV補助金も、廃車が増える要因のひとつです。クリーンエネルギー自動車を購入することで、国や地方自治体から補助金、税優遇が受けられますし、維持費も格段に安くなります。 そのため古い自動車を乗り続けるより、新しい自動車に買い替えた方がお得だと考え、早いうちに廃車にして買い替えを検討する人が増えました。車は長く乗っていれば税金が高くなりますし、税金を考えて増額される前に買い替える人は多いです。

廃車置き場の車を所有する方法

廃車置き場にはまだ乗れる車もたくさんありますし、もったいないと感じる人は多いです。しかし、廃車置き場は解体業者などが保有している土地ですし、基本的には勝手に立ち入ることも禁止されています。また廃車されて名義がないからといって、勝手に乗ってもよいわけではなく、許可なく持ち出せば窃盗罪になるので注意しましょう。廃車置き場にあるからといって、自由に持ち出せるわけではありませんが、一部所有する方法はあります。

所有者からの譲渡による取得する

廃車置き場においてある車は、その土地を所有している人の持ち物です。そのため、土地の所有者とコンタクトを取り、譲ってもらえないか交渉をおこないます。個人間の交渉になりますので、購入金額なども言い値になりますが、上手く交渉すれば安く手に入る可能性もあります。 交渉が成立すれば、所有権が移ったことを証明するために、譲渡証明書を受け取らなければなりません。譲渡証明書を保有していないと、自分の持ち物と証明できず、場合によっては犯罪行為とみなされる可能性もあるので注意しましょう。

海外では価値のある車が日本では廃車になっている

廃車置き場にある車は価値が全くないわけではなく、むしろ価値の高い車も数多く放置されています。もちろん価値ある車は分解してパーツとして販売したり、金属資源としてリサイクルされますが、それでも海外では驚かれることも多いです。 日本の廃車事情は外国と比べても特殊ですので、日本ならではの事情を知り、廃車への理解を深めておきましょう。

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