- 中古車査定・売却の基礎知識 -

中古車査定のチェックポイント

中古車査定では、査定士が必ずチェックするポイントがいくつかあります。
査定を受ける車を売る人にとって特に気になるのは、どのようなチェックポイントが減額につながるのかではないでしょうか。予め中古車査定のチェックポイントを把握しておくことで、査定の前にできることも変わってきます。こちらでは、中古車査定のチェックポイントについて詳しく解説しています。査定依頼をする前にぜひ参考にご覧ください。

外装のチェックポイント

車の外装については、中古車査定の際に必ずチェックされる部分です。具体的にどのような部分が車買取価格に影響を与えるのか、確認しておきましょう。

車体の傷・へこみ

車体の傷やへこみは、車に長く乗っているとどうしても避けられないものではありますが、その大きさや深さによっては、車買取価格に大きな影響を与えることもあります。車を使用している上で付いてしまうような小さな傷やへこみであれば、そこまで車買取価格に影響することはありませんが、再塗装や板金が必要となるような目立つ線傷やへこみなどの場合は、大きな減額につながる恐れがあります。
しかし、傷やへこみを修復するために修理に出してしまうと、車買取価格から減額される分よりも修理費用の方が高くなってしまう可能性があります。かといって、修理費用を抑えようと自分で修理すると、かえって傷が目立ってしまうこともあり得ます。

そうなると、車買取業者が手間や費用をかけて手直しすることとなり、車買取価格から減額されてしまうためマイナス査定の要因となることもあるのです。
車体に傷やへこみがある場合は、車買取価格から減額されやすくなりますが、修理をすると損をしてしまう可能性が高いため、手を加えずそのまま中古車査定に出すようにしましょう。

足回りの状態

足回りとは、一般的に車の下部にあるタイヤ周辺やマフラーのことを指します。車買取査定ではタイヤ周辺のボディとタイヤをつなぐサスペンションやばね部分が劣化していないか、錆はないかなどはチェックポイントになります。もちろんタイヤ自体の残り溝がどれくらいか、ホイールに傷やへこみはあるか、汚れ具合もチェックされるでしょう。
また、マフラーが純正品かどうかもチェックされ、社外品の場合は純正品が保管されているかどうかもポイントになります。足回りの汚れや傷、錆による腐食の有無などもチェックされます。錆や腐食は部品交換が必要となる可能性もあるため、買取価格に影響を与えやすくなっています

改造車

車にこだわりがある方や、カスタムが好きな方は愛車に手を加えている方もいるでしょう。改造車は内容や状態にもよりますが、需要が少なく買い手を選ぶため、一般的な中古車買取店ではマイナス査定の対象になりやすいでしょう。ただし、トヨタのモデリスタやホンダの無限、レカロのスポーツシートなどカスタムパーツとして人気の部品の場合は業者次第では買取価格アップにつながることもあります。ただしあくまでも人気パーツや、パーツ自体に付加価値を持って買取出来る販路を持つ業者のみであり、一般的な中古車買取店では次のユーザーに売りやすい純正品のカスタムされていない車である方が良いでしょう。社外品のパーツが取り付けられている場合はマイナス評価になり得るため、純正品のパーツを取り外して保管し、社外品のパーツを取り付けている場合は、元の純正品の状態に戻してから査定を受けることをおすすめします。

また、車検に通らないような違法改造車の場合は、買取自体を断られてしまう可能性もあるので注意しましょう。

内装のチェックポイント

中古車査定では、外装だけでなく内装の状態も車買取価格に大きく影響します。内装のどのような部分がチェックされるのか確認しておきましょう。

ペットのニオイや毛

車にペットを乗せている場合、車内にペットのニオイや毛が残ってしまうことはあるかと思いますが、こういったものも実は車買取価格に影響します。
ペットのニオイはシートなどに染みついてしまっていることがほとんどなので、ペット専用の消臭スプレーなどを使用して、ニオイをできるだけ取り除いておくようにしましょう。
また、ペットの毛はシートやフロアマットなどに付着しやすく、掃除したつもりでも車内に残っている可能性が高いです。査定の前に毛取りクリーナーを使用したり掃除機をかけるなどして、もう一度念入りに清掃しておくようにしましょう。

ペットを車に乗せる場合は、車に乗せる前にブラッシングしておくと、車内に落ちる毛の量を減らすことができます。また、ホンダのペットシートマットやトヨタのペットシートカバーなど、純正のペット用品を取付て抜け毛や汚れの付着を防ぐアクセサリー用品も販売されているようです。

シートの破れ・汚れ

シートにタバコの焦げ跡や食べ物、飲み物などのシミがある場合は、マイナス査定対象となります。これは、車買取業者が車を買い取った後、中古車として再販を行う前にシートを張り替える必要があり、その分の手間と費用がかかるためです。査定の前にシートに汚れがないかを確認し、汚れている場合は市販のクリーナーなどを使用して、できるだけきれいにしておくようにしましょう。
飲み物などをシートにこぼしたまま放置していると、汚れが染み込んでシミになってしまったり、カビや雑菌の繁殖がしやすくなります。こまめに掃除を行うようにしましょう。

タバコのニオイ

タバコを吸っていたことにより、車内にタバコのニオイが付着している場合は、ペットのニオイやシートの汚れほどの減額にはならないものの、マイナス評価の対象となります。
これは中古車として再販する際、子どもが乗ることを想定して購入するファミリー層や非喫煙者から敬遠される理由となり買い手が減るため、再販時の価格が下がる分買取価格も同様に下がってしまうのです。車内でタバコを吸う場合は、窓を開けるなどしてこまめに空気の入れ替えを行い、ニオイが車内に残らないように注意しましょう。

走行状態のチェックポイント

中古車として再販されることを考えると、車の走行状態はかなり重要であり、査定士が念入りにチェックするポイントでもあります。具体的にどのような部分がチェックされるのか、詳しく見ていきましょう。

エンジンの状態

エンジンは車の心臓部分とも言える部分なので、エンジンの状態は車買取価格に大きく影響します。エンジンから異音や異臭がしたり、エンジンのチェックランプが点灯している場合は、大幅な減額となる可能性が高くなります。
また、水漏れやオイル漏れ、その他のチェックランプが点灯している場合も、何らかの不具合が起きている可能性が高く、マイナス評価の対象になりやすいです。オイル漏れなどは査定の前に対処できることもあるので、エンジンルーム内の清掃も兼ねて確認しておくようにしましょう。

走行距離は多いものの、エンジンをオーバーホールしたり載せ替えている場合は、プラス評価になる可能性があります。走行距離だけを伝えるとマイナス評価になる可能性もありますので、しっかりアピールするようにしましょう。
また、近年増加しているハイブリッド車は、ガソリン車と異なり容量の大きなハイブリッド車のためのバッテリーを積んでいます。このハイブリッドバッテリーが故障していたり、劣化し充電量が少なくなっていると、大幅な減額となるので注意しましょう。

修復歴の有無

修復歴とは、交通事故やその他の災害などにより、JAAI（一般財団法人日本自動車検査協会）の定めた特定の部位（車の骨格部分）を修復、交換した履歴のことを指します。つまり、故障した箇所を修復した車ではなく、骨格部分を修復した車であることが修復歴があるの車の定義となります。

車の骨格部分は、修復したとしても完全に元通りにはなりません。修復歴がある場合、一見きれいな状態であっても、後からドアの開閉や車の動作などに不具合を起こしてしまう可能性が高いため、大幅な減額の対象となってしまうのです。
査定士が修復歴を見逃すことは考えにくいですが、修復歴があることを隠蔽した場合、重大なトラブルに発展する可能性が高いため注意しましょう。

車に関する書類のチェックポイント

中古車査定では車両本体の状態だけでなく、車に関する書類の有無も査定のポイントになります。どのような書類が車買取価格に影響するのか見ていきましょう。

定期点検記録簿

定期点検記録簿とは、法定点検の内容を記録したもののことです。定期点検記録簿には、車がこれまでどのような整備を行ってきたのか、どの部品を交換したのかなど、車買取業者が中古車として再販する際に知っておきたい情報が記載されているため、あることでプラス評価につながりやすくなります。
整備点検記録簿には、他にも「車の所有者」「車台番号」「ナンバー」「点検整備日時」「検査責任者名」「検査時における総走行距離」などが記載されています。
定期的なメンテナンスを受けていることや継続車検を受けて合格していることは、実は国内の販路だけでなく海外に販路をもつ車買取業者にとってもプラス査定になります。

取扱説明書

車以外の物を中古品として売却する際、取扱説明書があることで買取価格が上がったという方もいるのではないでしょうか。車も同様に、取扱説明書があることでプラス査定につながりやすくなります。もう読み終えてしまった、必要ないという理由で廃棄してしまう方も多いかと思いますが、中古車として再販することを考えると、次のオーナーにとっては必要なものになります。
また、純正品、社外品問わず、パーツの取扱説明書も同様の理由で買取価格アップにつながりやすいです。取扱説明書類は廃棄せずに保管しておくようにしましょう。