エクストレイル(X-TRAIL)の車名の由来は、ExtremeSports(アクロバティックで過激、極限といった離れ技を競技とした人気のスポーツ)のXと、足跡・オフロード・荒れた道などを意味するTRAILから、その二つの言葉を掛け合わせた4×4(フォーバイフォー/四輪駆動車)をイメージして名づけられました。走破性が高く機能面はもちろんのこと、スタイリッシュなエクステリアデザインはシティユースもこなし、日本だけでなく海外でも人気の高いSUVとなっています。2022年にフルモデルチェンジがあったことから新型モデルの購入を検討している方も多いでしょう。
こちらでは、そんな人気の高いエクストレイルのリセールバリューについて、詳しく解説します。
エクストレイルのリセールバリューはいくら?
エクストレイルは2000年に初代モデルが登場し、その後フルモデルチェンジは3回行われ、現行モデルは2022年に発売を開始した4代目モデルとなっています。2022年のフルモデルチェンジのタイミングでガソリンモデルが廃止となり、ハイブリッドモデルのみの展開になりました。今回のフルモデルチェンジは2013年から約9年ぶりのモデルチェンジとなったため、旧型から買換えを実際にされた方も多いのではないでしょうか。
エクストレイルの購入や買換えをするにあたり、日本だけでなく海外でも人気が高いエクストレイルのリセールバリューが気になるという方も多いのではないでしょうか。
リセールバリューとは
リセールバリューとは、車を新車で購入してから一定期間経過後に売却する時の、再販時の価値や価格のことをいいます。新車価格が数年経過した後にどのくらい残っているかを表す数値という意味を持ち、残存価値や残価といわれることもあります。一般的に中古車のリセールバリューを示す時は、新車購入から3年・5年・7年経過時の残価を数値化して示すことが多くなっています。これは、継続車検を受ける前のタイミングで一定数が車を乗換える傾向にあるため、乗換え時の下取り査定の目安として、購入前に提示されることもあるようです。
リセールバリューが高い車は、新車購入から数年後乗換えをする際にディーラーへ下取りに出す時も、中古車販売業者へ売却する時も、再販で高く売れるため、高い査定価格が期待できます。購入後は長い期間乗り続けるより、一定期間ごとに乗換えることが多いという方は、リセールバリューが高い車を買うことで次の車の購入資金にも充てることができて経済的です。お得に乗換えをするのであれば、リセールバリューが高い車を選ぶと良いでしょう。
【最新版】エクストレイルのリセールバリュー
こちらでは、2013年~2022年まで販売されていたエクストレイルT32型の3年落ち・5年落ち・7年落ちのリセールバリューをご紹介します。
エクストレイルT32型の3年落ちリセールバリュー(R2年式)
グレード/駆動方式 | 新車価格 | リセールバリュー |
20S 4WD ガソリン車 | 248万円 | 58% |
20Xi 2WD ガソリン車 | 304万円 | 55% |
20Xi 4WD ガソリン車 | 325万円 | 58% |
20Xi 2WD ハイブリッド車 | 341万円 | 54% |
20Xi 4WD ハイブリッド車 | 350万円 | 58% |
20Xi エクストリーマーX 4WD ガソリン車 | 341万円 | 56% |
20Xi エクストリーマーX 4WD ハイブリッド車 | 381万円 | 54% |
オーテック iパッケージ 4WD ガソリン車 | 367万円 | 59% |
オーテック iパッケージ 4WD ハイブリッド車 | 412万円 | 60% |
※オーテック、エクストリーマーXはオーテックジャパンによるエクストレイルをベースとしたカスタムカー
エクストレイルT32型の5年落ちリセールバリュー(H30年式)
グレード/駆動方式 | 新車価格 | リセールバリュー |
20X 4WD ガソリン車 | 282万円 | 55% |
20X 4WD ハイブリッド車 | 309万円 | 52% |
20Xi 2WD ガソリン車 | 280万円 | 54% |
20Xi 2WD ハイブリッド車 | 307万円 | 55% |
20Xi 4WD ガソリン車 | 300万円 | 55% |
20Xi 4WD ハイブリッド車 | 327万円 | 51% |
20Xi エクストリーマー 4WD ハイブリッド車 | 346万円 | 57% |
モードプレミアi 4WD ハイブリッド車 | 347万円 | 52% |
モードプレミア ハイコントラストインテリア 4WD ハイブリッド車 | 384万円 | 61% |
※モードプレミア、エクストリーマーはオーテックジャパンによるエクストレイルをベースとしたカスタムカー
エクストレイルT32型の7年落ちリセールバリュー(H28年式)
グレード/駆動方式 | 新車価格 | リセールバリュー |
20X エマブレパッケージ 2WD ハイブリッド車 | 285万円 | 37% |
20X エマブレパッケージ 4WD ハイブリッド車 | 306万円 | 34% |
20X エマブレパッケージ 2WD ガソリン車 | 241万円 | 46% |
20X エマブレパッケージ 4WD ガソリン車 | 282万円 | 39% |
20X エクストリーマー 4WD ガソリン車 | 291万円 | 40% |
モードプレミア 4WD ガソリン車 | 308万円 | 36% |
モードプレミア 4WD ハイブリッド車 | 330万円 | 39% |
※モードプレミア、エクストリーマーはオーテックジャパンによるエクストレイルをベースとしたカスタムカー
エクストレイルのリセールバリューは一般的な車両よりも高め!
一般的な自家用車のリセールバリューは、3年落ちで50~60%、5年落ちで40~50%、7年落ちで20~30%と言われています。この結果に対し、エクストレイルのリセールバリューをみてみると、新車から3年落ちの車体については、ほぼ一般的なリセールバリューの平均値に近いものの、5年落ちと7年落ちのリセールバリューについては平均値を上回る高さとなっていることがわかります。また、グレードごとに販売価格には差があるエクストレイルですが、リセールバリューは平均的に高くなっています。他車種の場合カスタムカーのリセールバリューが高くなることも多いのですが、エクストレイルに関してはカスタムカーでなくても高いリセールバリューを5年落ち・7年落ち車両でも保っていることがわかりました。
リセールバリューが特に高くなるエクストレイルの特徴は
現在は4代目モデルのT33型エクストレイルが2022年から販売中となっていますが、グレードやボディカラー、メーカーオプションなど、購入時にユーザーが選べるポイントがいくつかあります。どのようなタイプのエクストレイルを選ぶと、売却時にリセールバリューが高い車となるのでしょうか。先代モデルT32型エクストレイルのリセールバリューの傾向や、リセールバリューに影響があるとされる中古車市場のニーズをもとに、リセールバリューが狙える車購入時のポイントをご紹介します。
リセールバリューが高くなりやすいグレード
エクストレイルの現行モデルT33型は、2WDには『S・X・G・AUTECH・AUTECH Advanced Package』の5つのグレードが、4WDには『S e-4ORCE・X e-4ORCE(2列)・G e-4ORCE・X e-4ORSE(3列)・X e-4ORCE エクストリーマーX(2列)・X e-4ORCE エクストリーマーX(3列)・AUTECH e-4ORCE(2列)・AUTECH e-4ORCE Advanced Package・AUTECH e-4ORCE(3列)』の9つのグレードがあります。
現行モデルはすべてハイブリッドモデルとなっていますので、パワートレーンを迷うことはありません。エクストレイルの駆動方式は2WDと4WDがあり、駆動方式を選択後にお好みのグレードにするか、お好みのグレードがある駆動方式を選ぶかになります。3年落ちのリセールバリューを見ると、近年は4WDの駆動方式の残価が高い傾向です。特にハイブリッドモデルが登場して、四駆がパワーを必要とすることに加えて、バッテリーが大きくなったことで車両重量が重くなっていますが、効率が良くなったことで燃料消費率が抑えられることから、走破性の高い4WDがリセールバリューも高く選ばれています。上位グレードやカスタムグレードはあるものの、T32型の結果でもあるようにベースグレードも決してリセールバリューは平均以上となっています。上位グレードを選ぶと初期投資が高額になり、リセールバリューで考えるとその差額は埋めることは難しいでしょう。ただし、安全装備についてはSグレードのみプロパイロットが標準装備されないといった違いがあります。日産の先進安全技術であるプロパイロットについては、リセールバリューに影響がありますので、標準装備グレードを選択することをおすすめします。
リセールバリューが高くなるボディカラーの選び方
リセールバリューが高くなるボディカラーは、中古車市場でのニーズ(需要)がポイントになります。再販時に人気がありすぐに売れるボディカラーや、高く売れるボディカラーはリセールバリューが高くなります。
T33型エクストレイルのボディカラーの展開は、モノトーンカラーとツートンカラーの二つがあります。モノトーンカラーは、ブリリアントホワイトパール・ダイヤモンドブラック・カーディナルレッド・カスピアンブルー・ステルスグレー・ブリリアントシルバー・ダークメタルグレーの7色展開です。ツートンカラーは、ブリリアントホワイトパール/スーパーブラック・カスピアンブルー/スーパーブラック・シェルブロンド/スーパーブラックがあり、ルーフ部分がブラックになります。2023年6月現在はツートンカラーは生産上の都合で注文受付が停止となっています。
市場のニーズで見ると最も人気が高いカラーはブリリアントホワイトパールと、ダイヤモンドブラックのモノトーンカラーとなっています。特別塗装色となるため、有償オプションカラーで+44,000円かかるものの、やはりベーシックカラーで市場のニーズが高く再販がしやすい二色が人気で、リセールバリューも高いカラーとなっているようです。
リセールバリューが高くなるメーカーオプション
新車購入時のオプション設定には、メーカーでの生産時に付けるメーカーオプションと、納車された車につけるディーラーオプションがあります。基本的にディーラーオプションは、後付けオプションとなるため車を購入してから欲しい時は追加して付属することができますが、メーカーオプションについては生産時に取付なければいけないものがほとんどとなるため、後から付けることができないものや、できるとしても高額な費用がかかるものがほとんどです。そのため、元からメーカーオプションでついていることで再販時の価値が上がり、リセールバリューが高くなるオプションもあります。
リセールバリューが高くなることを狙って付けておくことをおすすめするメーカーオプションは、Gグレードのみオプション設定ができるナッパレザー(タン)シート、またはXグレードのみオプション設定ができる防水シート(セルクロス)です。
ナッパレザー(タン)は、高級感や質感が高まることから人気のオプションとなっています。また、防水シートは汚れてしまった時も拭き取りできることから、アウトドアだけでなくお子様やご家族と乗車してシートにお菓子やジュースをこぼしてしまったときも拭き取ることができるとファミリー層から人気のオプションとなっています。リセール時シートオプションを付け直すには高額な費用がかかりますので、もともとのメーカーオプションとしてついていることはプラスに働きます。
エクストレイルをかしこく売却するコツ
エクストレイルのリセールバリューや、リセールバリューが高くなる新車購入時のメーカーオプションなどをご紹介しました。せっかくリセールバリューが高い車を所有していて売却や下取りに出すのであれば、かしこく売却するコツをつかみ、高く売りたいですよね。こちらで解説します。
海外需要が高い車は相見積が重要
エクストレイルは海外での需要が高い車です。実はエクストレイルは北米日産からは『ローグ』として販売されています。今回の記事においてリセールバリューの例としてご紹介した2013年発売モデルのT32型も、北米日産で35万台を売り上げる人気モデルとなっています。海外では先進技術と安全性能が装備されている機能面と、インテリアの質感の高さ、キャビンの広さなどが高い評価を受けているエクストレイルは、輸出中古車としての需要も高くなっています。手放しを検討されているのであれば、ディーラーでの下取りを超えて、中古車輸出業者で高い買取査定がつく可能性があるのです。中古車輸出業者の買取査定を受けてみると、思わぬ高額査定になることがありますので、ディーラーで新型買換え検討中の方は下取りだけでなく中古車買取業者でも相見積を取られることをおすすめします。
売却前に洗車はするべき?
リセールバリューが高いオプション設定やカラーを選んで、いざ数年後売却となった時に、選んだシートやボディカラーが汚れてしまっているとせっかくのアピールポイントが目に入りません。洗車をすることで洗車キズがついてしまうなどの可能性もありますので、もちろん洗車方法は気を付ける必要がありますが、普段から砂埃や雨汚れなどは定期的に洗車しておくとボディカラーも映えますし、ナッパレザーシートや防水シートを選んで設定しているのであれば、革の状態をきれいに保つために日ごろからお掃除をしておくと、査定士の目にも綺麗に乗られている車としてプラス評価につながっていきます。レザーシートは、掃除機などでほこりや砂などの汚れを取り除き、レザークリーナーで汚れを拭き取ったら硬く絞った布で洗剤を拭き取り、乾いた布で水分をとって日陰で乾燥をさせましょう。レザーシートは濡れている状態で置いておくと劣化がすすんでしまいますので、雨の日に濡れているお洋服で運転したときなどは、早めに水分を拭き取って乾燥させておくと綺麗なシートを保つことができます。
エクストレイルのリセールバリューまとめ
こちらでは、エクストレイルのリセールバリューについて詳しく解説しました。
エクストレイルは走行性能や走破性が高いことから、未舗装道路や雪・路面凍結などの悪路走行にも強く、国内の幅広い地域や海外で人気がある車です。特にリセールバリューを見ると5年落ちを過ぎても他の車両に比べて高い傾向であることから、年式経過でも高い買取査定価格を狙うことができるということです。エクストレイルを手放す時は、中古車買取業者やディーラー下取りなど複数の買取先に見積もりをとって、高額査定を狙ってみることをおすすめします。