自動車にはさまざまな税金がかかりますが、実は条件によっては廃車時に税金が返ってくることもあります。払いすぎた税金は返してもらわなければもったいないですし、廃車時にきちんと返金の手続きをすることが大切です。廃車時に返ってくる税金について知り、いつ返金されるのか、どれくらい返金されるのかを知っておきましょう。
目次
廃車の税金を返してもらうまでの手順
廃車時には一部税金が返金されますが、還付を受けるためにはいくつかの手順があります。それぞれの手順を踏んで税金は還付となりますので、全体の流れを知っておきましょう。また、還付金の受け取り方法には種類がありますので、全体の流れと併せて、それも知っておくことが大切です。
運輸支局で抹消登録を行う
税金を還付してもらうためには、まずは運輸支局で抹消登録をおこなわなければなりません。税金が戻ってくるのは廃車にした場合のみで、廃車にせずに売ったり、処分した場合は税金は戻ってきませんので注意しましょう。 廃車を決めれば、自動車の抹消登録に必要な書類を運輸支局に持参して、廃車の手続きをおこないます。抹消登録は永久抹消登録と一時抹消登録の二つであり、どちらをおこなうかによって必要な書類は違うので注意しましょう。また、登録の種類に限らず、廃車をすれば税金は戻ってきます。
還付通知書が郵送されるのを待つ
廃車手続きをすればその場で税金が戻ってくるわけではなく、後日還付通知書が届きます。これは廃車後から大体1カ月後に郵送されます。還付通知書を受け取れば、それを銀行に持参し、還付金を受け取ります。還付金の受け取りの際には、還付通知書だけではなく、印鑑、身分証明書なども必要ですので注意しましょう。 還付通知書が還付金の受け取りには必須ですので、届いたらなくさないように大切に保管し、忘れないうちに素早く還付金をもらっておくことが大切です。
口座振り込み希望の場合は手続きが必要
税金の還付は還付通知書による金融機関での直接受け取りだけではなく、口座振り込みによる受取も可能です。口座振り込みを希望する場合は、自動車税を管理している事務所へ行き、指定口座への振込申請をおこなう必要があります。 振込申請をしていなければ、通知書が送られてきて直接受け取りになるので注意しましょう。口座振り込みの場合は申請さえしていればスムーズに還付金を受け取ることができますし、銀行に行く手間も省けますのでおすすめです。
廃車の時に戻ってくる税金
廃車をすれば税金が戻ってきますが、実は戻ってくる税金はひとつだけではありません。自動車にはさまざまな税金がかかっていますので、廃車をすれば複数の税金の還付が受けられます。もちろん、すべての税金が還付されるとは限りません。税金ごとに還付が受けられる条件がありますので、それぞれの条件を確認しておきましょう。
廃車時期により自動車税が還付される
廃車時に還付される税金としては自動車税があり、返金額は廃車時期によって異なります。自動車税は月割り計算で一年分を支払っていますので、廃車の翌月から3月までの期間によって返金額が決まります。たとえば5月に廃車をすれば、翌月の6月から翌年の3月までの税金を月割り計算し、還付されます。 自動車税は毎年4月1日にかかりますので、3月に廃車した場合は翌月以降の支払い分がなく、還付金は0となります。
永久抹消登録すると自動車重量税も還付
廃車の方法には永久抹消登録と一時抹消登録がありますが、どちらの場合でも還付が受けられるのは自動車税についてです。自動車重量税については、永久抹消登録時のみの還付となっています。自動車重量税は廃車から車検までの期間が何カ月残っているかによって、還付金額が計算されます。 車検の残存期間が長ければ長いほど還付金は多くなり、反対に期間がほとんど残っていなければ還付金も少額になります。
廃車の税金還付に関する注意
廃車をすれば払いすぎた税金については還付されるのでお得ですが、還付を受ける際にはさまざまな注意点があります。還付が受けられるからといって必ずしも得をするとは限らず、廃車の時期によっては損をすることもあります。税金還付には注意しなければならない点が複数ありますので、それらも正しく把握しておきましょう。
軽自動車は還付されない
廃車手続きをすれば、永久・一時どちらであるかに関わらず自動車税が還付されますが、軽自動車の場合は自動車税は還付されません。そもそも軽自動車は自動車税ではなく、軽自動車税というものがかかっており、普通車とは扱いが異なります。 自動車税の場合は月割計算ですので、廃車時期に応じて月割り分が返金されますが、軽自動車税の場合は月割りはなく、年間一律で税金が決定します。そのため4月に廃車にしてしまうと、一年分の税金を損してしまうことになるので注意しましょう。
4月をまたぐと税金が発生してしまう
自動車税は毎年4月1日時点で車を所有している人に課税されます。そのため3月31日までに廃車の手続きを完了させないと、一年分の自動車税が課せられてしまうので注意しましょう。 ただし、軽自動車に関しては例外として4月1日までに廃車手続きが完了すれば、軽自動車税はかかりません。どちらの場合でも、たった1日でも過ぎれば一年分の税金がかかることは覚えておきましょう。
滞納している場合は早めに支払う
自動車税は4月1日に発生し、5月の上旬頃に納付書が届きます。納付書を持って金融機関などに出向き、税金を納めなければならず、納付期限は5月31日と決まっています。期限を過ぎれば滞納となりますが、自動車税を滞納していても廃車自体は可能です。 しかし、廃車にしても納税の義務がなくなったわけではありませんので、手元に車がなくても滞納分は追納しなければなりません。また、二年以上滞納している場合は、廃車にできない可能性もあるので税金は素早く支払いましょう。
地方税を滞納していると還付金がもらえない
廃車をすれば自動車税は還付されますが、地方税を滞納している場合、自動車税の還付金は滞納している分に充当されてしまいます。自動車税も地方税に該当しますので、滞納分を充当し、残った部分のみ受け取りが可能です。 そのため、充当されて滞納分が消滅し、受取金額は0になる場合もあります。また滞納額が大きければ還付を受けてもまだ納税義務は残りますので、自動車税に限らず、税金は滞納することなくきちんと支払わなければなりません。
廃車のタイミングを見極めて税金を節約しよう
自動車は廃車すれば税金の還付を受けられますが、返金額は廃車のタイミングによって違います。タイミングによっては得をする場合、損をする場合がありますので、適切な時期を知って上手に廃車し、お得に還付金を受け取りましょう。