継続して車に乗るためには、一定期間ごとに車検を受けなければなりません。車検の有効期限は車種によって異なりますが、一般的な乗用車であれば新車購入時の初回検査からは3年、以降2年毎に繰り返す車検が必要です。 車検は費用もかかりますが、それだけではなく時間がかかることもネックに感じる人は多いです。車検は絶対に必要な作業ですので、受けずに車に乗ることはできません。車検にかかる時間を知ってスケジュールを上手に調整し、時間をかけないためにはどうすればよいかを知っていきましょう。
目次
車検の平均時間はどのくらいなのか
車検には時間がかかるとイメージする人も多く、実際に数日程度必要になることもあります。しかし車検=時間がかかるという認識は実は間違いであり、方法次第ではそれほど時間をかけずにおこなうことも可能です。車検を受ける方法はひとつではありませんし、どんなやり方があるのか知っておくことが大切です。車検の方法を知り、それぞれで必要な時間がどれくらい違うのかを把握しておきましょう。
ディーラーに頼むと車検に2~3日かかる
車検=ディーラーと考える人が多いですが、必要な時間としてはディーラー車検がもっとも長いです。ディーラーによって詳細な時間は違いますが、基本的には2~3日程度かかります。車検を通すのに時間がかかるものの、専門の業者であるため、点検や整備の内容などに安心感があるのが特徴です。 車検は時間をかけずに素早く済ませたいと考える人もいれば、時間をかけてでもじっくりとおこない、愛車をきちんと整備したいと考える人もいます。時間だけを考えるのであれば、ディーラー車検は避けなければなりませんが、整備の質などを求める人にはおすすめです。 また最近ではディーラー車検でも、スピードコースを実施している業者が多く、場合によっては1日程度で終わることもあります。
ガソリンスタンドでは最短2~3時間
最近ではガソリンスタンドでも車検が受けられる店舗は増えており、最短2~3時間程度で車検が終了します。ガソリンスタンドであれば気軽に利用しやすいですし、車検完了までの時間も短いため、便利さやスピード感を求める人におすすめです。 ただし、これはあくまで最短での時間であり、店舗の状況などによってはこれよりも時間がかかってしまう可能性もあります。最短で済めば数時間で済みますが、場合によっては1日程度かかる可能性があることは覚えておきましょう。
カー用品店での車検は数時間で終わるお店が多い
カー用品店でも車検が受けられ、これは店舗ごとにかかる時間が違います。しかし、短時間で終わることがほとんどであり、数時間程度を見ておけば問題はありません。カー用品店は、素早く車検が受けられますが、対応するスタッフ次第で点検の質やかかる時間も異なるので注意が必要です。 専門知識のあるスタッフにあたれば、車検もスムーズに終えられますが、場合によっては知識のないアルバイトが対応する可能性もあります。どの店舗を利用するかだけではなく、そのとき誰が対応するかによっても車検の進み具合は異なりますので、若干運の要素も強いです。
ユーザー車検だと1時間もかからない
車検はディーラーやガソリンスタンド、カー用品店など業者に依頼するだけではなく、自分でおこなうことも可能です。自分でおこなう場合は、運輸支局などに車を持ち込んでおこなうユーザー車検になりますが、ユーザー車検だと30分~40分で車検が終了します。 ユーザー車検は自分ですべての手続きをおこないますので、業者に合わせてスケジュールを組む必要がありません。そのため自分でてきぱきとおこなえば、より短時間で車検は終了します。もちろん、検査に合格しなければ再検査となりますし、その場合はさらに時間がかかるか、後日受け直しとなるので数日かかってしまうこともあります。 あくまで当日一発合格の場合に限りますが、きちんと準備をして受ければもっとも短時間で車検が終わるのがユーザー車検です。
車検を円滑に行う方法
車検の方法はさまざまあり、どの方法で受けるかによって必要な時間は異なります。そのため時間短縮を図りたいのであれば、もっとも短時間で済む方法を選択すればよいですが、考えるべきはそれだけではありません。 どれだけ短時間で済む方法を選んだとしても、事前準備を怠ってしまうと時間がかかってしまうことは多いです。車検にかける時間を削減しようと思えば、円滑におこなうための事前準備が大切です。車検をスムーズに進めるためには何をすればよいのかを知り、万全の状態で車検を受けましょう。
車検の期日を把握しておく
車検を円滑におこなうためには、車検の期日を把握しておくことが大切です。車検は有効期限が決まっており、基本的にはいつでも受けられますが、もっともおすすめなのは満了日の1カ月前です。車検は早くに更新してしまうと、残った有効期限は無駄になってしまいますし、保険料や税金なども余分に払っていることになります。 ベストなタイミングは残り1カ月となったタイミングですので、そこから逆算して満了日までに受けられるようスケジュールを組むことが大切です。万が一車検が切れても更新ができないわけではありませんが、公道が走れなくなるなど制限が出ますし、手間がかかります。満了日をきちんと確認し、早すぎず遅すぎないタイミングで車検を受けましょう。
しっかりと車検の予約をする
車検は業者に持ち込めば、すぐさまおこなってくれるわけではありません。他にも車検を受ける人はいますし、整備士の都合次第では後回しにされる可能性も高いです。また当日飛び込みで業者に持ち込むと、混雑状況によっては断られる可能性もあります。 予約なしで持ち込むと時間がかかったり、二度手間になってしまうことも多いので、必ず予約をしてから車検を受けましょう。車検をスムーズに進めるには予約は必須であり、事前に見積もりを済ませてから車検を受けることが大切です。
車検に必要な書類をそろえておく
車検を受けるためには、さまざまな書類が必要ですので、それらを事前に揃えておくことも大切です。書類に不備があれば車検は受けられませんし、いざ車検を受ける日程が決まってから書類を集めていたのでは、間に合わない可能性もあります。 車検では車検証や自動車損害賠償責任保険証明書、自動車税納税証明書などが必要です。必須の書類は事前に準備を済ませ、すぐに手続きが進められるようにしておきましょう。
なぜ車検は行う場所で時間に差があるのか
車検はどこで受けるかによって必要な時間が異なりますが、これには理由があります。どのような理由で仕上がりが遅れてしまうのかを知っておけば、時間短縮の秘訣も分かりますので、時間差ができてしまう理由を把握しておきましょう。
点検するチェック項目により異なる
車検を受ける場所によって時間差ができる理由としては、点検するチェック項目の違いが挙げられます。実は車検といっても、受ける場所によってチェック項目は違っています。もっとも時間がかかるのはディーラー車検ですが、これは車検項目以外のチェックもおこなっているからです。 単に検査に通すための最低限のチェックをおこなうだけではなく、車を隅々まで点検、整備をするため車検にも時間がかかってしまいます。対してフランチャイズ店は車検方法がマニュアル化されており、検査項目も最低限であることが多いです。そのためディーラー車検と比べれば、格段に時間が短縮されています。
整備士の人数により時間に差が出る
車検の時間差ができてしまうのは、チェック項目の違いだけではなく、整備士の人数の違いもあります。大きな業者ほど常駐する整備士も多いですし、車検は早く済む傾向にあります。対して個人営業の小さな業者だと、整備士の数が少ないため、車検にも時間がかかってしまうことが多いです。 もちろん、整備士の人数に対して客がどれだけいるかも車検にかかる時間には影響します。整備士がたくさんいる場合でも、それ以上に客が入れば忙しくなり、車検にかかる時間は長くなります。反対に整備士がひとりしかいない場合でも、車検を受けるのが自分だけであれば、スムーズに進められることも多いです。
車検の際に必要な書類とは
車検の際にはさまざまな書類が必要であり、それがなければ手続きは進められません。いかに車の状態が完璧でも、書類がなければ検査は受けられませんので、必要書類を確認して、不備のないよう準備しておきましょう。
車検の際には3つの書類が必要
車検の際には3つの書類が必要であり、車検証、自動車損害賠償責任保険証明書、自動車税納税証明書に分けられます。車検証とは、車を購入した際に発行される大切な書類です。その車の情報が細かく記載されています。 自動車損害賠償責任保険証明書は、自動車の持ち主が加入しないといけない保険の証明書です。自動車納税証明書は、自動車税を支払っていることを証明する書類です。これらがなければ車検は受けられませんので注意しましょう。
ユーザー車検の場合は更に自動車検査表なども必要
車検を受けるには、基本的には3つの書類だけでOKですが、ユーザー車検の場合は、さらに自動車検査表なども必要です。ユーザー車検はすべての準備を自分でおこなわなければなりませんし、必要な手順や書類も増えるので注意しましょう。
必要な書類を入手できる場所
必要書類は事前に準備しなければなりませんが、実はこれらはすでに持っているものです。基本的には車検時に新たに発行するものではありませんので、どんなタイミングで入手しているかを知っておきましょう。
ご自身の車に保管している車検証
車検証は車に保管しておくものと義務付けられているため、自身の車に保管されている可能性が高いです。前回車検のときに発行されているはずですし、見つからない場合はダッシュボードなども確認してみましょう。
自動車損害賠償責任保険証明書は保険に加入した時に発行してもらっている
自動車損害賠償責任保険証明書は、保険に加入した時に発行してもらっています。自賠責の更新も車検と同時期ですし、基本的には車検証と一緒に受け取っているはずです。見つからない場合は、保険会社に連絡して再発行を依頼しましょう。
納税証明書は毎年5月に自宅に郵送で送られている
納税証明書は、毎年5月に自動車納税通知書と共に、自宅に送られます。通知書が届けば素早く税金を納めて、納税証明書もなくさないように保管しておきましょう。
時間をかけず安く車検を済ませたい場合
車検に求めるものは人それぞれ違いますが、できれば時間をかけずに安く済ませたいと考える人は多いです。車検にはどうしても手間もお金もかかりますが、これもやり方次第では解消できます。もっとも早く、そして安く車検を済ませるにはどうすればよいのかを知り、車検をスムーズ、かつお得に受けましょう。
ユーザー自身が行う「ユーザー車検」がおすすめ
車検を低コストで済ませたいのであれば、ユーザー自身がおこなうユーザー車検がおすすめです。ユーザー車検は24ヵ月点検やブレーキオイル交換、LLC交換以外のことはすべて自分でおこないます。そのため事前準備には手間がかかりますし、ある程度の知識も必要ですが、業者に依頼しないことで安く済みますし、何より検査も数十分で終えられます。
インターネットで予約できる
ユーザー車検を受けるためには、国土交通省の自動車検査インターネット予約システムに新規アカウント登録をして、車検の予約をします。予約さえすれば後は必要書類と車を持ち込んで検査を受けるだけです。運輸支局などで検査を受けますが、平日しか空いていないので注意しましょう。
自分に合った車検を見つけよう
車検の方法はさまざまですが、どの方法で受けるかによってかかる時間も費用も異なります。早く済めばよいわけではありませんし、費用も安く抑えられるからお得であるとは限りません。ゆっくり時間をかけても、丁寧に点検してもらった方がよい場合もありますし、お金をかけて整備してもらう方が結果的にお得になることもあります。 人によって車検に求めるものは違いますので、自分に合った方法を見つけて、納得できる方法で車検を受けましょう。