車は使っていると知らない間に傷つくことも多く、特にひっかき傷は多発しやすいです。ひっかき傷は車のカラーや場所によっては目立ちやすく、見た目も悪くなるため、早く直したいと思う人は多いでしょう。しかし、傷ができるたびにいちいち修理を依頼すると、費用ばかりがかさんでしまいます。 大きな傷なら業者に頼むのがおすすめですが、小さいものなら自分で直すこともできます。ひっかき傷への上手な対処法を知り、愛車を綺麗な状態に保ちましょう。
目次
車にひっかき傷がついてしまうのはなぜ
そもそも車になぜひっかき傷が付くのか、疑問に思う人も多いでしょう。他の車とこすれたり、どこかにぶつけたりしたなら、傷がつくのも当然ですが、心当たりがないのに傷ついている場合も多いです。ひっかき傷がつく原因は多種多様ですが、多いのは走行時の飛び石が挙げられるでしょう。 道路には細かい砂や石が転がっており、他の車がそれを踏むことで跳ね上がり、飛んでくることがあります。走行時はかなりスピードが出ているため、小さな石でも飛んでくるスピードは速く、高い威力を持ちます。 飛び石は場合によってはガラスを割ってしまうこともあるため、ボディに当たるとひっかき傷がついても仕方ないと言えます。 また、車のボディは柔らかく、爪や服がこすれるだけでも、小さな傷がつく場合があります。丁寧に使っているつもりでも、乗り降りの際に自分で傷をつけてしまっていることもあるため、注意しなければなりません。
車のひっかき傷を自分で補修する手順
車のひっかき傷は自分でも直すことができ、慣れるとDIY補修でもかなり綺麗に仕上げられます。DIYの良いところは、費用がかからないことで、業者に頼むよりも格段に低コストで補修ができるでしょう。ただし、自分でできることには限界があるため、無理はしないことが大切です。 無理に手を加えて傷を広げ、修理に余計な手間とお金がかかる場合もあるため注意しましょう。DIYは限界をきちんと見極めることが大切で、小さな傷、軽い傷に限定する必要があります。 また、手順をしっかり守らないと、小さなひっかき傷の補修でも失敗する危険性があります。やり方を把握し、正しい手順で補修を行いましょう。
保護したい場所を養生する
まずひっかき傷を落とす方法ですが、基本的には研磨によって傷をけずり落とし、その上から塗料で補修するのが一般的です。研磨の工程があるため注意が必要で、やり方を間違えると傷を広げてしまいます。余計な場所まで削ってしまわないよう、最初にしっかり養生しておきましょう。 傷の周りをテープで養生し、削り過ぎを防ぐことが大切です。慣れている人なら、目で見ながら必要最小限に削って補修することもできますが、養生なしだと失敗することも多いです。また、養生は塗料を周囲に飛ばして色ムラを出さないためにも必要なため、初心者の場合は少し広めに範囲を広げると良いでしょう。
車体の汚れを落とす
傷を研磨する前には、車体を綺麗に洗い、汚れを落とすことが大切です。汚れやゴミが残っていると、研磨した際にそれらによって新しい傷をつけてしまう可能性があります。直すどころか傷を広げてしまいかねないため、事前の洗車は念入りに行いましょう。 ひっかき傷は、傷内部に細かい石や砂が入り込んでいることも多いです。これらをそのままにしていると、補修時の邪魔になるため、傷内部までしっかり水を入れて洗い流しましょう。綺麗に洗った後は、水分をきちんと拭き取り、乾かします。
コンパウンドで傷がついた部分を磨く
事前準備が整ったら、いよいよコンパウンドで傷を磨き落としましょう。コンパウンドは研磨剤と薬剤が混ざったもので、スポンジや布につけて使用します。おすすめはスポンジで、水洗いができ、かつ柔らかめのものを選ぶと良いでしょう。 硬いものを使うと、傷がさらに広がってしまう恐れがあります。コンパウンドは研磨の工程のため、慎重に行いましょう。一度削ったものは元には戻せないため、焦らずゆっくりやることが大切です。コンパウンドを付けているだけで十分研磨力はあるため、力を抜いて優しく磨くと、綺麗に傷を落としやすいでしょう。
粒子の細かいコンパウンドで磨く
コンパウンドは複数種類使い分けるのがおすすめで、最初は粒子の粗いものを使い、徐々に細かいものへと変えていきましょう。粗いものから細かいものへ段階を分けて磨くことで、傷をより綺麗に落とし、表面にツヤを出すことができます。 段階を踏むことで仕上がりは格段に違ってくるため、手間を惜しまないことが大切です。コンパウンドを複数使用する場合は、コンパウンド1種類に対して、スポンジを1つ用意しましょう。粗いものから細かいものへ変える際に、同じスポンジを使用すると、粒子が混ざってしまいます。 せっかく細かい粒子で磨いても、粗い粒子が残っていることで上手く磨けず、磨きすぎで傷が広がることもあります。スポンジはきちんと使い分け、粒子の粗さを変える際には、傷表面も綺麗に拭き取ることが大切です。
傷を塗料で埋めていく
研磨が終了した後は、タッチアップペンを使った塗布の工程に移ります。塗料を吹き付ける際には、他の部分に飛ばないよう注意し、傷を埋めるように塗っていきましょう。 より綺麗な仕上がりにするには、何度か重ね塗りすることが大切です。一回で全て塗り切る必要はないため、塗っては乾かしを繰り返して、少しずつ研磨した部分を埋めましょう。
仕上げをする
塗料を塗った後はしっかり乾かし、最終仕上げに移りましょう。最後の仕上げでは、塗料で段差ができた部分を削り、平らに戻します。この際には耐水ペーパーを使用し、コンパウンド同様、目の粗いものから細かいものへと段階を踏みながら磨いていきましょう。 磨き過ぎると、また塗布の工程からやり直しになるため注意が必要です。全体を平らにすると、作業は完了ですが、ひっかき傷を防止するために、ワックスを塗るのがおすすめです。ワックスを塗ることで、塗装を守ることができ、傷もつきづらくなるでしょう。 ワックスは液体とハンネリタイプの2つがあります。持続性を求めるならハンネリタイプ、仕上げのしやすさを考えるなら液体タイプがおすすめです。液体タイプは広範囲に塗りやすいものの、液だれしてムラができることも多いため、塗布する際には注意しましょう。
修理を業者に依頼した場合にかかる費用と時間
大きなひっかき傷が付いた場合は、DIYでの補修は難しいことが多いです。無理に自分でやると余計に悪化することも多いため、業者に修理してもらわなければなりません。この時気になるのが、費用と修理にかかる時間でしょう。修理の費用相場と時間の目安を知って、依頼先の業者選びに役立てましょう。
修理費用の相場
修理費用の相場は傷が付いた箇所、程度によって違いますが、どの業者に依頼するかでも異なります。同じ箇所で、同じ程度の傷でも費用が異なる場合は多いため、注意しなければなりません。
ディーラーに依頼した場合の金額の目安
ディーラーに依頼した場合、ひっかき傷の箇所別の金額は以下が目安です。
- ドア 28000円~40000円
- バンパー 13000円~25000円
- ボンネット 30000円~48000円
傷の大きさが同じでも、箇所による費用の違いは大きいため注意が必要です。費用に差が出るのは、もともとのパーツの金額が関係しているためです。パーツの金額が高いものほど、修理の費用も高くなります。また、これは10×10cmの場合の目安で、広範囲の傷の場合は、費用もさらに高額になりやすいです。
カーショップなら割安にできる
カーショップは業者によって費用の相場が違いますが、ディーラーよりは安くなるのは確かです。傷の程度によって違いはありますが、費用を安く抑えたいならカーショップがおすすめと考えましょう。 品質を求めるならディーラー、費用を求めるならカーショップです。カーショップでも修理の腕自体はきちんとしている業者が多く、大抵の傷なら綺麗に直してくれます。
修理に掛かる時間の目安
軽いひっかき傷なら修理にはほとんど時間はかかりません。即日完了が多く、浅い傷なら30分から1時間程度で終わることもあるでしょう。傷が深くなると時間がかかりやすく、特に凹みを伴う場合は注意が必要です。凹みがあると場合によっては部品交換も必要で、複数日時間がかかることもあります。 交換作業自体はすぐに終わりますが、パーツの有無によって必要な時間は大幅に変わります。在庫があるならすぐに対応してもらえますが、なくて取り寄せだと時間がかかりやすいことは理解しておきましょう。また、修理で対応の場合は、業者の混み具合にもよります。1~3日程度は必要なことが多いです。
車のひっかき傷を綺麗に直そう
ひっかき傷は車傷の中でも特にできやすく、厄介な傷です。放っておくと傷内部にサビが広がり、二次的な被害を起こすこともあるため注意しなければなりません。ひっかき傷は業者に依頼するだけではなく、自分で直すことも可能です。傷の程度に応じて対処法を変え、上手に直して愛車を綺麗に保ちましょう。
ただし、もともと車が古いなどの理由で買取に出す予定だった場合は、下手に自分で修理してから出されるよりも、そのまま買取に出した方が高値になる事が多いです。これは素人が修理する事によって余計に直しにくい状態になってしまい、現状復帰する為に買取店が更に手を加える事になるのです。
また、プロの修理屋に依頼することもオススメしません。完璧に修理することで査定額は多少上がるでしょうが、修理費用以上に査定額が上がる事はありませんので、この場合でもそのまま買取に出した方が査定額はトータルで見ると高くなるのです。
なお、あまりにもへこみがヒドイ場合は通常の中古車買取では値が付かない可能性がありますので、事故車や故障車でも買取を行ってくれるカーネクストに申し込みする様にしましょう。
カーネクストであれば、海外販路を持っている業者ですので、車種や条件次第では日本向けの業者よりもはるかに高額な査定が出来る事もあるでしょう。