事故

交通事故の防止に繋がる発煙筒。正しい使い方や使用状況など

事故など緊急事態が発生した場合、大切なのは周囲にそのことを知らせ安全を確保することです。周囲に対して異常を知らせるツールとして発煙筒があり、これは車に常備されているものです。発煙筒は緊急時に重要な役割を果たしますので、正しい使い方などを理解しておきましょう。

交通事故と発煙筒の関係と役割

交通事故が起きれば焦ったり、パニックになったりしてしまうことが多いでしょう。また当事者として事故に遭った場合だけではなく、近くで事故を目撃するなどでも、対処に困ってしまうことは多いです。事故が発生した場合は、素早く対処することが大切であり、やるべきことがたくさんあります。 発煙筒も事故発生時には大きな役割を果たしますので、どのような意味があるのか活用用途を知っておきましょう。

発煙筒は障害物の存在を知らせる

発煙筒は発火して光を発することで、障害物の存在を知らせるためのものです。事故などで車が動かなくなった場合、車は道路上の大きな障害物となり非常に危険です。遠くからでは停車していることが分からず、混乱を招くことも多いため、発煙筒によって異常を知らせ混乱を回避します。 発煙筒の光は日中なら600m、夜間2,000mまで確認でき、燃焼時間は5分間です。夜間などであれば、かなりの距離まで異常を知らせることができますし、緊急時には活躍するアイテムといえるでしょう。

発煙筒は二次事故を防止する役割

発煙筒は障害物があることを知らせるためのものですが、これは二次事故を防止する役割もかねています。道路上に車があると、通行の邪魔になるだけではなく、追突など二次被害が出てしまう可能性もあります。また事故によって車が発火したり、引火したりして爆発する恐れもありますので、それらの危険を知らせるためにも発煙筒は必要です。 発煙筒の搭載はドライバーの義務ではありますが、罰則規定は特に設けられていません。しかしあれば便利ですし、なければ被害が拡大する可能性もあるので、必ず備え付けておきましょう。

事故防止のための発煙筒使い方

発煙筒は二次事故を防ぐためにも大切なものではありますが、使い方を間違えれば正しい効果を発揮できませんので注意が必要です。発煙筒はただ発光させればよいわけではなく、正しい使い方があります。事故防止の効果を確実に発揮させるためにも、正しい使い方を把握しておきましょう。

車のハザードランプを点灯し発煙筒を発火

発煙筒を使用する前には、まずは車のハザードランプを点灯することが大切です。事故など緊急事態の場合でも、可能であれば路肩に寄せてハザードランプを付けて停車し、それから発煙筒を使いましょう。動かせない場合は無理に路肩に寄せる必要はありませんが、最低限ハザードランプだけでも付けておくと、事故防止に役立ちます。発煙筒は本体をひねりながらキャップを外し、すり薬をマッチのようにこすれば発火します。

車後方に停止表示板と一緒に設置する

ハザードランプを付ければそれで終わりではなく、車の後方に停止表示板を設置し、そこに発煙筒も置きます。停止表示板の設置場所は、車から50メートル以上離すことが大切であり、発煙筒も車から十分に距離を取っておきましょう。 発煙筒の燃焼温度は600度以上であり、車のそばで発火させると、引火の恐れがあるので注意しなければなりません。停止表示板は設置しなければ、1点の違反となるので注意しましょう。発煙筒とともに停止表示板を設置すれば、安全な場所に避難して救急車や消防車など、必要に応じた救援の依頼と連絡をおこないます。

発煙筒を使うべき状況

発煙筒は事故の際に使用するだけではなく、緊急時のさまざまなシーンで活用できます。どんなシーンで使えるかを把握しておかなければ、いざというときに発煙筒の存在を忘れる可能性があるため、使うべき状況を知っておくのは大切です。発煙筒は多くのシーンで使えますので、いつ使うべきかをきちんと把握しておきましょう。

高速道路で燃料切れや故障した場合

高速道路で燃料切れや故障など、車が動かなくなった場合は、発煙筒で障害物があることを知らせなければなりません。高速道路の場合、車の移動スピードが速いため、障害物に気づかずに衝突してしまう危険性が高いです。 事故の危険性が高いため、車が止まればすぐに車内から出て、速やかに発煙筒を使用しましょう。なお、発煙筒を使用する際にも、衝突の危険性はありますので、周囲の状況を確認して、安全を確保してから使用することが大切です。

踏切で動けなくなった場合

踏切内で脱輪やパンク、故障など、動けなくなった場合も、すぐに発煙筒を使いましょう。これは周囲に助けを求めることと、電車の運転手に線路上に異常があることを知らせる2つの意味があります。動かなくなった場合でも、押せば線路内から脱出できることも多いですが、時間がかかる場合もあるため、すぐに異常を知らせることが大切です。 ただし一刻を争う事態の場合は、発煙筒を使用するのではなく、踏切にある非常ボタンを押して危機を回避しましょう。

見通しの悪い場所での緊急事態

発煙筒は高速道路や線路内など、特殊な状況で使用すると思われがちですが、実は通常の道路で使用することもあります。一般道路でも見通しが悪い場所で車が動かなくなった場合は、発煙筒を使って自身の存在を知らせることが大切です。 見通しの悪い場所だと、気づかずに衝突する可能性が高く、二次事故にも繋がりやすいので注意しなければなりません。発煙筒は日常的なトラブルでも使用することはありますので、すぐに使えるように設置場所などを確認しておきましょう。

発煙筒に関する注意点

事故など緊急事態が発生すれば、速やかに発煙筒を使うことが大切ですが、使用時にはいくつか注意点もあります。注意点が守れていないと、役割を果たせないどころか、さらに状況を悪化させてしまう可能性もあります。発煙筒は正しい方法で使うことが大切ですので、使用時の注意点も把握しておきましょう。

発煙筒には使用期限がある

発煙筒はいつまでも使えるわけではなく、4年が使用期限となっています。使用期限を超えていると、劣化にしている可能性が高く、場合によっては発火しない可能性もあるので注意しなければなりません。使用期限を過ぎた発煙筒では、緊急時に使用できない可能性もあるので、期限がくれば速やかに新しいものと交換しましょう。 発煙筒はそのままゴミに出すことはできませんので、ディーラーや整備工場などで回収してもらう必要があります。

トンネルの中では発煙筒は使えない

発煙筒は緊急時に使用しますが、トラブルが発生してもトンネルの中など、煙がこもる場所では使用してはいけません。トンネル内で発煙筒を使用してしまうと、煙がこもって他の車の視界を奪ってしまい、さらに事故の危険性が高くなるので注意しましょう。 基本的には屋外で煙がこもる心配のない場所でしか使用できませんが、LED非常信号灯など、煙が出ないタイプであれば使用は可能です。

緊急事態に落ち着いて対処できるよう心がけよう

発煙筒は事故などの緊急時の際には使用することが多く、正しく使うことで被害を最小限に食い止められます。車を安全に使用するのはドライバーの義務ですので、発煙筒も正しい使い方を把握して、事故防止に努めましょう。

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