故障車は自走できない場合もあるため、移動させるのは大変ですが、業者に依頼すれば長距離でも輸送が可能です。業者に頼む場合、空輸や海運などさまざまな方法がありますが、もっとも多いのは陸送です。陸送とは、陸路を使って車を運ぶ方法であり、故障車の輸送方法としては一般的と言えます。 陸送をおこなうには費用がかかりますし、輸送時のポイントなどもさまざまあります。陸送についての知識を深めて、故障車を上手に輸送しましょう。
目次
故障車を陸送する方法
故障車を陸送する場合は、さまざまな方法で輸送をおこないます。どのような方法で輸送するかは、出発地や目的地によって異なりますので、それらの違いも把握しておきましょう。
内地の輸送の場合
内地の輸送の場合は、基本的には積載車やレッカーによって移動させます。故障車の輸送方法としてはこれらがもっとも一般的であり、長距離の輸送だけではなく近距離での移動も可能です。基本的には積載車などがあれば、故障車の移動が可能ですが、場合によってはクレーン車や特殊な積載トラックが必要になることもあります。 これらの特殊な車両による輸送が必要な場合は、依頼する際に申し出て出動が可能か確認しておかなければなりません。
沖縄または海外への輸送の場合
沖縄や海外など海を渡る輸送の場合は、陸送だけではなく船舶による海運が必要になるケースが多いです。特に海外の場合は、陸路だけでの輸送はできませんので、船を使うことは理解しておきましょう。国内であれば、海を隔てている場合でも場所によってはフェリーなど、簡易的な船舶での輸送が可能な場合もあります。 また国内であっても一部離島など対応していない地域もあるので注意しましょう。陸送に限って考える場合は、基本的には内地での輸送と思っておくことが大切です。
特殊な車の故障車を陸送する場合
普通自動車で内地間など、陸送のみの対応となる場合は、輸送に関して基本的には問題はありません。注意が必要なのは、特殊な車両を輸送する場合であり、内地間での陸送であっても輸送の条件が異なることもあるので注意しましょう。 特殊な車両の場合は、運送に使用する装置や車両も通常とは別のものを使用しなければなりませんし、業者によっては輸送を断られる可能性もあります。どんな車が特殊な車両に該当するのかを知り、輸送の際のポイントなども理解しておきましょう。
重量の重い車の輸送の場合
トラックやキャンピングカーなどは、車の種類としてはそれほど特殊ではありませんが、普通自動車などに比べて重量があるため、陸送では特殊車両の扱いになります。重量のある車は、別途料金が必要になることが多く、輸送費も高くつきやすいので注意が必要です。業者ごとにいくらかかるかは異なりますが、重量が重くなるほどに費用は高くなると考えましょう。 料金を考える対象が重量となっているため、改造の有無に関係なく車両重量が重ければ、すべて別料金が発生します。
水没事故の事故車の場合
水没車を輸送する場合、状況によって条件が異なります。単に水没によって故障した車を輸送するのであれば、通常と同じ方法で陸送ができますが、事故によって水没した車を引き上げ、輸送する場合は作業員が必要です。 車の引き上げに水中作業員と、特殊な車両が必要となるため別途料金がかかりますし、業者によって対応できるかどうかも異なるので注意しましょう。
放置された事故車の場合
事故車などが、自分の敷地内に不法に放置されている場合は、陸送による移動が可能です。移動後業者で保管してくれますので、仮に持ち主が現れた場合でも対応は可能です。注意が必要なのが、あくまで自分の敷地内に放置されている場合にのみ輸送が可能であることで、敷地外の車については手を出すことはできません。 敷地の近くに放置され、邪魔であっても陸送では対応できませんので、警察に相談するなど、別の方法で撤去してもらいましょう。
特殊な車の場合
車高の高い車、エアロパーツがついているなど、改造車であっても陸送は可能です。どの程度パーツがついているかにもよりますが、輸送に邪魔にならない程度であれば問題はありません。もちろん、過度な改造で特殊な積載車にも乗らない場合は輸送はできないので注意が必要です。 場合によっては、パーツの取り外しが必要なこともあるので理解しておきましょう。また、車以外でも、田植え機や耕運機、フォークリフトなどの作業車も輸送はできます。業者ごとに対応は異なりますが、基本的には重さや移動距離など、普通自動車と同じ料金体系となっていることが多いです。
陸送に関して特別な要求がある場合
陸送は単に目的地へ移動させるだけではなく、ほかにもさまざまな条件をつけての輸送が可能です。追加条件を付ける場合は、オプションとなるため料金が上がる可能性が高いですが、上手に使えばより便利に輸送サービスが利用できます。特殊な要求としてどんなお願いができるのかを知り、陸送をさらに便利に使いましょう。
当日陸送が必要な場合
陸送は車の積み込みから輸送と時間がかかることも多いですが、条件次第では当日輸送も可能です。故障車の場合、業者に持ち込みできないことも多いですが、自宅での引き取りだと当日輸送ができる場合もあります。当日輸送が可能なエリアは業者によって異なりますが、近場での移動なら当日の到着が基本となっていることは多いです。 また輸送日を指定したい場合は、別途業者との相談が必要です。自分の都合の良い日に届けて欲しい場合は、輸送のスケジュールについては早めに相談しておきましょう。
他人の目に触れないで運んで欲しい場合
レッカーなどで移動する場合は、外から車の状態が見えますが、これを見えない状態にして運んでもらうことも可能です。他人の目に触れさせたくない場合は、コンテナに積んでの輸送となるため、箱車のサービスがあるかを確認しておきましょう。 箱車での輸送は、別途料金がかかる可能性も高いですが、コンテナに完全にしまい込んで運べるため、車の様子を誰かに見られることはありません。ただしすべての業者が箱車を取り扱っているとは限りませんので、サービスを利用する際には事前に確認しておきましょう。
輸送後そのまま処分したい場合
故障車を輸送のあとそのまま処分したい場合は、事前に業者に申し出ていれば、そのまま処分から廃車手続きまでを代行してくれる場合があります。車の解体や廃車の代行にかかる費用を請求されることもありますが、すべての手続きをおこなってもらえるため、スムーズに処分が可能です。 故障車でも、事故などで明らかに修理できないと分かっている場合は、輸送と同時に処分までをお願いしておくと良いでしょう。
輸送費用の見積もり
輸送費用は業者によっても異なりますが、通常の場合、東京-大阪間で2~5万円程度、北海道から沖縄で10~15万円程度かかることが多いです。また特殊な車両の場合はさらに料金が上乗せされ、高額になるケースが多いので注意しましょう。 近場での輸送も可能ですが、距離が近いほど費用は割高になる傾向にあります。陸送は長距離の輸送をメインとしていますので、近距離の場合は自分でレッカーを呼んだり、ロードサービスを利用したほうが安く済むでしょう。
事故車や不動車の輸送はプロの業者に任せよう
故障車は、車検さえ切れていなければ自分で牽引することも可能ですが、牽引には高い運転スキルが求められます。自分で引っ張って移動させるのが難しい場合は、業者に依頼して輸送してもらうのがおすすめです。特に長距離の移動となる場合は、陸送の業者を利用しましょう。 業者ごとに料金の設定は異なりますが、長距離でも数万円で運んでくれることが多いです。業者を利用すれば、故障車もスムーズに移動させられますので、プロに任せて輸送サービスを便利に利用しましょう。