オルタネーターは車に搭載された発電のための部品で、これが故障すると車が動かせなくなります。単なるバッテリー切れとは違い、電気を起こすこと自体ができなくなるため、完全に故障する前に対処しなければなりません。 故障診断の方法は複数あり、不具合の程度が軽いうちに素早く対処することが大切です。早めにメンテナンスをすることで、被害を最小限に防ぎ、修理のコストも押さえられるでしょう。 日常的な使用から予兆を見抜くことが、オルタネーターの故障を防ぐ大切なポイントです。自分でできる故障診断の方法や故障の場合の対処法を知り、不具合にも上手に対応しましょう。
目次
オルタネーターが故障する予兆とは
オルタネーターは故障する前に予兆が出るため、まずはそれを把握し、不具合を見抜くことが大切です。完全に故障してしまうと電力の供給ができず、車を動かせなくなります。 故障してからでは対処にも手間がかかるため、壊れる前に手を打つのが基本と考えましょう。故障の予兆は大きく4つに分けられます。
バッテリーランプがいつまでも消えない
オルタネーターは発電装置のため、ここに不具合があるとバッテリーランプが点灯します。バッテリーランプは充電がきちんとできていない場合に点灯し、充電が問題なくできていると消える仕組みになっています。 通常なら走行しているうちに充電され、ランプは消えますが、これがいつまでも消えない場合は、オルタネーターが故障している可能性が高いです。 充電はすぐに完了するわけではないため、バッテリーランプが点灯していても、ある程度走らせてみなければなりません。長時間走らせても消えないなら、バッテリーそのものか、オルタネーターに問題がある可能性が高いでしょう。
走行中に異音が聞こえてくる
走行中に異音が聞こえてくる場合も注意が必要で、特に加速時にいつもと違う音がする場合は故障を疑いましょう。車は長く使っていると、各種部品が消耗し、劣化します。 ベアリングが摩耗したり、ベルトが劣化したりしていると、走行中に異音が発生します。年式が古い、あるいは走行距離が長い場合は異音の発生も多いため、注意して耳を傾けることが大切です。
エンジンの回転数が安定しない
オルタネーターが正しく作動していないと、バッテリーが充電されず、エンジンの回転数が安定しません。どれだけ走行してもエンジンの回転数が安定しない場合は、オルタネーターの故障を疑いましょう。回転数が安定しない場合は、無理に使用するのは控え、素早く点検、整備することが大切です。 場合によっては走行中にエンジンが止まってしまい、事故に発展するケースもあるため、エンジンの不調が続くなら、すぐにプロに見てもらいましょう。
車内装備に異常がある
車内装備、特に電気系統の装備に異常がある場合も、オルタネーターの故障が疑われます。オルタネーターが正しく作動していないと、車内灯が付かなかったり、クーラーが使えなかったりします。 電気系統はそれ自体が故障している可能性もあるため、一カ所不具合があるからといって、オルタネーターが故障していると決めつけるのは危険です。複数箇所チェックし、その他も不具合が発生しているなら、オルタネーターの故障を疑うと良いでしょう。
オルタネーターの故障診断を自分でする方法
オルタネーターは故障前に予兆が現れやすいため、それらから不具合を察知することが大切です。ただ、それだけではなく、万全を期すなら自身で故障診断を行い、定期的に状態を確認しておくと良いでしょう。 定期的に故障診断をしておくと、分かりやすい予兆が出る前に不具合を見抜くことができ、被害も少ないうちに対処できます。故障診断の方法は複数あるため、併用しながら状態を細かくチェックすることが大切です。
診断で迷ったらメーカーの整備マニュアル
オルタネーターの故障診断は自身で行うことも可能ですが、ある程度車の知識があり、メンテナンスに慣れている人でないと難しいことも多いです。そのため、診断に迷った場合は、メーカーの整備マニュアルを参考にして、点検・整備を行いましょう。 マニュアルには点検の項目やどれくらいのペースで行うべきかといった、メンテナンスの方法が詳細に記載されています。診断時の参考になるため、予備知識がない人はまずはこれを見ながら行うと良いでしょう。
市販のオルタネーターチェッカーも使える
オルタネーターの状態を確認するアイテムには、オルタネーターチェッカーというものがあります。これは市販されているものでも十分使え、チェッカーで電圧状態を調べることで、正常に作動しているか確認できます。 オルタネーターチェッカーでは、バッテリーとオルタネーター両方の電圧状態を確認できるため、故障が疑われる場合は一度チェックしてみると良いでしょう。 電圧状態に不具合がある場合は、さらに細部まで確認し、分からない場合は無理せず業者に見てもらうことも大切です。故障診断は自分で全て直す必要はなく、完全に壊れる前に不具合を見つけることが目的と考えましょう。
サーキットテスターだけでの故障診断はNG
サーキットテスターを使うと、出力電圧の状態を確認できますが、これだけで故障診断を行うのは危険です。出力電圧に異常があっても、どこが故障しているかまでは分からず、そもそもオルタネーターの不具合かどうかも判別が難しいです。電気系統全般で何らかのトラブルがあることは分かりますが、詳細まで把握できないことは理解しておきましょう。
オルタネーターの点検方法
オルタネーターを点検する場合は、方法が大きく2つに分けられます。充電不足と過充電の場合で、点検の方法は違うため、それぞれの手順を知っておくことが大切です。
充電不足ならドライブベルトの確認から
電気系統のパワーが不足しており、充電不足が疑われる場合は、ドライブベルトから確認しましょう。充電不足の場合は、以下の順に確認するのがおすすめです。
- ドライブベルトの緩さ
- バッテリーの電圧
- スターター回路
- ブーリー
これらを点検して、不具合を見つけた場所から修理や部品交換で対処しましょう。
過充電ならエンジンの電圧測定から
電圧計の数値に異常があったり、エンジンから異臭がする場合は過充電の疑いがあります。過充電の場合は、以下の順に点検しましょう。
- エンジンの電圧測定
- インパネの電圧
- チャージランプ
- バッテリーの温度
過充電の場合は電気系統がショートを起こす危険性もあるため、無理に動かさないことも大切です。
オルタネーターが故障したら
オルタネーターが故障した場合は、速やかに使用を停止し、業者に引き取ってもらい修理しましょう。故障しても多少なら走れる場合もありますが、いつエンジンがストップするか分かりません。事故の危険性が高いため、無理に使用を続けないことが大切です。 オルタネーターの修理費は高額になりやすく、コストを下げるためには完全に故障する前に直すことが基本です。故障してしまった場合は、修理だけではなく買い替えを検討しても良いでしょう。
予兆があったらオルタネーターの故障前に修理しよう
オルタネーターは、完全に故障する前に対処することが大切です。故障する前には予兆が現れるため、それを見逃さないようにしましょう。少しでも異変を感じたなら、自分で故障診断をするのもひとつの方法です。故障を察知し、素早くメンテナンスを行うことが、車を安全に使い続ける秘訣です。