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事故証明の必要性│事故証明がなくても保険金は受け取れる?

事故が起きるとパニックになり、その後対応に追われて慌ただしく動くことも多いでしょう。事故が発生した場合、相手の有無に関係なく素早く対処することが大切ですが、それだけではなく「事故証明」も発行しなければなりません。 事故証明は「交通事故証明書」の通称であり、事故が起きたことを証明するための書類です。事故証明は事故後の手続きで使用するものであり、「保険会社との保険金の交渉」「事故相手との示談交渉」などで使用します。事故証明がないと困ることも多いため、正しい知識を持って、発行から活用の方法まで理解しておきましょう。

目次

そもそも事故証明とは何か

そもそも事故証明とは何かですが、文字通り「事故が起きたことを証明するもの」です。事故が起きた場合、現場は一時的に保存されますが、警察による現場検証が終わった後は、修復され、事故の後は消されます。事故現場が修復されると、そこで事故が起きたということを客観的に証明することができず、事故後の手続きで困ることが多いです。 車の損傷や自身のケガを見せても、事故の証明にはならないため、公的に証明する書類が必要です。事故証明は、まさに事故が起きたことを公的に証明する書類であり、事故後の手続き時に、証拠書類で提出できます。

いつ・どこで・誰が・誰にを証明する

事故証明は単に事故が起きたことを証明するだけではなく、「いつ」「どこで」「誰が」「誰に」を細かく証明できます。事故発生時の情報が細かく記載され、かつ公的な書類のため信用力は高いです。 事故当事者が事故時の状況を鮮明に覚えている場合でも、証明書の形を取っていないと信用力はないため、証拠能力を発揮するには、事故証明を取得しなければなりません。

なぜ事故証明が必要なのか

事故証明は単に事故があったことを公的に証明するためだけではなく、自身を守り、補償を受けるためにも必要です。車で事故を起こした場合、状況に応じて被害者、加害者が決まります。事故の内容によって被害者、加害者の有無や過失割合は異なりますが、それぞれに何らかの責任が科せられることが多いです。 事故証明は誰にどのような責任があるのかを証明するためにも必要であり、相手方が悪いなら、自分に責任がないこと、補償を受けてしかるべきであることを証明できます。また、自分が悪い場合でも、責任の範囲を限定し、必要以上の責任を負わないためにも必要です。 事故証明は事故後の諸手続きでも求められることが多く、なくて損をすることはあっても、あって損をすることはないため、必ず取得しておきましょう。

ドライブレコーダーの記録だけでは不十分

事故時の責任の所在や補償の有無を決める証拠に事故証明は必要ですが、証拠ならドライブレコーダーにも残っていると考える人は多いでしょう。確かにドライブレコーダーの映像も証拠のひとつですが、映像だけでは証拠不十分で、採用されないケースもあるため注意が必要です。 ドライブレコーダーが証拠能力を発揮するのは、「事故の状況が鮮明に分かる」「相手が特定できる」場合に限られます。事故の様子が何となく分かるだけでは証拠能力は低く、信用力はないと判断される可能性が高いため、効力の強い事故証明が必要です。 もちろん、ドライブレコーダーの証拠能力が高い場合でも、事故証明が邪魔になることはなく、むしろ証拠が増えることで事故の内容も明確に証明しやすいです。

事故証明は保険会社が欲しがる

事故に遭った場合、保険に加入しているなら保険会社に連絡して、補償を受けますが、このときに事故証明が必要です。保険は加入しているだけで必ずしも補償されるとは限らず、「事故の状況」や「事故の有無」によって対応が異なります。 保険に加入していても、加入内容の適用範囲外の場合、事故でも保険は適用できません。また、事故の発生が嘘の場合、これも当然補償の対象にはならず、悪質な場合は契約違反に該当する可能性もあります。 事故の発生は自己申告で行えるため、保険会社は不正請求に対処するために、確固たる証拠を求めます。本当に事故があっても、事故証明がないと保険がおりないケースもあるため、注意しなければなりません。

保険会社は物損や人身問わず事故証明を欲しがる

事故には「物損」や「人身」などの種類があり、事故の内容によって適用される保険も異なります。事故の種類が違うと事故の対応も異なりますが、保険会社はいかなる事故でも事故証明を求めるため、必ず取得しておかなければなりません。 事故の種類に関係なく事故証明を取得しておかないと、いざというときに保険が適用できない可能性もあるため注意が必要です。

単独事故は特に事故証明以外の証明手段が無い場合も

保険の加入状況によっては、単独事故でも保険が下りる場合があります。しかし、単独事故は事故を証明できる人が自分以外にいないため、事故証明で公的に証明できないと、証拠不十分で不正請求とみなされる可能性が高いです。自己申告だけでは証拠にならないため、単独事故の場合は特に注意が必要です。

後日人身事故扱いになった場合は特に必要になる

相手方がいる事故でも、お互いにケガがなく、車が損壊しただけなら物損ですが、後日痛みが出て、人身に切り替わることもあります。物損から人身に切り替わった場合は、特に事故証明が必要です。 事故証明で詳細な事故状況を説明できないと、場合によっては重い刑事罰が科せられる、あるいは自身が被害者でも相手の責任を証明できない可能性もあります。物損でもいつ人身事故に切り替わるか分からないため、事故の種類に関係なく、トラブルの予防と思って事故証明は取得しましょう。

実は事故証明は自分で取る必要はほとんど無い

事故が起きた後は今後のためにも事故証明を取得しなければなりませんが、実は自分で取得することはほとんどありません。所定の手続きさえ踏んでいるなら、事故証明は自動的に発行してもらえるため、どのような流れで取得できるのか知っておきましょう。

事故証明は保険会社が取ってくれる

事故証明は事故発生を保険会社に伝えると、保険会社で取得してくれます。事故に遭った場合は、内容に関係なく保険会社に連絡する必要があるため、このときに事故証明の発行を依頼しておきましょう。一部例外はありますが、基本的には保険会社が取得してくれるため、連絡さえ忘れなければ問題はありません。

事故証明を取れば相手方保険会社とも共有する

保険会社が事故証明を取得した後、相手方の保険会社とも共有し、事故の詳細を確認します。事故証明の内容をもとに、過失割合を決め、示談交渉になることがほとんどです。お互いに保険会社に連絡せず、事故証明を取得していないと、情報の共有ができず、事故がうやむやになって誰も補償を受けられない可能性もあるため注意が必要です。

弁護士を立てて交渉する場合は事故証明が必要

事故の示談交渉は保険会社に代理で行ってもらうことがほとんどですが、場合によっては自身で弁護士に依頼して代行してもらうこともあります。この場合も事故証明は必要であり、弁護士を立てても事故証明がないと不利になる可能性もあるため注意が必要です。 また、事故証明がなく、事故に遭ったことを証明できないと、依頼を受けてくれない可能性もあります。示談交渉は当事者同士で行うとトラブルに発展しやすいため、必ず第三者に依頼することが大切ですが、依頼するには事故証明が必要なことは覚えておきましょう。

もらい事故で相手方が無保険の場合

もらい事故で相手方が無保険の場合、自分は保険に加入していても、保険会社に示談交渉を代行してもらうことはできません。この場合は弁護士に交渉を代行してもらう必要があります。また、相手方が保険に加入している場合でも、過失割合が10対0で、相手方に完全に非がある場合も、自身で加入している保険会社は交渉を代行してくれません。 弁護士を立てて示談交渉を行うケースは意外に多いため、どのような状況でも対応できるよう、事故証明の取得は必須です。

事故証明を自分で発行する場合の取り方

事故証明は保険会社が発行してくれますが、保険会社が介入できない事故の場合は、自身で取得しなければなりません。自分で取得する場合は、「自動車安全運転センター」で申請し、発行してもらいます。事故証明は発行の方法に関係なく、その証拠を持っていることが大切なため、保険会社が介入できない場合は素早く自身で取得しましょう。

事故証明の発行には警察への事故届け出が必須

事故証明を発行するには、警察への事故届け出が必須です。どれだけ大きな事故でも、警察に届けていない場合、事故の発生はなかったと判断される可能性もあるため、注意しなければなりません。これは自身で取得する場合も、保険会社が取得する場合も同じです。
また、事故証明書は、自動車運転センターのホームページからも申請できます。窓口まで足を運ぶ時間がない場合は、ネットで簡単に申請しましょう。

どの位の日数と費用で事故証明が発行されるのか

事故証明書は申請してすぐに発行されるわけではなく、少し時間がかかります。また、発行には手数料がかかるため、それらも把握しておきましょう。

手数料は540円で事故証明は発行できる

事故証明の発行手数料は1通540円であり、窓口申請でもネット申請でも料金は同じです。ただし、ネット申請の場合は発行手数料に加えて、払い込み手数料が130円別途かかります。

所要日数は10日程度で後日郵送となる

事故証明は申請してから、10日程度で郵送されてきます。申請から発行まで時間がかかりますが、窓口で申請し、警察から事故の資料が届いている場合は、即日発行が可能です。窓口申請でも資料がない場合は後日郵送になるため、基本的には発行には時間がかかると考えましょう。

事故証明が発行されないと保険金がすぐに貰えない

事故証明は事故が起きたことを証明し、保険金を受け取るためにも必要な書類です。事故証明を提出することで、保険会社に事故の事実を証明でき、それを受けて保険金の支払いが決定するため、提出が遅くなると保険金の支給も遅れます。 事故後すぐにお金が必要でも、補償を受けられるのは事故証明が発行され、保険会社が事故の事実を承認してからになることは理解しておきましょう。

保険会社は最初に事故があったかという点から調査する

保険金の支給が遅れやすいのは、保険会社はそもそも本当に事故があったのかという点から調査するからです。事故証明は事故があったことを公的に証明する書類ですが、事故証明の提出=事故の事実の承認とはなりません。事故証明の内容を受けて、さらに念入りに調査を進め、事故発生の確証を得てから、保険金の支給が決定します。

調査に時間がかかるとその分保険金受取が遅くなる

保険金の支給は調査を終えてからのため、調査に時間がかかると、その分保険金の受け取りも遅れます。事故の状況によっては調査が難航することもあるため、保険金受取まではある程度時間がかかると考えなければなりません。 少しでも早く調査を進めてもらうには、早い段階で事故証明を提出することが大切です。事故証明がないと調査が進まず、そもそも調査すらしてもらえない可能性もあるため、素早く保険金をもらうためにも、事故証明はすぐに提出しましょう。

事故証明が発行されないケースもある

事故が発生した後、警察に届出を行うことで、事故証明発行の条件は整いますが、例外的に事故証明が発行されないケースもあります。そもそも事故証明は、道路交通法が適用される範囲内での事故を証明するものであり、「駐車場」「私有地」などは対象外になる可能性があります。事故証明の発行は、公道での事故が基本のため、該当しない箇所での事故には注意が必要です。

事故証明で重要なのは事故現場での対応

正確な事故証明を取得するには、事故現場での対応が重要です。対応次第では事故証明の内容が変わってしまい、効力を十分に発揮できない可能性もあるため、注意しなければなりません。

事故証明は文字通り「事故があった証明」

事故証明は、事故があったことを証明するものであり、正確に証明するには、現場の保存が必要です。事故後すぐに現場を動かしてしまうと、正確な証明ができない可能性もあるため、注意しましょう。もちろん、二次被害を防ぐために車両の移動が必要な場合もありますが、必要性がない限りはそのまま保存し、警察の到着を待つことが大切です。

極力早く連絡する事が重要

事故証明は「事故現場の状況」「当事者の証言」「目撃者の証言」が重要です。事故後に素早く警察や保険会社に連絡し、事故の状況を伝えておかないと、実際の事故と記憶が食い違い、事故証明との整合性が取れない可能性もあります。事故直後は気が動転することも多いですが、確実な証拠を残すためにも、関係各所には素早く連絡しましょう。

事故が発生したらすぐにその場で警察に連絡する

事故が発生した場合、被害者がいるなら救護にあたり、お互いの安全性を確認した後はすぐに警察を呼ぶことが大切です。警察への連絡が遅れると現場の状況が変わったり、対応が遅れて事故処理が滞ったりする可能性があるため、状況が落ち着いたらすぐ連絡しましょう。

相手が嫌がっても警察を呼ぶこと

相手方がいる場合、警察を呼ぶと相手が嫌がる可能性もありますが、相手が拒否しても呼ぶことが大切です。事故後当事者間の話し合いだけで対応すると、後からトラブルになることも多く、補償も受けられなくなります。何より事故証明も発行できないため、相手の動向に関係なく、警察は呼びましょう。

相手が逃げたり単独事故の場合でも警察を呼ぶこと

警察に連絡しているときに相手が逃げた場合も、そのまま警察を呼び、相手が逃げたことを伝えましょう。このとき相手のナンバーが分かるなら、それも連絡しておくと、その後の対応がスムーズです。 また、単独事故で相手がいない場合も、警察への連絡が必須です。事故が起きた場合は、運転者には報告の義務があるため、事故の内容に関係なく、警察へは連絡しましょう。

警察は届け出のあった人の言い分で調書を作る

警察が到着後、現場検証を行い、事故処理を進めますが、この時事故状況がどのようなものだったかも聞かれます。答えた内容は調書に記録され、これをもとに事故証明は作成されます。警察にきちんと伝えておかないと、事故証明を取得しても不利になる可能性があるため、事故状況は正確に伝えましょう。 仮に相手方から反論があっても、警察の調書をもとに作成した事故証明があることで、反証の材料になり、自身の言い分の正当性を証明できます。

管轄の警察署と係官の氏名を必ず控える

警察に事故処理をしてもらう際に、管轄の警察署と係官の氏名は必ず控えておきましょう。聞くのを忘れても後から照会はできますが、記録しておくとその後の手続きもスムーズに進めやすいです。

保険会社への連絡もその場で行う

警察による事故処理終了後は、その場で保険会社にも連絡しましょう。保険会社には事故の詳細な内容や警察への届け出の有無、物損や人身など事故の種類を伝えると、その後の対応がスムーズです。保険会社への連絡が遅くなると、事故の事実確認が遅れて、保険金支給も遅くなるため、注意しましょう。

保険会社の事故担当に情報を伝える

事故後は保険会社の事故担当に事故の状況を詳しく伝えますが、聞かれる内容は基本的に警察と同じです。しかし、警察と保険会社は情報を共有しているわけではないため、保険会社にも同じ内容で伝えなければなりません。 警察と保険会社で伝えた内容が異なると、事故証明を取得した際に整合性が取れず、不正請求を疑われる可能性もあるため注意が必要です。

事故証明の調書内容にも注目しよう

事故後は警察と保険会社に連絡し、素早く事故証明を発行してもらうことが大切です。事故証明は警察の調書をもとに作成されるため、事故状況を伝える際には正確に伝えることを心がけなければなりません。 事故証明は事故を証明する証拠であり、自身を守り、示談交渉を有利に進めるための武器です。ないと困るシーンは多いため、素早く対応して取得し、事故後の保険手続きもスムーズに進めましょう。

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