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どうして自動車を解体するのか|リサイクルの流れや再利用の方法

自動車を処分する方法はさまざまであり、買取業者に売却したり、ディーラーの下取りに出したりなど、複数の選択肢があります。また、売却するだけではなく、解体して処分することもありますが、なぜ不要になった自動車は解体してしまうのでしょうか。 解体には費用や手間がかかりますし、一見面倒にも思えますが、実はこれにはさまざまな意味があります。自動車は単に捨てるために解体されているわけではありません。解体にはさまざまな意味や目的がありますので、処分された愛車がその後どうなるのか知っておきましょう。

自動車の解体とは何をするのか

そもそも自動車の解体とはどのような作業なのでしょうか。解体といっても、バラバラにして処分しているわけではありません。解体と言えば、部品を分解して焼却処分するなどのイメージを持つ人も多いでしょうが、自動車における解体は意味合いが違っています。 自動車における解体とは、各パーツをバラバラにし、部品に戻してリサイクルの流れに乗せることです。自動車は多くが金属と樹脂でできており、たとえ動かないとしても重要な資源です。そのまま処分すればかなりの資源が失われることになりますので、解体してリサイクルに回し、また自動車や部品、その他の金属製品としてよみがえらせます。

自動車の解体に関する法規

自動車を解体することにはリサイクルの側面が強くありますが、これは慈善事業や業者のCSRの一環としておこなわれているわけではありません。解体については法律で定められており、一定の取り決めによっておこなわれています。 解体に関する法律は、実は自動車を利用する人には密接に関わっているものですので、どのような取り決めがあるのか知っておきましょう。

自動車リサイクル法の役割と関連業種

自動車の解体については、自動車リサイクル法という法律で決められています。これは車を廃棄する際に、リサイクルにかかる料金を、一部自動車の所有者が負担することを取り決めたものです。いわゆるリサイクル料金がこれに該当し、これを支払うことで、リサイクル法を守っていることになります。 また、法律で自動車のリサイクルができる業者も決められており、国から認可を受けた工場を持っている業者でなければ、解体はできません。認可業者以外の解体は違法になるため、自動車のリサイクルについては、法律で細かく設定されています。

解体業者の区分と関連団体

自動車の解体には、実はさまざまな業者が関わっており、解体業者はひとつではありません。解体業者の区分としては、引取業者、解体業者、フロン回収業者、破砕業者などが挙げられ、それぞれで役割が違っています。これらの業者、団体の手を経ることによって、自動車は解体され、リサイクルされています。

自動車を売却せずに解体するメリット

自動車を処分する際に、業者に売却してしまえば少なからずお金がもらえます。解体して処分する場合はそうはいかず、反対に解体費用がかかってしまうことが多いです。そのため、メリットを考えれば売却を選ぶ人も多いでしょう。しかし、実は解体を選ぶことにもさまざまなメリットがあります。なぜ売却ではなく解体を選ぶのか、メリットを把握して理解を深めましょう。

解体して廃車する際に還付金を受け取ることができる

自動車を解体して処分する場合には、廃車の手続きを取ります。廃車手続きは自動車の名義を抹消するものですが、抹消登録をすることで、還付金の受け取りが可能です。還付金額は条件によって変動しますが、解体して廃車すれば少なからず返還されるため、場合によっては売却よりもお得になることもあります。廃車時に戻ってくる還付金は、大きく3つに分けられます。

解体時の自動車税、自動車重量税の還付

廃車時に還付される税金としては、自動車税、自動車重量税の2つが挙げられます。自動車税は廃車時から次の年度までの期間を月割で計算し、重量税は車検の残存期間に応じて還付金額が決定します。自動車税は廃車登録をすれば還付されますが、重量税については解体を前提とした永久抹消登録でのみ、還付される税金です。 自動車税は廃車登録で自動的に還付されますが、重量税は申請が必要なので忘れずに手続きをしておきましょう。

自賠責保険料の還付

廃車手続きをした際には、自賠責保険料の還付も受けられます。自賠責保険料は、申請時に保険の有効期間が1カ月以上残っている場合にのみ還付が可能です。自動車税などは、廃車手続きの際にまとめて申請できますが、自賠責保険料は廃車登録後に別途手続きが必要になるので注意しましょう。 還付金は廃車登録をした日ではなく、自賠責保険の還付申請をおこなった時点で決定しますので、廃車後は素早く手続きをしておかなければなりません。

廃車の手続きは不要な場合も

解体業者に自動車の解体を依頼した場合は、廃車手続きを代行してもらえることもあります。すべての業者で廃車までしてくれるとは限りませんが、それでも代行サービスをおこなっている業者は多いです。廃車手続きは自分でもできますが、書類を揃えたり、平日に運輸支局の窓口で手続きを行ったりと面倒なことが多いです。 業者に代行してもらえれば、書類を渡すだけで簡単に手続きが済みますし、業者によっては無料で代行してくれることもあります。

廃車した自動車の部品をリサイクルできる

売却した場合は、そのまま再販されますが、解体すれば自動車の部品はすべてリサイクルの流れに乗ります。大切に使った愛車も、リサイクルの流れに乗ることで環境に配慮して処分できますし、また、別の自動車や金属製品などの一部としてよみがえります。最後まで愛車を大切に扱い、誰にも迷惑をかけずに処分したいなら、解体するのがおすすめです。

査定額がゼロでも廃車の買取金がつく

解体する場合は、費用を支払わなければならないと考える人が多いですが、実はそうとは限りません。業者によっては、解体する車でも買い取ってくれることがあります。廃車同然で普通なら値が付かないようなものでも、解体業者は値段を付けてくれるのです。 これは解体業者は車としてではなく、金属資源として買取をおこなうからです。たとえ自動車として機能しないほど損傷していても、金属資源の価値があるため、数万円程度で買い取ってもらえます。

自動車を解体してリサイクルする手順と部分

自動車は解体すればリサイクルに出されますが、どのような手順でリサイクルされているのか、知らない人は多いでしょう。自動車は安全かつ環境に配慮して使用することが義務付けられていますので、解体後のリサイクルの流れについても理解しておくことが大切です。また、さらに理解を深めるためにも、どの部品がリサイクルされているのかも知っておきましょう。

使用できる部品を回収する

自動車を解体してリサイクルする場合、まずは使用できる部品を回収します。エンジンやボンネットなど、そのまま再利用できる部品もあれば、その他の部分で鉄や素材して再利用するものもあります。ひとくちにリサイクルといっても、すべて一括でおこなわれているわけではありません。 パーツごとに方法や手順は異なるため、用途に合わせた方法で解体されます。まずはそのまま再利用できる部品を回収して、次のステップへと進みます。

解体して得られるリサイクル部品

使用できる部品をすべて回収すれば、ここから本格的に解体へと進みます。自動車は解体することで、さらに細かい部品に分けられますので、それらをすべて回収していきます。たとえば、エンジンでも解体すればエンジン本体と細かいエンジン部品に分けられますので、これをその他のパーツでもおこなうと考えましょう。解体して得られるリサイクル部品は非常に多く、細かく解体して一切無駄なく部品を回収していきます。

素材としてのリサイクル

解体して廃車にする自動車は、部品などが壊れているものも多く、故障しているものはそのままでは使用できません。しかし、そのままで使用できないからといって廃棄処分するのではなく、部品として使えないものは素材としてリサイクルします。 自動車はさまざまな素材が含まれており、触媒、非鉄金属、タイヤなどは素材としてリサイクルする部分に該当します。素材部分も回収し、溶かして再利用を図るなど、機能しない部分までリサイクルされていることは頭に入れておきましょう。

スクラップ処理後のリサイクル

リサイクルできる部品をすべて取り除き、ほぼフレームだけになった状態をガラと言います。自動車のガラは、ここからスクラップ処理にかけられ、さらに細かく粉砕されて資源のリサイクルに出されます。ガラでも金属部分などは残っているため、細かく粉砕すれば再利用は可能です。 プレスして粉砕した後には、ほとんど何も残らないため、きちんと解体すれば、資源が無駄になることはありません。

解体後の部品の利用法

自動車は解体すれば、さまざまな資源としてリサイクルされますが、部品として使用できるものは、そのままの形で再利用されていることが多いです。解体後の部品はさまざまな場所で活用されており、実際に利用したことがある人もいるのではないでしょうか。 自動車のリサイクルは気が付かないように思えて、実は身近なところにあるものですので、解体部品がどのように活用されているか、また自身で活用できるかを知っておきましょう。

解体部品から純正中古パーツを入手する

解体部品は多岐に渡るため、しっかり探せば純正のパーツが中古で見つかる場合もあります。純正品のパーツを新品で購入するとなれば高額になるため、中古品を代用して修理や整備などの費用を抑える人も少なくありません。 解体業者の取り外した部品であれば、洗浄してから販売されていますので、品質には問題ありません。しかし、状態は良くても動作保証は絶対ではないため注意が必要です。新品部品よりは保証が少ない分、状態が綺麗な部品でも、安値で購入できるのが特徴です。

買いたい部品のリビルト品やリンク品を入手する

リサイクル部品は、リビルト品やリンク品としても販売されていますので、これを入手して活用することも多いです。純正の中古部品などよりは品質は劣ることが多いですが、より安価で使用できるため、安い値段で整備や修理をしたい人にはおすすめでしょう。 リビルト品などは、解体車からリサイクルされた部品であるため、動作保証はさらにないものと考えておかなければなりません。

解体部品から車検用の対応部品を入手する

解体部品は多岐に渡るため、場合によっては社外オプションなど、改造に使える部品がリサイクル品の中から見つかることもあります。廃車した車に取り付けられていたということは、車検に対応している可能性が高いため、規定の基準内の部品が見つけられる可能性も高いです。 改造用のオプションパーツは高額になることも多いですが、解体部品から中古品として買う場合は、比較的安価で購入できます。

解体業者から解体前の車を入手する

自動車は解体業者の手に渡ったからといって、すぐに解体処分されるわけではありません。一定期間保管されていることもあり、交渉すれば解体前の車を譲ってもらえることもあります。もちろん、解体業者の所有物となっているため、少なからずお金はかかりますが、それでも普通に買うよりははるかに安値で購入可能です。 自動車は解体後に再利用することばかりイメージされがちですが、実は解体前のものでも活用できることは知っておくとよいでしょう。

自動車の解体業者

自動車の解体について理解を深めるためには、解体業者そのものを知ることも大切です。解体業者ではさまざまなことをおこなっていますので、どのような役割を担っているのかを知っておきましょう。

自動車の解体業者の取り組み

自動車の解体業者=自動車を解体しているだけ、というイメージがありますが、実は他にもさまざまな取り組みをおこなっています。自動車の解体は、あくまで業務のひとつであり、役割としてもごく一部です。他にどのような取り組みをおこなっているのかを知り、社会的な役割や重要性を理解しておきましょう。

解体業者によるリサイクル活動の促進

解体業者では、単に自動車を解体するだけではなく、リサイクル活動の促進に積極的に取り組んでいます。現在の自動車のリサイクル率は80~90%であり、これは業者間で連携を取り、リサイクルへの意識を高めていることも影響しています。 業者同士でリサイクルの意識を持つことで、資源を無駄にすることなく、再利用を図っていると言えるでしょう。

コンピュータによる在庫管理の一元化

解体業者では、業者間でネットワークを設立して、リサイクル部品の情報を、コンピュータで一元化して管理しています。リサイクル部品の在庫管理を一元化することによって、それぞれで情報を共有し、リサイクル活動の促進を図っています。

不要になった車を解体してリサイクル

自動車は不要になれば処分しますが、環境への配慮を考えるのであれば、きちんとリサイクルに出すことが大切です。自動車は解体すれば、細部までリサイクルが可能であり、ほとんど無駄なく部品や資源としてよみがえります。 環境に配慮するのは、自動車に乗る人の義務でもありますし、リサイクルの意識を持っておくことが大切です。自動車の解体について正しい知識を身に付けて、環境への配慮や意識を持って、愛車を処分しましょう。

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