車検には費用がかかり、かなりの金額になってしまうこともあります。車検は車を動かすためには絶対に受ければなりませんが、その費用の高さに困っている人は多いでしょう。しかし、あまり知られていませんが、車検費用は安く抑えることも可能なのです。費用を抑えるためには内訳を正しく知る必要がありますので、費用の内訳を把握して、何にお金がかかっているのか理解していきましょう。
目次
車検を受ける意味
そもそも何の為に車検を行うかと言う部分ですが、これは「自動車検査証」を一定期間で更新する必要があるからです。車は安全性や環境への配慮などがきちんと確認できていなければ、公道を走ってはならず、これは道路運送車両法第58条で決められています。車検は走行性能や安全性、環境への影響などが基準を満たしているかの検査であり、新車であれば3年後に、それ以外は2年毎に検査が必要となります。なので、車検とは検査の基準を設けることで、走行に対する安全性を確保するために行う検査と考えましょう。
車検費用の3つの内訳
車検の費用は大きく、法定費用、車検基本費用(車検代行料)、部品交換費用の3つに分けられます。これら3つの合計額が車検にかかる費用ですが、基本的には法定費用と車検基本費用(車検代行料)のみで、部品交換費用は必要な場合にのみ必要になります。これら3つの内訳をきちんと確認し、見直すことが車検費用の削減に繋がります。
まずは法定費用は3つに細分化できる
車検費用を考える上では、まずは法定費用から確認していきましょう。これは車検をおこなう上では必要な出費であり、費用の大部分を占めるものですので、総費用のベースになると考えましょう。
「法定費用」はどこに依頼しても変動しない
法定費用には更に3つの内訳に分ける事が可能です。その3つは自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料(印紙代)で構成され、これらの金額は固定されているものとなり、どの業者に依頼した場合でも必ずかかりますし、金額が変わることはありません。また業者に依頼せず、自分で車検を受けた場合でも法定費用は必ずかかります。法定費用は車の種類によっても異なりますが、3万5000~5万円程度が相場であり、これに関しては抑える事ができない必要経費と考えましょう。
重量税 | ||||||
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車検期間 | 車両重量 | |||||
~0.5t | 0.5t~1t | 1t~1.5t | 1.5t~2t | 2t~2.5t | 2.5t~3t | |
1年 | 2,500円 | 5,000円 | 7,500円 | 10,000円 | 12,500円 | 15,000円 |
2年 | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 | 20,000円 | 25,000円 | 30,000円 |
自賠責保険 | ||||||
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車種 | 37ヶ月 | 36ヶ月 | 25ヶ月 | 24ヶ月 | 13ヶ月 | 12ヶ月 |
普通車 | 36,780円 | 35,950円 | 26,680円 | 25,830円 | 16,380円 | 15,520円 |
軽自動車 | 35,610円 | 34,820円 | 25,880円 | 25,070円 | 15,960円 | 15,130円 |
検査手数料 | |
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車種 | 費用 |
3ナンバー車 | 1,800円 |
5ナンバー車 | 1,700円 |
軽自動車 | 1,400円 |
「車検基本費用」はどこに依頼するかで変動する
続いて車検基本費用についてですが、これは法定費用のように固定費ではなく、どの業者に依頼するかによって変動します。車検基本費用の内訳としては、検査代、24カ月点検整備の整備費、代行手数料などがあり、これらは依頼された業者の儲け分です。そのためこれらを高く設定している業者もあれば、価格競争で多くの顧客を勝ち取るために安く設定している業者もあります。業者ごとに費用が大きく異なりますので、これをいかに抑えるかが車検全体の費用削減に繋がります。なお、ユーザー車検で業者を介さず自身で車検をおこなう場合は、費用は発生しません。
部品交換が必要であれば「部品交換費用」が加算される
車検では車の安全性や質が問われていますので、きちんと整備しなければ車検証は更新してもらえません。そのため事前に点検をおこない、必要な部分は修理、補修をおこないます。これらにかかるのが、部品交換費や修理費・整備費などで、法定費用と車検基本料にこれをプラスして車検全体の費用となります。部品交換費などは、部品交換や修理などの必要がなければまったくかかりません。また仮に交換などがあった場合でも、消耗品の交換だけで済む場合は、安上がりなことも多いようです。日頃からきちんとメンテナンスをしていれば抑えられる費用なので、車検以外でもこまめに整備をしておくことが大切になります。
【種類別】車検費用の相場の目安
車検費用は工夫次第で安く抑えられますし、どの方法でおこなうかは車の状態によっても異なります。車検にかかる費用は変動することも多いですが、それでも一応の相場はありますので、それを知っておくことも大切になります。相場は車の種類によっても異なりますので、それぞれの相場を知って、その費用よりも安く済ませられるように工夫しましょう。
普通車の場合
普通車の場合、法定費用は合計で4万~4万5000円程度かかり、これが車検時の最低料金となりますので、ここから車検基本料や部品交換費用などが加算される事になります。部品交換費用については車の状態によってさまざまですが、車検基本料は5万~8万円程度が相場となります。そのため業者に依頼した場合は、普通車の車検代は10万円からが相場だと考えておきましょう。
軽自動車の場合
軽自動車の場合、法定費用は普通車よりも安くなり、3万~3万5000円程度が相場です。さらに車検基本料ですが、軽自動車の場合はこれも少し安く、3万~7万円程度です。部品交換費用がいくらかかるかにもよりますが、全体の相場としては6万円からです。
バイクの場合
車だけではなくバイクも排気量が250cc以上のものは車検を受けなければなりません。バイクであっても車検にかかる費用は車と同じで、法定費用、車検基本料、部品交換費用の3つで構成されています。もちろんバイクは法定費用も安く、大体1万5000円程度です。また車検基本料についても、業者にもよりますが2~5万円程度の業者が多いです。部品交換費用によって金額は異なるものの、相場としては3万~6万円程度で済みますので、車検にかかる費用は比較的安いようです。
部品交換にかかる相場
車検の場合は車の状態によっては、部品交換にかなりの金額がかかってしまうこともあります。消耗品の部品交換であれば、それほど高くはなく、エンジン・ブレーキオイルなどは工賃も含めて4,000円程度が相場です。部品交換の場合は交換する部位によっても金額は違ってくるので注意が必要です。たとえばブレーキパッドやバッテリー交換であれば、相場は1万~3万円程度ですが、ラジエーターなど大掛かりな交換になると5万~10万円程度が相場となります。また消耗品でもタイヤであれば4万~8万円程度する場合もありますし、何を交換するかで金額は大きく違ってきます。費用を抑えるためにも、日頃からきちんとメンテナンスをおこない、本当に必要な部分のみ交換しましょう。
内訳を知り「自分はどこにお金をかけるべきか」を考えよう
車検費用を抑えるためには内訳をきちんと理解して、どこを削減するかを考えることが大切です。また安全に車検を受け、自動車を長持ちさせるためには、どこにお金をかけるのかを考えるのも重要です。車検費用はただ削ればよいわけではありません。予算に応じて削るべきところ、お金をかけるところを明確にして、上手に車検を受けましょう。