事故を起こした場合、相手方への損害賠償の支払いや自身の車の修理費など、さまざまな費用がかかります。過失割合に応じて相手からも補償を受けられますが、それでも任意の保険には加入しておいたほうがよいでしょう。 任意保険に加入していれば、適用範囲に応じて補償を受けられますが、保険を適用させれば等級はダウンします。中には一気に3等級ダウンすることもありますので、保険の適用と等級の関係を理解して、上手に保険を使いましょう。
目次
3等級ダウンの事故
事故で保険を適用させれば、等級はダウンしますが、どんな事故に適用させたかによって、等級の下がり方は違います。3等級ダウンする事故となれば、かなり重大な事故になりますが、日常生活の中でも起きる可能性は十分にありますので、どんな事故が該当するのか知っておきましょう。
どんな事故が3等級ダウンなのか
3等級ダウンとなるのは、対人賠償保険を使う事故、対物賠償保険を使う事故、車両保険を使う事故などが該当します。それぞれ相手にケガをさせる、物を壊してしまう、車を破損させてしまうなどですが、交通事故はほとんど場合でこれらに該当します。3等級ダウンは、いつでも起こりえることと頭に入れておきましょう。
当て逃げされても等級ダウン
事故は自分で起こしてしまうだけではなく、自分が被害に遭って巻き込まれることもあります。しかし、当て逃げなど完全に相手に過失がある場合でも、保険を使って修理をすれば等級は下がるので注意しましょう。どんな理由であれ、基本的には保険は適用させれば等級はダウンしますので、傷の程度や修理費に応じて、保険を適用させるべきか考えることが大切です。すべての場合で保険を適用させていると、すぐに等級はダウンするので注意しましょう。
保険料への影響はどうか
等級ダウンした場合に考えなければならないのが、保険料への影響です。保険料の支払い額は、等級によって違っており、等級が高いほど割引率が高く、保険料も安くなります。保険を使用すれば、等級が下がり、日々の保険料支払いの負担は増えますので注意しなければなりません。
自動車保険の等級制度
自動車保険にはさまざまな種類があり、会社によってプランなど異なりますが、基本的には共通して等級制度が採用されています。等級制度は事故リスクに応じて割引率が変わるというもので、事故リスクが低いほど等級は上がり、保険料の割引率も高くなります。もっとも高いのは20等級であり、事故なしの状態なら最大63%の割引です。
3等級ダウンした保険の割引率
もともとどの等級だったかによっても異なりますが、3等級ダウンすれば、保険の割引率も一気に下がってしまうことは理解しておきましょう。たとえば20等級から3等級ダウンした場合、17等級となり、翌年からの保険の割引率は38%となります。 等級ごとにどれくらい割引率が低下するかも異なりますが、多くの場合で半分程度になることは覚悟しておかなければなりません。
事故有係数と事故なし係数
保険料の割引率は、等級によって決まりますが、同じ等級でも事故ありと事故なしの場合で割引率は異なります。事故ありの場合は、事故リスクが高いとして、同じ等級でも割引率は低くなってしまうので注意しましょう。 ただし、事故を起こしたからといって、以降ずっと事故ありとみなされ、割引率が低下するわけではありません。1等級ダウンなど、軽度の事故の場合は1年間事故なしで過ごせば、事故なしの割引率に戻ります。3等級ダウンの場合は、3年間事故なしで過ごさなければなりませんが、3年間無事故なら割引率も戻ります。連続して事故を起こしていると、事故有係数の適用年数は増加し続けますので、注意しましょう。
1等級ダウンの事故について
保険を適用すれば等級はダウンしますが、事故の内容によっては1等級ダウンだけで済むこともあります。1等級ダウンの場合は、比較的軽度な事故ですが、軽度ゆえに日常的に起こりやすくもありますので、どんなものが該当するのか知っておきましょう。
1等級ダウンの事故
1等級ダウンの事故としては、盗難や自然災害などでの被害、いたずらなどによる傷などが挙げられます。飛び石や10円傷など、軽度の傷を伴う事故も該当しますので、損傷の具合としては軽いことが多いでしょう。
保険の使用について
軽度の事故で保険を適用させた場合、1等級ダウンとなりますが、1等級でも下がれば保険料は上がりますし、事故有係数もつくため、割引率は下がります。軽度の傷なら、修理費も安い場合が多いため、等級を下げて保険料を高くしてしまうより、自己負担で修理したほうがお得になるケースも多いです。 保険に加入しているからといって、必ずしも保険を使う必要はありませんので、場合によってはあえて使わない選択も大切です。
ノーカウント事故について
事故で保険を適用させれば、基本的には等級はダウンしますが、例外として等級が下がらないノーカウント事故もあります。ノーカウント事故は、人身傷害や搭乗者傷害の場合のみ適用可能で、弁護士特約、ファミリーバイク特約、個人賠償特約などを使った場合が該当します。 これらの場合なら、保険を使っても等級は下がりませんので、どんなに軽度でも適用させて補償を受けたほうがお得でしょう。
等級ダウンしないように事故には気を付けよう
任意保険はもしもの事故の備えとなるものですが、基本的には使わないに越したことはありません。保険は使わなければ等級が上がりますし、割引率も上がってよりお得に利用できます。事故で適用させれば、等級は下がり、保険料負担も増えますので、事故を起こさないよう日頃から気をつけ、安全運転を心がけましょう。