自家用普通自動車の場合、新車購入から3年が経過するタイミングで継続車検を受ける必要があります。継続車検を受ける方法は、車検代行業者やディーラーに依頼するほか、ご自身で車検の検査場に行って受検する方法もあります。
こちらでは、ご自身で車を車検場へ持ち込みユーザー車検を受けるにあたって、浮かぶ疑問や質問をまとめて詳しく解説します。
目次
ユーザー車検とは
車の使用者が、ご自身で自動車検査手続きを受ける方法のことをユーザー車検と呼びます。最寄りの車検を受けることができる検査場を調べて予約し、車の所有者(または使用者)本人が、検査場で検査を実施するため、車検費用を最も抑えられる方法といわれています。
ユーザー車検の前に
ユーザー車検をする前に、まず定期点検・整備を実施しておきましょう。必要な点検項目は、自動車点検基準で取り決められています。点検・整備については、ユーザーだけでは整備が難しい項目もありますので、できない点検項目については整備工場へ依頼します。
定期点検整備ができたら、当該車に備え付けの点検整備記録簿のチェックポイントに従って記載します。この定期点検・整備については検査後でも問題ありませんが、車検前に受けておくと、車検を受けてから整備不良で不合格になってから点検・整備をする、ということはなくなり無駄を省くことができます。
ユーザー車検の流れ
ユーザー車検を受けるとなったら、まずは検査場の予約から開始します。継続車検時にご自身で点検・整備を実施する場合は、受検日を決定次第、検査場の予約を行う必要があります。検査場の予約は2週間前からできます。車検が切れてしまうと公道を走行するにも仮ナンバー許可証の発行をしなくてはならず、手間が増えてしまいます。ユーザー車検では、不合格時の再検査が発生する可能性もありますので、余裕をもって車検切れまでに受検を終えることができるよう早めの予約を心がけましょう。
- 予約ができたら、検査当日に必要書類を持って検査受付へ
- 検査受付窓口で書類を提出し検査場へ
- 検査場で指示を受けた検査コースの表示に従い検査を進める
- 検査コースを一通り終えたら、検査結果の確認
- 結果合格の場合は、継続検査受付窓口で新しい車検証・標章ステッカー等を受け取る
整備不良等で不適合(不合格)となった場合は、不合格になってしまった項目を改めて整備・点検して、再度検査コースに戻り受検し直します。
ユーザー車検のやり方に関するよくある質問まとめ

ユーザー車検を受検する方や、今後ユーザー車検を受けようか悩んでいるという方からの「よくある質問・疑問」について、こちらでまとめてお答えします。
はじめてのユーザー車検に不安があります。サポートは受けられますか?
今度初めてユーザー車検を受ける予定ですが、手順や流れ、どんな風に検査員から検査を受けるのかなど不安があります。初めての方のサポートなどはあるのでしょうか?
ユーザー車検を受ける自動車検査場によって対応は異なると思いますが、まずは受付の際に初めてユーザー車検を受ける旨を伝えてみましょう。
地域によっては係員の方が付いてくださるところや、アドバイスをくださるところ、また保安コースで他の方が車検を受ける様子を見学できるところもあるようです。
ユーザー車検はどこでも受けることができるの?
ユーザー車検で継続車検を受ける予定ですが、前回取得した車検証の登録は関西地方で、今は関東地方に居住地を移しています。今住んでいる所を管轄する運輸支局でユーザー車検を受けることは出来ますか?
ユーザー車検による継続検査は、もよりの運輸支局等自動車検査場で受検することが出来ますので、可能です。
ただし、新車の新規検査でユーザー車検を利用する場合は、自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局で受検します。
また、車検証の所有者登録住所が現住所と異なっていても検査を受けることは出来ますが、自動車検査証の登録内容と現住所の登録住所が異なる場合、今後車の売却や廃車といった手続きを行う際に必要な書類が増えてしまい、手間や時間がかかることがあります。登録内容の変更があったときは、速やかに車検証の登録内容の変更手続きを運輸支局で行いましょう。
ユーザー車検に必要な書類は何がある?
今度ユーザー車検による継続車検を受ける予定ですが、継続車検に必要な継続検査申請書や自動車検査票、自動車重量税納付書は当日の自動車検査場でしか取得できないのでしょうか?また、書き損じの心配がありますが書類は有料ですか?
継続検査に必要な継続検査申請書(OCR第3号様式シート)は当日の窓口での配布の他、国土交通省や運輸支局のウェブサイトからダウンロードし、印刷して持参することも可能です。自動車検査票、自動車重量税納付書は自動車検査場窓口にて配布が行われています。
検査当日に配布された書類に記入し準備することも出来ますし、前以て運輸支局で書類の配布を取りに行って準備してから持参することも可能です。これらの書類は無料で配布されています。継続車検をユーザー車検で受けることにしたため、必要な書類を確認していたところ自動車税納税証明書とありました。納付期日までにインターネットを利用しクレジットカードで支払っていますが、手元に納税証明書がありません。証明書を交付してから検査を受けた方がいいでしょうか?
納税確認の電子化が進み、登録自動車の継続車検での納税証明書の提示は省略することができるようになっていますので、納税証明書の交付は不要です(軽自動車税の納付情報も2023年1月に電子化されました)。
ただし、自動車税を納付された後すぐにユーザー車検を受検される場合は、電子確認出来るまでに日数を要するため納付が確認出来ません。地方自治体により前後しますが、インターネットでの納付後納税証明書の発行までに2週間程度かかるようです。納付後すぐの車検を希望される場合は、現金での納付を行い納税証明書を手元に用意しておくことをおすすめします。
ユーザー車検を受ける前に準備しておくことはある?
ユーザー車検を今度初めて受ける予定ですが、車の洗車を行っておいた方が良いのでしょうか?
ユーザー車検を受ける際、保安コースで検査員の方が車両の検査をします。その際に車両の下に潜り込んで足回り等の確認も行われますので、事前の外装や内装の確認も兼ねて洗車を行っておくことをおすすめします。
また、自動車の使用をされる場所によっては、車の足回りに泥や汚れがつきやすいところで走行する可能性もあり、確認が必要な部分が目視出来ないほど汚れていると検査にも影響がでることもあります。
ユーザー車検の結果再検査が必要でした。再検査はどのように受けることができますか?
ユーザー車検で検査項目の一つに不合格があり再検査が必要になりましたが、当日に受けることが出来ませんでした。後日再検査を受けようと思っていますが、もう一度インターネットの予約システムから予約する必要がありますか?
ユーザー車検の再検査に関しては、予約なしで後日再検査を実施しても問題ありません。ただし、継続検査手数料(自動車検査登録印紙・自動車審査証紙)は後日分を再度支払う必要があります。検査手数料は車両の規格によって異なります。
ユーザー車検の再検査の受け方
ユーザー車検で不合格になってしまった場合ですが、当日中の再検査(再入場)は2回まで無料で受けることができます。
(一度の申請につき3回受検が可能なため、最初の1回を除き、残り2回再検査が当日のみ可能)
不適合になってしまった項目にもよりますが、車検検査場の近くには整備工場等の即整備ができるところが数多くあります。即整備を行い、当日再入場をして継続車検に合格できれば、整備費用はかかってしまいますが車検の受験にかかる申請手数料は当日分のみで済ませることが可能です。当日の即整備対応を依頼する可能性や、再受検になる可能性も考えてユーザー車検を行う当日は、できるだけ早めの時間に申請を行い、早めにユーザー車検を受けることができるように予約しておくとよいでしょう。
まとめ
こちらの記事では、ユーザー車検を受けるにあたって気になる疑問点や不安点、よくある質問をまとめてご紹介しました。
車検をカー用品店や車検代行業者に依頼すると高額な費用がかかってしまうため、費用を抑えたいと考える方は多いでしょう。ユーザー車検は、車検を受けるうえで費用を抑えることに成功しやすい方法です。初めてのユーザー車検となると不安なことも多いと思いますので、こちらの記事を参考にぜひチャレンジしてみて下さい。