GT-Rは、日産スカイラインGT-Rの後継車として2007年12月に発売を開始しました。国産車の殆どは車名そのままに新型に移行するモデルチェンジがありますが、GT-Rにモデルチェンジはなく、毎年進化していくモデルイヤー制をとっています。そのため年次改良が行われるGT-Rには、一年毎のイヤーモデルが登場します。モデルチェンジがある車の場合、フルモデルチェンジの前後でリセールバリューに大きな影響があるのですが、モデルイヤー制をとっているGT-Rには、年次ごとの影響があるのでしょうか。
こちらでは、日産を代表する人気のスポーツカーGT-Rのリセールバリューはどのくらい高いのか、GT-Rのリセールバリューについて詳しく解説します。
GT-Rのリセールバリューはどれくらい?
GT-Rは2007年12月に登場し、発売から16年目を迎える人気の高いスポーツカーです。こちらではGT-Rのリセールバリューがどのくらい高いのか、解説します。
リセールバリューとは?
リセールバリューとは、新車で購入した車を3年後や5年後に売却する時どのくらい高く売れるか、売却時の価値を表した数値のことです。新車価格のリセールバリューまたは、新車の残存価値とよばれることもあります。
リセールバリューの数値は、新車購入して売る時の資産として参考にするだけでなく、車を購入するときの残価設定プランでも活用されています。残価設定プランとは、販売メーカー側が車のリセールバリューを算出し、新車購入から決められた年数後に車両を返却することを前提に、返却時の車両の残価を予め設定して、残価を除いた金額のみで新車が購入できるプランのことです。数年後に車を返却する代わりに当初の購入価格を抑えることができるため、一定期間ごとに車を乗り換える方や、初期費用をできるだけ抑えたいという方にとって、購入しやすくなるプランになっています。
リセールバリューは条件に従って算出しているため、車を所有している期間中に損傷や事故修復歴がついたり、レース等に使用するため違法改造していたり、平均的な走行距離を超えて過走行車になってしまっていると条件外になり算出された残価は保証されません。リセールバリューで想定した価値を保つには、一般的な車の利用方法を守る必要があります。
GT-Rのリセールバリュー(NISSAN GT-R 型式R35)
こちらでは、GT-Rのリセールバリューをご紹介します。GT-Rはモデルイヤー制をとっているため、毎年年次改良が行われます。こちらではGT-R発売開始年からのリセールバリューを、算出できる範囲で当時の新車価格からご紹介します。
GT-Rの15年落ち(2007年式)
グレード | 新車価格 | リセールバリュー |
ベースグレード | 777万円 | 49% |
プレミアムエディション | 834万円 | 64% |
ブラックエディション | 792万円 | 67% |
GT-Rの12年落ち(2011年式)
グレード | 新車価格 | リセールバリュー |
プレミアムエディション | 961万円 | 68% |
GT-Rの11年落ち(2012年式)
グレード | 新車価格 | リセールバリュー |
ピュアエディション | 875万円 | 62% |
GT-Rの6年落ち(2017年式)
グレード | 新車価格 | リセールバリュー |
ピュアエディション | 1023万円 | 93% |
GT-Rの4年落ち(2019年式)
グレード | 新車価格 | リセールバリュー |
ブラックエディション | 1277万円 | 94% |
GT-Rの3年落ち(2020年式)
グレード | 新車価格 | リセールバリュー |
ブラックエディション | 1277万円 | 94% |
プレミアムエディション | 1232万円 | 106% |
海外での人気はリセールバリューに影響する?
GT-Rは、モデルイヤー制をとっていて一年毎に年次改良があるため、その年の生産台数に限りがあります。高級スポーツカーではあるものの、人気が高いため注文する人も多く、生産台数以上の注文は受けられないため注文受付が終了してしまうと新車購入できなかった人も少なくありません。また、国外にも熱狂的な海外ファンがいる人気スポーツカーでもあるため、国内中古車市場にも多くの海外バイヤーが仕入れにきています。海外へ流出してしまうことで国内の流通数も減少するため、段々と希少車価値が上がり、最も年式の新しい3年落ちのGT-Rのリセールバリューについては新車価格を超えた取引が行われています。
リセールバリューが高くなるGT-Rは?
GT-Rの2024年モデルについて、2023年3月20日に日産自動車から詳細が発表されました。2024年モデルのGT-R発売時期は4月下旬とされており、NISMOシリーズのみ今夏発売予定です。こちらでは、GT-Rのリセールバリューが高いグレードやボディカラー、リセールバリューが高くなるオプション設定について解説します。
リセールバリューが高いグレード
2024年モデルのGT-RのグレードはNISMOシリーズを除くと6つあります。こちらのグレード一覧のなかで、リセールバリューが高くなるグレードは【Premium edition】です。
グレード | ミッション | エンジン | 新車価格 |
Pure edition | GR6型デュアルクラッチトランスミッション | VR38DETT | 13,750,000円 |
Black edition | GR6型デュアルクラッチトランスミッション | VR38DETT | 15,350,500円 |
Premium edition | GR6型デュアルクラッチトランスミッション | VR38DETT | 14,840,100円 |
Premium edition T-spec | GR6型デュアルクラッチトランスミッション | VR38DETT | 18,960,700円 |
Track edition engineered by NISMO | GR6型デュアルクラッチトランスミッション | VR38DETT | 17,650,600円 |
Track edition engineered by NISMO T-spec | GR6型デュアルクラッチトランスミッション | VR38DETT | 21,380,700円 |
GT-Rのグレードのなかで、Premium editionのリセールバリューが高い理由は、最も価格が抑えられたPure editionに比べてメーカーオプションの選択肢が拡大され、好みの一台にすることができるためです。将来的なリセール時にメーカーオプションは後付けできません。そのため、Premium editionは人気があります。
上記グレード一覧から除いたモータースポーツ専用チューニングがされているグレードのNISMOシリーズは、スポーツ性能に特化したグレードです。走りにこだわりがある方やレーシングマシンに近いモデルとして、コレクターからも高い人気があります。NISMOグレードは、台数自体がかなり限られているため中古車市場ではほとんど流通がありません。リセールバリューも高くなることは確実ですが、実情として流通する台数が少なすぎるために、リセールバリューの算出は難しくなっています。
リセールバリューが高い車のオプション設定
Premium editionで選択できるオプションのファッショナブルインテリア(内装色)と、オーディオのBOSEサウンドシステムは、リセールバリューが高くなる要因のひとつです。
ファッショナブルインテリア(内装色)は、内装の前席・後席等のシート、ステアリング、シフトノブ等のインテリアカラーを選択することができるメーカーオプションです。ファッショナブルインテリアのカラーバリエーションは、アンバーレッド、ライトグレー、タン、アーバンブラックの4色となっています。ファッショナブルインテリアを設定すると、ナッパレザーインストパネルも合わせて設定されるため、ナッパレザーの一枚使いによるインパネの仕立てにより、フロントパネルもさらに高級感が高まります。
また、リセールバリューが高くなるポイントとして、BOSEサウンドシステムがあります。BOSEサウンドシステムはPure editionには搭載されないオーディオシステムです。BOSEサウンドシステムを搭載したいのであれば、グレード選択時に注意しなくてはいけません。BOSEサウンドシステムは、11スピーカーの高品位オーディオになります。サウンドだけでなくノイズコントロールもすることが可能で、エンジン回転数が上がったとしても不快な音を感じにくいように、音の制御をすることで、乗員が心地よくドライブができるようになっています。
リセールバリューが高いボディカラー
2024年モデルのGT-Rは、グレードによって選択できるボディカラーが異なります。下記にまとめています。
グレード | ワンガン ブルー | バイブラント レッド | ミレニアム ジェイド | アルティメイト メタルシルバー | ミッドナイト パープル | ブリリアント ホワイトパール | ダーク メタルグレー | メテオフレーク ブラックパール |
有償特別塗装料金(円) | 330,000 | 0 | 165,000 | 330,000 | 165,000 | 44,000 | 0 | 44,000 |
Pure edition | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
Black edition | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
Premium edition | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
Premium edition T-spec | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
Track edition engineered by NISMO | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
Track edition engineered by NISMO T-spec | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
定番ではあるものの人気が高く再販しやすい色が、リセールバリューが高いカラーになっています。
そのため、リセールバリューが高くに人気のカラーというと、ベーシックなホワイト系のブリリアントホワイトパールになります。次点で人気のカラーはダークメタルグレーです。また、ワンガンブルーという塗装色は、スカイラインGT-RのR34型でイメージカラーとして設定されていたベイサイドブルーのオマージュカラーです。複雑な塗装が必要なため、ワンガンブルーは板金塗装修理が難しく維持に費用がかかる可能性はありますが、GT-Rファンから人気の色となっています。
GT-Rを高く売る方法
GT-Rは、日産を代表する人気の高いスポーツカーのため需要もありますし、買取査定でもあまり低い金額をつけられることはないでしょう。
しかし、ある程度の査定額が付くと満足してしまい、もっと高額査定を狙えた可能性があるのに、そのまま売却してしまう方も少なくありません。人気のGT-Rをより高く売却するためのコツをご紹介します。
海外輸出を前提に中古車買取業者に査定を受ける
GT-Rは、日本国内でも人気の高いスポーツカーですが、実は国内だけでなく海外でも人気が高い車です。
GT-Rの先駆車であり、1969年からの長い歴史があるスカイラインGT-Rは、ハリウッド映画やゲームにも登場していたことから海外での知名度が一気に上がり、国内外を問わず人気車となりました。特に、長期にわたり続いているシリーズ映画【ワイルドスピード】では4作品にスカイラインGT-Rが登場しているため、様々な世代に知られることとなりました。後継車であるGT-Rは、その人気を引き継いでいることから海外ユーザーファンも多いのです。
ワイルドスピードの劇中にもあったように、海外では車の所有者が自宅車庫で車の整備や修理をするといったことが少なくありません。メンテナンスがしやすい国産車は海外で人気があるのです。また、日本国内では法により車検を受けていなければ車は公道を走行出来ません。日本の中古車は車検を受けている前提で、メンテナンスをしているということを海外ユーザーは知っているため、日本車の信頼は厚いのです。
国内では買取金額に期待ができない「事故歴」「修復歴」がある車も、海外では走行できれば大きなマイナスにはなりづらいため、輸出前提の業者では買取がつくこともあります。特に、海外への輸出時には車一台として船に載せるよりも、解体してパーツに分けてコンテナ船に載せて輸送する方が輸出コストを大幅に抑えられるため、解体して輸出する車体に関しては事故歴・修復歴が査定に響くことがありません。
以上の理由から、海外での流通数はもともと少ないGT-Rですので、国内以上に希少車としての価値があります。国内大手の中古車店での査定を受けるのと同時に、海外輸出販路をもつ業者にも買取査定を受けて、高く買取査定がついた方へ売却をすることをおすすめします。
小さな傷・へこみの修理はしない
GT-Rは、高性能な加速力やパワフルなエンジンをもつスポーツカーです。GT-Rで高速道路でのドライブを楽しんでいると、道中の飛び石などで小さな傷やへこみができてしまっている可能性もあるでしょう。しかし売却をするときに、その小さな傷やへこみを直してから査定を受けることはあまりおすすめできません。
GT-Rの修繕を板金塗装修理工場等で依頼した場合、ボディカラーに特殊な塗装過程を踏んでいることから高額な修理費用の請求になる可能性があります。買取査定を受ける前に修理に出そうとして、想定以上の修理期間がかかる可能性もあります。また、高額な修理費用をかけて修理しても、修理しないで受けた買取査定と、修理後に受けた買取査定の査定価格の差はカバーできないことがほとんどです。
中古車販売店では、自社で板金塗装をしているところもありますし、外部に修理を発注するよりも費用をかけることなく修理できる業者がほとんどです。小さな傷やへこみであれば、修理には出さずにそのまま買取査定を受けることをおすすめします。
まとめ
こちらでは、GT-Rのリセールバリューについて解説しました。日産を代表するスポーツカーのスカイラインGT-Rの後継車として2007年に登場し、16年目に突入したGT-Rは、日本国内だけでなく海外でも人気の高い車です。
GT-Rは国内外を問わずの人気の高さや、生産量が限定されることによる流通量の少なさも影響し、リセールバリューがかなり高い車となっています。事故や損傷がなく、良好な状態を保った車体であれば、将来的に手放す時も高い価値のある車として売却することができるでしょう。国内外での人気を活かして高額査定を狙うのであれば、海外輸出販路をもつ業者や、海外輸出業者と提携している業者に買取査定を受けて、売却することをおすすめします。また、スポーツカーの特性上、事故に遭うなどで修復歴がある可能性も高いと思いますが、事故歴修復歴がある車であっても高い買取査定額がつくことがありますので、売却時は慎重な買取査定を受けることをお勧めします。
車の買い替えを検討しているなら?
今の車を処分して新車への買い替えを検討している場合は、今の車を高く売ることでトータルコストを抑えることが可能となります。そこで重要なのが、海外に販路を持つ中古車買取業者に買取を依頼することです。
近年、海外での日本車の需要が上昇し、中古車であっても日本車は海外で高値で取引されるようになりました。そのため、海外への販路を持つ中古車買取業者であれば、高値で買い取ることができるのです。
カーネクストは海外への独自の販路を持っているため、低年式車や過走行車であっても高値でお買取できることもあります。ぜひ一度お問い合わせください。