改造車に乗っている場合、心配になるのが保険の適用です。事故などの際に、車を改造していることで賠償金が減額される、あるいは全く補償されないなどにならないのかと、心配する人は多いでしょう。安心して改造車を楽しむためにも、改造車の事故と保険についての知識を深めておきましょう。
目次
改造車で事故を起こしたときの保険会社の対応
市販の車に乗っている場合は、保険の適用条件を満たしていれば補償を受けることはできます。しかし改造車の場合は改造の程度や、保険会社によって対応が異なるので注意しなければなりません。改造車でも保険を受けることはできますし、市販の車同様の補償となる場合もあります。 ただ、さまざまな条件によって受けられる補償の内容は異なりますので、保険会社がどのような対応を取るのか、状況別に知っておきましょう。
ドレスアップなら問題なし
ひとくちに改造といっても範囲はさまざまですが、種類は大きく2つに分けられます。車の改造は、走行性能に影響する改造、あるいは見た目を変えるだけのドレスアップの2つであり、基本的にはドレスアップなら問題なく保険が適用されます。 ドレスアップの例としては、マフラーの交換やタイヤ、ホイールの交換などが挙げられ、これらであれば市販の車と同様に保険を受けることができるでしょう。
車検に通らない改造は補償されない
改造の定義は保険会社ごとに違いますが、共通しているのは車検に通るかどうかが重要視されるということです。改造といっても、保管基準を満たした範囲でいじる分には問題なく、法的な罰則などもありません。保安基準の範囲を超えての改造は、違法改造となり車検には通りませんし、保険の適用範囲からも外れます。 違法改造はいろいろありますが、手軽なものでいえば、フロントドアのガラス両サイドに着色フィルムを貼るなどが挙げられます。これらの改造だけでも、保険対応ができなくなる可能性が高いので注意しましょう。
改造にかかった費用は賠償されない
保安基準の範囲内であれば、改造していても保険の適用は受けられますが、賠償が適用されるのは、車の基本部分の修理費についてのみです。改造にかかった費用は立証が難しいため、基本的には補償は受けられないと考えましょう。 車の改造には費用がかかることも多いですし、中には車本体よりも高くつくこともありますが、保険で補償されるのは基本的な修理費に限られます。
改造申請している場合は保険が使える
保険会社によって改造車への対応は異なりますが、基本的には改造していても問題ないと判断されれば、保険の適用は可能です。そのため大幅な改造をしていたとしても、改造申請をおこない保険会社にもその旨を伝えていれば、保険を使える可能性が高くなります。 公認の改造車であることを示すには、車検証の提示が必要になります。保険加入時に、改造車と記されている車検証を提示すれば、契約もスムーズに進められるでしょう。
改造車で事故を起こしたときの注意点
改造車で事故を起こすと、本当に保険は適用されるのか、いくらくらい賠償してもらえるのかなど、不安になりパニックになってしまうことも多いです。事故になれば興奮状態になることも多く、適切な判断ができないことも多いため、事前にどのように対応すべきかを知っておくことが大切です。 事故を起こせばすぐさま対処し、事故処理に努めなければなりません。事故当初の対処次第で、その後の処理のスムーズさなども違ってきますので、注意点を正しく理解して間違った対応をしないようにしましょう。
現場から立ち去らない
事故を起こすとパニックになって、すぐにその場から離れたくなりますが、それはNGです。事故を起こせば負傷者の確認をし、お互いの安全を確保しなければなりません。負傷者がいれば救護し、必要であれば救急車を呼びましょう。 また現場を検証してもらう必要があるため、警察も呼ぶ必要があります。事故現場はそのままの状態で保存しなければなりませんが、後続の車の邪魔になったり、二次的な事故につながる危険性があったりする場合は、車は安全な場所に移動させましょう。
すぐに保険会社に連絡する
警察を呼んで事故処理をしてもらえば、すぐに保険会社に連絡して、事故が起きたことを伝えましょう。事故の賠償をしてもらうためには、事故の日時や状況など、概要を詳しく保険会社に報告する必要があります。事故の状況を判断して、賠償の金額などを決定しますし、間違いなく正確に伝えることが大切です。 連絡を後回しにすると、事故の記憶があいまいになりますし、覚えているうちに素早く連絡することを心がけましょう。
賠償される場合はしっかり交渉する
賠償責任が相手にある場合は、改造した社外品パーツを元の状態に戻してもらえるように、相手の保険会社と交渉をおこないます。このとき純正のパーツをすすめられる場合もあるので注意しましょう。事故をきっかけにパーツを戻したいのであれば問題はありませんが、改造車のまま乗り続けたいならしっかり交渉しなければなりません。 また、自分で交渉するのが難しい場合は、保険会社に依頼して代理でおこなってもらいましょう。保険会社同士で交渉してもらった方が、話がスムーズにまとまりやすいですし余計な手間もかかりません。
修理代が高額な場合は廃車を検討する
事故の故障により、修理にかかる金額が多くなってしまった場合は、修理せずに廃車にした方が良いこともあります。修理しても何らかの欠陥が残る場合は多いですし、費用がかかりすぎる場合は、賠償金だけでは足りず自己負担分が発生する可能性もあります。 廃車にして買い替えた方が、お得になることも多いですし、修理だけではなく廃車による買い替えなども検討し、よりお得な方を選びましょう。
車の改造は保険会社に相談してからおこなおう
改造車であっても保険を受けることはできますが、どの程度適用されるのかは会社に違います。また改造の程度によっても、適用される範囲は違うため、改造をおこなうなら保険会社に相談することが大切です。改造車こそきちんと保険に加入することが大切ですので、適用範囲に合わせて、カスタムを楽しみましょう。