車をお得に手に入れるには、中古車を狙うのがおすすめです。新車だと購入価格が高く、手が届かない場合でも、中古車なら値下げされており、手を出しやすい場合も多いでしょう。また、もともとの価格が安いなら、さらにお得に手に入れることができ、低コストで車を購入できます。 中古車は経済的な魅力が大きく、購入するメリットもありますが、反面中古車ならではのデメリットや注意点があることも忘れてはいけません。損なく上手に購入するには、購入に必要な情報をしっかり集め、徹底した事前準備を行うことが大切です。中古車購入時に知っておくべき情報を身につけ、理想の車をお得に手に入れましょう。
目次
中古車購入に当たって注意すること
中古車は購入するメリットもありますが、上手に選ばないと失敗し、損をする可能性もあります。損なく車を選ぶには、中古車に関する基本的な知識を身につけ、注意点を守って車を探すことが大切です。中古車の情報を間違って把握していると、失敗する可能性が高いため、注意点は正しく理解し、中古車の知識を深めましょう。
新車と中古車の違い
中古車を購入する際には、まずは新車と中古車の違いを理解しなければなりません。新車とは新しい車で、名義登録をされていない車を指します。名義登録を行い、所有者に引き渡された時点で、どれだけ綺麗な状態でも区分上は中古車です。 そのため、新車を購入した場合でも、手に入れた時点から中古車になることは理解しておきましょう。中古車はすでに名義登録がされ、誰かが乗った経歴のある車です。新車と中古車の違いは名義登録の有無もありますが、それだけではなく在庫の違いもあります。 新車の場合、メーカーが生産する限り在庫の確保は可能であり、店頭にない場合でも購入できることがほとんどです。しかし、中古車の場合、ユーザーが手放さない限り在庫が生まれないため、場合によっては欲しい車が市場に存在しない可能性もあります。中古車はリーズナブルに購入できる反面、新車より選択肢が狭くなりやすいことは理解しておきましょう。
年式と走行距離の関係
中古車を購入する際には、車の状態の確認が必須で、「年式」と「走行距離」をチェックします。年式と走行距離には深い関係があり、基本的には1年で1万kmが目安です。年式×走行距離=○kmになるかは重要なポイントであり、1年1万kmの目安を超えている場合は過走行車に該当します。 過走行車はハードに使用されていることから消耗が激しく、劣化が進んでいる可能性も高いため注意が必要です。また、目安よりも走行距離が少なすぎる場合も、エンジン性能が劣化している可能性があります。 年式に対して走行距離があまりにも短いと、ほとんど車を動かしておらず劣化が進んでいる、あるいは長年放置され、メンテナンスされていない可能性もあるため注意しましょう。
前のオーナーはどんな乗り方をしていたのか
中古車の状態は前オーナーの使い方に大きく影響されるため、どのような乗り方をしていたのかは確認が必須です。目視や試乗でメンテナンス状況をチェックするのはもちろん、整備点検記録簿があるなら、それもチェックしておきましょう。 整備点検記録簿は、これまでのメンテナンスの状況を記載したもので、車の状態を把握するのに役立ちます。メンテナンスがほとんどされていない、あるいは整備点検記録簿自体がない場合は、状態が悪い可能性が高いため、購入には慎重にならなければなりません。状況を確認し、丁寧に使用されているなら、購入メリットは大きいでしょう。
中古車の車検の有無
中古車の場合、車検の有無も車によって異なるため注意が必要です。車検期間が残っているなら、購入後すぐに使用を開始できます。ただし、残り期間が短いと、買ってすぐに車検を通さなければならず、費用がかかることは理解しておきましょう。 車検がない場合は、購入後に車検を通してから使用を開始できます。購入の契約をしてから車検を受け、納車になるため、使用開始まで時間がかかりやすいです。また、車や業者によって車検の扱いは違い、車検を通して納車される場合、購入後自身で車検を取得する場合に分けられます。 車検の有無はもちろん、購入後に自身で車検を通す必要があるのかも確認しましょう。基本的には車検が残っているほうが価格は高く、車検切れで自身で車検を行う場合がもっとも安いです。
中古車の保証の有無
保証の有無も重要なポイントであり、中古車でも保証は付けられます。年式の新しい車なら、新車保証の期間が残っている場合もあります。また、新車保証が切れている場合でも、保証はつけられ、最低でも2年はつけておくと安心でしょう。 中古車の保証は販売店ごとに扱いが違い、店舗によっては保証をつけてもらえないこともあります。車ごとに品質が左右されやすい中古車だからこそ保証は重要であり、可能な限り保証がつけられる販売店を選び、充実した内容をつけてもらうのがおすすめです。
リセールバリューの考え方
リセールバリューとは、購入した車を手放す際の買取金額です。車を購入するなら、手放すことまで含めて価値を考えることが大切ですが、中古車は購入価格が安いため、リセールバリューも低くなりやすいです。そのため、それほど重要視する必要はなく、少しでも値がつけばよいと考えましょう。 中古車の価格は「市場の需要」と「車の状態」によって決まり、古くなるほどに人気はなくなり、状態も悪くなるため価値は下がります。「人気」「走行距離」「年式」の3点がリセールバリューを考える際のポイントであり、中古車を少しでも高く売りたいなら、状態のよいうちに早めに手放すことが大切です。 また、売却することを考えず、価値がなくなるまで乗り潰すのもひとつの方法です。リセールバリューを考え、短期間で乗り換えるのか、ひとつの車を長く使って乗り潰すのかも、購入時には考えておきましょう。
中古車の選び方
中古車は車ごとに性能だけではなく状態も違うため、選び方には注意が必要です。同じモデルでも、前オーナーの使い方次第では品質が大きく異なり、一方はお得、他方は損をすることもあり得ます。損をしないためには正しい選び方を知ることが大切です。上手な選び方を知って、よりよい状態で自分に合った車を見つけましょう。
どのくらいの距離を走行するかによる選び方
車を購入する際には、おおよその走行距離を考え、選ぶことが大切です。毎日通勤でハードに使うのか、週末にドライブをするだけに使うのかで、選ぶべき車は違ってきます。毎日ハードに使うなら、年式は新しく、走行距離も少ないものがよいでしょう。 反対に週末だけやたまにしか使わない場合は、多少使い古したものでも問題はありません。走行距離を確認する場合は、5万km、10万km、15万kmが目安です。 5万km程度ならまだまだ問題なく走れ、10万kmもメンテナンス次第では充分使えます。15万kmを超えると、よほど丁寧にメンテナンスをしていないと、すぐに潰れる、あるいはすでに走行性能が劣化している可能性があるため注意が必要です。 かつては10万kmが寿命と言われていましたが、現在では品質がよく、10万kmなら問題なく走るものも多いです。どれくらいの距離を走るのかを考えて、使い方に見合った走行距離のものを選びましょう。
何年くらい乗るかによる選び方
使用する期間も購入時には重要なポイントであり、何年乗るかはある程度明確にしておきましょう。中古車でも状態のよいものなら長年乗れるため、長期間乗りたい人は年式が新しく、状態のよいものがおすすめです。反対に短期間で乗り換えるなら、多少年式が古くても問題はありません。 ただし、リセールバリューまで含めて考えるなら、短期間で乗り換える場合でも、比較的新しく、状態のよい車を購入するのもひとつの手です。中古車でも新しいモデルで状態がよいなら、それなりの値段で売却できます。「乗る期間」と「リセールバリューがどれくらい必要か」を考えて、選ぶことが大切です。
家族の人数による選び方
乗車人数から選ぶのもおすすめであり、家族の人数や将来的な変化も視野に入れましょう。現在夫婦だけでも、数年後子供が生まれることを考えると、少し大きめの車を買うのがおすすめです。また、反対に子供が成人して家を出て、乗る人数が減るならサイズダウンを考えることも大切です。 乗車人数の数はライフスタイルの変化によっても変わってくるため、数年おきに乗り換えることも検討しながら、その時に最適な大きさの車を選びましょう。
どんな目的で車を使うかによる選び方
車を選ぶ際には使用用途も重要であり、何に使うかで必要な機能は異なります。アウトドアを中心に使うなら、「大容量」「悪路の走行が可能」などの機能が必要です。 普段使いだけなら、「乗り心地」「小回りが利くか」「燃費性能」などが求められるでしょう。用途によって適切な車は違うため、どのような目的で使用するかも考慮し、必要な機能を絞って選びましょう。
どれくらい綺麗な車が欲しいかによる選び方
性能には関係しない細かい傷の有無も、中古車の価値を決める重要な要素です。どれくらい綺麗な車が欲しいかを決めるのもポイントで、傷あり、傷なしで選びましょう。また、傷ありの場合でも、どれくらいなら許容できるか、ある程度範囲を決めることが大切です。 中古車の場合、どれだけ丁寧に使っていても多少の傷は残るため、まったくの傷なしを見つけるのは難しいです。また、傷が少なく、目立たないものほど、購入価格が高くなることは理解しましょう。
安さ重視の場合の選び方
中古車は車をリーズナブルに購入できることが最大の魅力のため、安さを重視して選ぶのもおすすめです。安さを重視するなら、年式が古く、走行距離が長い、かつ不人気の車を選ぶのがポイントです。条件を落とすことで値段はどんどん下がり、新車時の半額以下になることも少なくありません。 ただし、条件を落とし過ぎると状態が悪く、購入後にメンテナンスが必要で、結局費用がかさむ可能性もあるため注意が必要です。年式や走行距離の条件を落とす場合も、10年で10万km以内をひとつの目安にしましょう。また、年式は2回目の車検が終了した7年目以降を迎えると、価格がぐっと落ちやすいため、そこを狙うのもおすすめです。
中古車の相場
中古車は安く買えるといっても、車ごとに価格は違い、同じ車でも状態や販売する業者によって金額は異なります。損なく選ぶには、中古車の相場を把握することが大切です。特に明確に欲しい車が決まっている場合は、必ず事前に相場価格をチェックし、粗悪で高値のものを掴まされないようにしましょう。
中古車のコストパフォーマンス
中古車はコスパも考えて購入することが大切なため、購入価格だけではなく、「維持費」も考慮しましょう。安く買えても維持費が高いと、結局損をする可能性もあります。 コスパを測るには「年式」「走行距離」「グレード」「購入価格」「燃費性能」などを参考にするのがおすすめです。何か一点で決めるのではなく、複合的に価値を判断し、本当にお買い得かを見極めましょう。
中古車の価格区分と車の状態
中古車を上手に購入するには、事前に予算を決めるのもおすすめです。予算に適する中古車の区分、状態を知り、どれくらいの金額で何が買えるのか知っておきましょう。
50万円を目安とした中古車選び
50万円が目安の場合、軽自動車やコンパクトサイズの車が中心です。小回りが利き、運転がしやすく、かつ燃費性能もよいのが特徴です。ただし、基本的には小さい車がメインのため、ファミリー向けの大型車は探すのが難しいでしょう。 念入りに探せばないわけではありませんが、状態が悪いものも多く、大型車を買うならもう少し予算を上乗せしなければなりません。
100万円を目安とした中古車選び
100万円が目安の場合、セダンや年式の落ちたミニバンなど、高級モデルからファミリー向けの車まで購入可能です。また、コンパクトカーの中でもグレードの高いモデルも選択肢に含まれるため、比較的選びやすいでしょう。
150万円を目安とした中古車選び
150万円が目安の場合、大型ミニバンやSUVなど、高価でシーン別の価値が高い車が購入できます。また、ハイブリッドカーも選択肢に含むことができ、状態と性能、両方優れた車が選べるでしょう。
激安中古車の価格
ある程度選択肢を持ちたいなら、50万円程度は予算があったほうがよいですが、中には10~30万円程度で買える、激安の中古車もあります。基本的には価格の安い軽自動車やコンパクトカーが対象ですが、その中でも状態の悪いものが増えるため注意が必要です。 年式10年以上、10万km超えの車は大幅に値引きされるため、安く手に入る可能性があります。少ない予算で購入できるのが魅力ですが、ものによっては維持費が高く、すぐに故障する可能性もあるため注意が必要です。激安になるには必ず理由があるため、大幅な値引きがされている根拠は何かを知り、状態を細部まで把握してから購入を決めましょう。
中古車価格の季節要因
中古車の価格は季節によっても変動し、需要が高まるシーズンは設定価格が高く、大幅な値引きが期待しづらいため注意が必要です。もっとも購入者が増えるのは、新生活が目前に迫った2~3月であり、この時期の購入はできるだけ避けましょう。 需要が落ち着くと、各社一斉に値下げを始めるため、安くなり出したタイミングを狙うのが重要です。同じ条件の車でも、季節によって価格が変動することもあるため、購入時期も考慮しましょう。
おすすめの中古車
ひとくちに中古車といっても、種類は幅広いですが、その中でもおすすめのものはあります。ただし、おすすめといっても全員の希望に一致するとは限らず、何を求めるかによって適する車は異なります。おすすめを参考にして、自身が求めるものと条件が一致するものは何か、確認しておきましょう。
車のタイプによるおすすめ中古車
車のタイプ別におすすめの車はあり、どのタイプがよいかも人によって異なります。欲しいタイプが明確に決まっていない場合は、まずはどのようなタイプがあるのか情報を仕入れ、選択肢を広げましょう。
軽自動車のおすすめ中古車
軽自動車は操作性や燃費性能の高さが魅力で、新しいものは中古車でも人気が高いです。特に年式が5年以内のものは人気が高く、高値で取引されています。費用を重視するなら、年式は5年目以降を狙い、型落ちのタイプを選ぶのがおすすめです。 また、性能面を重視したいなら、できるだけ最新モデルを選んだほうがよいでしょう。モデルはひとつ違うだけで性能も大きく異なります。特に燃費性能はひとつ違いで格段によくなることも多いため、軽自動車は性能面まで重視して選ぶことが大切です。
セダンのおすすめ中古車
セダンは高級車モデルで新車価格は高いですが、中古車市場では不人気であり、お買い得なものも多いです。セダンを買うなら、性能面だけではなく、モデルの違いにも注目しましょう。 セダンはモデルごとの価格差が非常に大きく、ひとつ前のモデルというだけで、大幅に値下げされていることも少なくありません。高級車モデルでどれも乗り心地がよく、性能も高いため、価格の安さに注目して決めるのがおすすめです。
コンパクトカーのおすすめ中古車
コンパクトカーも軽自動車同様に操作性、燃費性能が高く人気です。軽自動車との違いは、コンパクトカーのほうが走行性が高い点にあり、運転そのものを楽しみたい人にはおすすめです。少人数向けの車のため、通勤や普段の買い物など、日常的な使用に向いています。 人気のため価格が落ちづらいですが、長く乗るのに最適なため、年式が新しく、走行距離が短いものを買うと、コスパのよい買い物ができるでしょう。
外車のおすすめ中古車
新車ではなかなか手が出せない外車も、中古になると一気に値段が下がります。特に型落ちすると大幅な値引きが期待できるため、安く購入したいなら古いモデルを選びましょう。外車は国産車に比べると消耗品の劣化が早く、こまめなメンテナンスが必要です。 これは設計上の問題であり、メンテナンスを前提に作られているため、仕方ありません。消耗品のこまめな交換が必要な分、基幹部品は強く、手入れ次第で長持ちするため、維持費の高さも考え、購入価格はできるだけ安いものを選ぶのがおすすめです。
SUVのおすすめ中古車
SUVは新車価格が高いため、中古車でも値段は高いです。大幅な値引きを期待するのが難しく、モデルによっては予算150万円でも買えないこともあります。高いものだと中古車でも200万円以上する場合もあるため、購入しやすさを考えるなら、コンパクトタイプのSUVを狙うのがおすすめです。SUVでもコンパクトタイプなら比較的手を出しやすく、150万円以内で買えるものも多いでしょう。
人気車と不人気車
中古車購入の際には、人気車と不人気車の選び分けも重要で、コスパを考えるなら不人気車がおすすめです。不人気になる理由は車によって違い、デザイン性やメーカーの販売戦略の失敗など、性能に関係しないことが理由の場合もあります。 性能面以外で不人気になっている場合は、人気車と遜色ないスペックを備えていることも多く、かつ購入価格も非常に安いです。一部性能が理由で不人気になっているものもあるため、事前に情報を手に入れる必要がありますが、選び方さえ間違えなければ不人気車はおすすめです。
モデルチェンジと中古車価格の関係
中古車の価格はモデルチェンジによる影響も大きく、モデルチェンジ直後は、旧モデルは値下げされやすいです。ほぼ同じ条件でも、新モデル発表前と後で値段が大きく異なることもあるため、最新モデルの情報はチェックしておかなければなりません。 ただし、モデルチェンジ後、最新モデルが不評の場合は、前モデルが再評価され、価値が高くなるケースもあるため注意が必要です。基本的には現行最新モデルが人気で、旧モデルの中古車は安くなりますが、一部例外があることは理解しておきましょう。
ディーラー保有の中古車
ディーラーは新車の販売だけではなく、中古車の販売も行っています。ディーラーが販売する中古車は「下取り」「新古車」のどちらかであり、それぞれ状態はよいです。下取り車は状態のよいものに限定して引き取るため、中古車であってもほとんど品質に問題はありません。 新古車はディーラーが販売実績を上げるために、名義登録だけを行った車です。試乗車に使われていることもありますが、状態はほとんど新車と同じで、これも品質には問題ありません。 ディーラー保有の車はもともとの状態がよく、かつ整備も念入りに行われているため、中古車でも品質が高いです。高品質な分価格も高いですが、中古車を安心して買いたい人にはおすすめです。
事故車の中古車について
中古車は状態のよいものから悪いものまで幅広くありますが、中には事故車も存在します。事故車とは、事故や災害によって故障、損傷した車であり、修理はしてあるものの、不具合が残っていることが多いです。事故車も選択肢のひとつですが、注意すべき点も多いため、正しい理解を持っておきましょう。
事故車の見分け方
事故車を見分ける際には、パーツの接合部分に注目しましょう。わずかでもずれがある場合は、事故で大きく破損している可能性が高いです。また、ドアやトランクなど、隙間が左右で均一でない場合も、事故車の可能性が高いです。 細部でチェックすべき点は、ボルトやねじが挙げられ、これらが上から塗装している場合は、一度交換しているため、修理している=事故車の可能性があります。事故車かどうかは販売員に聞くのが一番ですが、業者によっては教えてくれない場合もあるため、自身でも見抜けるようにしておきましょう。
購入を避けるべき中古車
ひとくちに事故車といっても、車ごとに損傷の状況は違います。事故車の定義は事故や災害で損傷した車のため、ほんの少し傷ついただけでも事故車、大破するほど大きく損傷した場合でも同じ事故車と定義されます。 事故車自体は値下げされていることも多く、ものによってはお買い得な場合もあります。しかし、一方でどれだけ安くても避けるべき車もあるため、特に注意が必要な事故車の存在を知っておきましょう。
修理歴車は避ける
事故車の中でも、修復歴を持つ修復歴車は避けたほうが無難です。修復歴は車の骨格部分を損傷し、修理した際につきます。骨格部分は修理しても完全に直らないため、何らかの不具合を抱えていることが多いです。内部に故障を抱えていたり、まっすぐに走れなかったりするため、購入するリスクは高いでしょう。 見た目には綺麗でも、いつ不具合が発生するか分からないリスキーな車のため、どれだけ安くても購入はおすすめできません。
水没車は避ける
大雨や洪水によって冠水した水没車も、購入するのは危険です。水没車はエンジンや電気系統など、基幹部分が故障しています。特に電気系統の故障は致命的で、一度直してもいつ故障するとも分かりません。場合によっては購入してすぐに故障することもあり、走行中に突然故障して、事故を招く危険性もあるため、水没車は避けましょう。
雪害車や塩害車は避ける
雪害車は雪による被害で故障した車、塩害車は潮風の影響を受け、劣化した車を指します。これらはそれぞれ避けるべき車であり、故障や劣化の原因は違うものの、どちらも主要な部分に錆が発生している可能性が高いです。 錆は腐食して部品に穴を開けるだけではなく、時間の経過によって広がり、二次的な被害を引き起こします。腐食した部品は修理ができず、部品の取り換えとなり、メンテナンスの費用は高くなるでしょう。特に主要な部分は部品交換も費用が高く、走行性能にも直結しやすいため、避けたほうが無難です。
中古車購入の流れ
中古車をスムーズに購入するなら、購入までの全体の流れを知っておくことが大切です。大まかに説明すると、欲しい車を探し、選び、購入契約の締結で購入は完了しますが、これらの流れの中にはこまかな手続きやポイントがあります。細部の流れまで理解し、スムーズに購入するための情報を身につけて、上手に購入しましょう。
中古車の予算と車種の決定
購入する車を決める際には、いきなり店舗に行くのではなく、まずは予算と車種を決めることが大切です。中古車とは言えども、車は大きな買い物のため、失敗しないためには、入念に準備しなければなりません。 欲しいものが明確に決まっていないと、どれがよいのか分からず悩むだけで終わったり、直感で決めて後悔したりする可能性が高いため注意が必要です。 予算と車種はどちらから先に決めても構いません。予算を決め、それに該当する車種を選ぶ、あるいは欲しい車種を決めて、相場価格から予算を算出するのもよいでしょう。予算を決める際には、購入価格だけではなく、購入時の諸経費や維持費も考慮すると、より後悔のない選択がしやすいです。
必要な装備や条件による絞込み
必要な装備や条件がある場合は、それらも踏まえて選択肢を絞り込みましょう。人によって求めるものは違うため、一般的に必要とされるものではなく、自身が本当に必要と感じるものを基準に選ぶことが大切です。 装備は基本搭載されているものだけではなく、オプションでつけられるものもあるため、それもチェックしておきましょう。条件面では、年式や走行距離の目安を決めるのがおすすめです。
いくつかのタイプの中古車を選ぶ
「予算」「車種」「装備」「条件」を決め、それらと一致するタイプをさらに絞り込みます。このとき、すべての要素に一致するものだけに限らず、少しでも近いものがあるなら、それも選択肢に含めることが大切です。 中古車は新車と違って売りに出されているかどうかが重要なため、希望の条件がすべて満たされるとは限りません。希望と完全に一致する場合は素早く押さえ、一致しない場合はどこまでなら希望を下げられるか、妥協点を探ることも考えましょう。
在庫の確認
欲しい車の目星をつけた後は、在庫を確認します。在庫は店舗だけではなく、ネットで確認できます。事前にネットで確認して在庫があることを確かめ、それから店舗に行くと、購入までもスムーズでしょう。 ただし、ネットの情報は常に更新されるため、タッチの差で買い手がつく可能性もあります。在庫を確認した後は、店舗に電話をして押さえてもらうと買い逃しを防げます。
実車の確認
在庫をチェックした後は、すぐに購入を決めるのではなく、必ず実車のチェックを行いましょう。ネットでは写真でしか情報を確認できないため、細かい状態まで知ることはできません。必ず実物を見て、細部まで状態を見てから購入を決めることが大切です。
販売店へ行って実物の車をチェックする
店舗で実車を確認する際には、「内装」「外装」ともに詳しくチェックしましょう。内装に傷や汚れはないか、備品は揃っているか。外装にゆがみはないか、大きな傷や汚れはないかは確認が必須です。この時合わせて事故車かどうか、修復歴の有無なども聞いておきましょう。
試乗して乗り心地をチェックする
実車の確認は目視だけではなく、実際に試乗することも大切です。運転時の乗り心地はもちろん、走行性能に問題はないかも確認しておきましょう。走行性能は見た目だけでは判断できないため、必ず試乗することが大切です。実際に乗ってみることで、運転時の視界やハンドル、アクセル、ブレーキの重さなどを確認でき、リアルな情報を手に入れられます。 試乗して気に入らないと感じることもあるため、後悔のない買い物をするためにも、多少時間を使ってでも試乗は必須でしょう。
中古車の購入契約を締結する
車を確認し、納得がいった場合は購入契約を締結します。中古車の購入契約は、納車か使用者登録の時点で成立するため、契約成立のタイミングがいつかは把握しておきましょう。契約が締結すると、基本的には破棄はできません。 契約破棄の場合はキャンセル料の支払いが必要になるため、事前に金額を確認し、後で気持ちが変わらないことを確認してから、契約書にサインしましょう。
支払い及び納車
購入契約時に、支払いや納車の方法、日時も確認します。支払いの方法や金額は口頭での合意ではなく、必ず契約書に明記してもらいましょう。口頭での合意だけだと、後から金額を変えられても文句を言えない可能性が高いため、やりとりは必ず書面に残すことが大切です。 支払いは現金かローンで、ローンの場合は金利や支払い条件の確認も必須です。納車の日時や方法も確認が必須で、自身で店舗まで取りに行くのか、自宅まで届けてくれるのかは聞いておきましょう。
中古車の返品は可能か
通常購入したものは所定の期間内ならクーリングオフを適用し、返品が可能ですが、車にはクーリングオフが適用されません。これは中古車でも同じで、契約時の情報と大幅な違い、あるいは嘘の表記があった場合以外は、原則返品はできないと考えましょう。 業者側に明らかな過失があるなら契約を解約し、返品は可能ですが、自己都合での解約はできず、キャンセル料の支払いといったペナルティが発生します。
中古車購入にあたって準備しておくこと
中古車は購入契約を結ぶだけで手に入るわけではなく、事前に準備しなければならないものも多いです。また、契約を結ぶために必要なものもあるため、スムーズに手続きを進めるためにも、事前準備は徹底しておきましょう。
中古車購入の必要書類
中古車の購入時には契約書類が必要であり、普通自動車と軽自動車で異なります。普通自動車の場合、以下の書類が必要です。
- 実印
- 印鑑証明書
- 車庫証明書
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 委任状
また、軽自動車の場合、以下の書類賀必要です。
- 住民票
- 印鑑
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 委任状
共通する部分もありますが、軽自動車のほうが書類の数は少なく、準備も簡単です。
駐車場の手配と車庫証明書
車を保有するには駐車場が必要であり、駐車スペースがあることを示す、車庫証明書を取得しなければなりません。車庫証明書の取得手続きは、業者で代行が可能であり、手数料は2~3万円程度です。 また、自身で手続きも可能であり、駐車場の住所を管轄する警察署で入手できます。軽自動車の場合、例外を除いて車庫証明書は不要であり、購入までの流れも手間が少ないです。
自動車保険への加入
強制保険の自賠責保険ではなく、任意の自動車保険に加入する場合は、納車前までに手続きを済ませておきましょう。保険の手続きは保険会社だけではなく、中古車販売店で購入契約時に行うことも可能です。 購入契約と一緒に保険も加入しておくと、加入期間に空白ができることもなく、より安心して車を使用できるでしょう。もちろん、自動車保険は任意のため、不要な場合は無理に加入する必要はありません。
印鑑証明書の手配
中古車の購入には印鑑証明書が必要であり、印影の登録が済んでいない場合は、まずは登録から行いましょう。印鑑証明書は、自動車の登録と名義変更の手続きで必要です。 通常は1枚で構いませんが、中古車購入時に古い車を下取りしてもらう場合は、2枚必要なため注意しましょう。また、印鑑証明書が必要なのは普通自動車だけです。軽自動車の場合は不要で、印鑑も認印で構いません。
中古車でお得なカーライフを楽しむ
中古車は車をお得に手に入れたい人におすすめですが、新車と違って本当に欲しいものが手に入るとは限りません。売りに出されている車には限りがあり、理想の車が見つかるかは多少運の要素もあるため、こまめに情報を仕入れ、根気よく探すことが大切です。理想の車を見つけた場合も、焦らず慎重に確認しましょう。 失敗しないためには、必ず実車を確認し、納得してから購入することが大切です。中古車をお得に買うには、情報収集がカギになるため、欲しい車は念入りに調べ、条件に合う理想の車を購入して、お得にカーライフを楽しみましょう。