愛車の処分方法としては、廃車が挙げられます。廃車は車の状態に関係なく、手続きによって完了させるものです。そのため自身の考えるタイミングで廃車はおこなわれますが、これをいつおこなえばよいのか分からず悩んでいる人は多いです。廃車の正しい定義を理解して、廃車を確定させるタイミングなどを学んでいきましょう。
目次
廃車を考える基本の定義
廃車は廃車手続きさえおこなえば、どんな車であっても可能です。廃車=ボロボロの車というわけではなく、単に手続き上だけの問題ですので、極端に言えば新車を購入後すぐに廃車にすることもできます。もちろん、まだまだ乗れる車を廃車にするのはもったいないですし、廃車には適切なタイミングがあります。廃車のタイミングはさまざまですが、どのようなときに廃車を考えればよいのかを知っておきましょう。
公道を走行できない車
そもそも廃車とはどのような車を指すのかですが、定義としては公道を走行できない車と言えます。公道を走行できない理由はさまざまで、ナンバープレートがない場合もあれば、解体処理済みなために、そもそも走行自体ができない場合もあります。 これは廃車手続きの方法によって異なりますが、どちらの場合でも手続きが完了した時点で公道は走れません。
車の寿命にあたる経年廃車
廃車手続きをおこなうのは、基本的には車が乗れなくなった場合です。車が乗れなくなる条件はさまざまですが、車の寿命にあたる経年劣化によって廃車する人は多いです。車の寿命は非常に長く、現在の国産車は30~40年以上乗れる場合もあります。 どの程度の劣化を寿命と感じるかも人それぞれですが、不具合などが起き始めた際に、寿命だと考えて廃車にする人は多いです。
高額な修理が必要な故障などによる余剰廃車
故障した場合でも、修理をすれば引き続き乗れますが、故障の程度や箇所によっては修理費が高額になってしまうこともあります。高額な修理が必要な故障などによる廃車を余剰廃車と言い、修理をするよりも買い替えた方がお得と判断して廃車にする人も多いです。長く乗ればその分故障箇所も増えますし、経年廃車とともに多い廃車のケースです。
事故や水没などによる事故廃車
事故や水没などによる事故廃車を考える人も多く、あまりに大きく故障した場合は修理ができず、走行不能と判断されることもあります。事故といっても程度はさまざまですが、場合によっては原形をとどめないほどに大破している可能性もありますし、修理しても元に戻らないことも多いです。 また水没の場合は電気系統が故障してしまい、修理しても不具合が頻発する可能性が高いです。事故の際には保険金が出ることも多いですが、それを修理費ではなく、買い替えの費用に充て、同時に廃車にすることもあります。
廃車登録の種類と確定について
車を廃車にする方法はひとつではなく、複数種類があります。どの方法で廃車にするかによって、手続き方法は違いますし、車の状態も異なります。廃車する際には、どの方法で廃車にするのかが非常に重要ですので、それぞれの方法と特徴の違いなどを理解しておきましょう。
一時的に使用を中断する一時抹消登録
廃車の方法としては、一時的に使用を中断する一時抹消登録というものがあります。これは車から名義を抹消するだけの手続きであり、申請すればもう一度乗ることが可能です。一時的にといっても、申請しない限りは車には乗れませんので、そのまま売却する人も多いです。 また売却せずにそのまま保有し続ける人もいますし、手続き後もそのまま車が残ることが大きな特徴と言えます。
二度と使用ができない永久抹消登録
一時抹消登録の場合は、車から名義だけを抹消しますが、永久抹消登録の場合は、名義を抹消するだけではなく、車を解体にして廃車手続きをおこないます。永久抹消登録をおこなうには、車両解体後15日以内の届出が必要であり、解体することを前提とした廃車方法です。 すでに解体をしてしまっているため、一度廃車にしてしまえば、再び乗ることはできません。車そのものが不要になった場合や売却しようにも買い取ってもらえない場合などに、永久抹消登録をおこなうことが多いです。
一時抹消登録後に再開しないときは解体届出
廃車の方法は、基本的には一時抹消登録と永久抹消登録の2つに分けられますが、例外的に解体届出という方法もあります。これは一時抹消登録後に、車の使用を再開しないときにおこなう手続きです。解体届出をするためには、一時抹消登録を終えた車を解体し、手続きを進めます。 一時抹消登録後に永久抹消登録をおこなうと考えれば分かりやすいでしょう。解体届出も永久抹消登録と同様に車の解体を前提としていますので、事前に車を解体し、解体の証明書などを手に入れなければなりません。また一時抹消登録をしていることが条件ですので、一時抹消登録をおこなった証明も必要です。
廃車後に還付される重量税と自動車税
車を使用するためには、さまざまな税金を支払わなければなりません。自動車税は1年分をまとめて支払いますし、重量税であれば車検の有効期限である3年や2年分をまとめて支払います。年度の途中や車検の有効期限内で廃車にした場合には、これらは払いすぎていることになりますので、廃車時に還付が受けられます。税金が還付されるにはさまざまな条件がありますので、それらを理解しておきましょう。
抹消登録の翌月分から還付の自動車税
毎年4月1日時点で車の名義を持っている人には、自動車税がかかりますが、これは廃車にすれば抹消登録の翌月分から月割計算で還付されます。自動車税の還付は廃車方法に関係ありませんので、一時抹消も永久抹消も同様に還付されます。 ただし、軽自動車は対象外ですので注意しましょう。軽自動車の場合は、軽自動車税となっていますが、これは少額のため、廃車にしても還付は受けられません。
車検の残日数が1ヶ月以上で還付の重量税
車検の更新の際には、数年分まとめて重量税を支払いますが、これも廃車時に還付が受けられる場合があります。重要税は廃車翌月時点で、車検の残日数が1カ月以上あれば還付が受けられます。これは軽自動車も対象であり、同じく廃車翌月から車検の残存期間に応じて還付金の受け取りが可能です。 ただし、重量税の場合は廃車の方法に条件があり、還付が受けられるのは永久抹消登録のみです。一時抹消登録の場合は、還付金はありませんので注意しましょう。
未払いの自動車税が発生している場合について
自動車税は、過去1年分なら滞納していても廃車手続きができますが、2年分滞納している場合は、1年分、あるいはすべてを納付しないと廃車はできません。また廃車にしたからといって、納税の義務は消滅しませんので、滞納しているなら廃車後も引き続き納付が必要です。
廃車確定についての知識を高め良い選択をする
廃車確定をする際には、さまざまな条件やタイミングがあり、いつどの方法で廃車にするのかが重要です。廃車のタイミングや方法次第では、得をする場合もあれば損をしてしまうこともあります。廃車についての知識をしっかりと深め、よりお得に愛車を廃車しましょう。